クロネコメール便の出荷票に『信書』ではないと云う、出荷者の宣言が必要とされている。この『信書』とはどういったものを指しているのでしょうか。
一般的には何となく“『手紙』が信書に該当するのかな”といったくらいの認識であり、周知徹底されているとは到底思えません。
広辞苑には、「特定の人が特定の人に意思などを通ずる文書。てがみ。書状。」と記載されていますが、具体的には解りません。
そこで、信書が扱える郵便事業を管轄している総務省のホームページで調べると、情報流通行政局郵政行政部のページがあり、そのメニューに「信書便事業」がありました。
これをクリックして信書便事業のページに遷移すると、「信書のガイドライン」が掲載されています。
私たちは、このガイドラインで『信書』に該当するとされている書類を“信書ではない”として、信書便事業者ではない業者に配送を託してはいないでしょうか?
とはいえ、この区分について、実務的でない部分があるとも思えますが、彼のソクラテスが言った「悪法もまた法なり」といったことも念頭に置いておかなければならないと思います。
しかし、一方で、哲学の分野における『法実証主義』の考え方も無視できないと思います。
法実証主義は、法の存在条件を社会的事実のみに求め、法が法であるというだけで遵守されるべきだとは主張しません。したがって、「悪法もまた法であるが、悪法については、法だからといって従う義務はなく、寧ろ従うべきではない。」と主張しています。
さて、賢明な私たちはどのように対処すればいいのでしょう。
【関係法令】
1.郵便法
2.郵便法施行規則
3.民間事業者による信書の送達に関する法律
4.民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則
《信書のガイドライン》
【基本的な考え方】
○「信書」とは
「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と郵便法及び信書便法に規定されています。
○「特定の受取人」とは
差出人がその意思又は事実の通知を受ける者として特に定めた者です。
○「意思を表示し、又は事実を通知する」とは
差出人の考えや思いを表現し、又は現実に起こりもしくは存在する事柄等の事実を伝えることです。
○「文書」とは
文字、記号、符号等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物のことです。(電磁的記録物を送付しても信書の送達には該当しません。)
【具体例】