政府は今(2020年5月2日-土-)、新型コロナウイルス対策の一つとして、杉田官房副長官を中心に、学校の入学時期を9月にすることへの検討を始めました。慣れ親しんだ制度なので、9月にすることへの賛否両論はありますが、当事者である学生・生徒のことを第一に考えての方策を実施して欲しいものです。
政府・与党は5月27日(水)、入学時期を現行のままとし、9月にすることを見送ることとしたようです。
私は2月3日生まれなので早行きです。普通行きは4月からだと大人から漠然と教えられてきましたが、どうも違うらしい。
普通行きは4月2日生まれからで、4月1日生まれは早行きのようです。4月1日は新年度・新学年がスタートする日です。なぜこのようなことになったのでしょうか。
4月1日は世界的には『エイプリルフール(4月バカ)』です。でも、それとこれとは違うのではないでしょうか。
学校教育法施行規則59条には『小学校の学年は、4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる』とあります。
どうやらここに規定される期日は、普通の人が思い浮べる日付とは違っているようです。年齢は明治に制定された「年齢計算に関する法律」と「民法」の規定に拠っているようです。生まれは最後尾的にはその日の24:00、翌日は最先頭的にその日の0:00です。一般的には「本日24:00も翌日0:00も同じではないか」と言いたくなりますが、法の世界では違うようです。
また、学校教育法17条で『保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初め(※4月1日)から、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程または特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う』とあります。つまり、6歳になった日の翌日以降で、4月1日がきたら、小学校に入る、ということです。
『満6歳』の計算は、『出生日(誕生日)を1日目として年齢計算に含める』(年齢計算に関する法律1条)と『その起算日(※今回の例では誕生日)に応当する日の前日に満了する』(民法143条2項)に基づきます。
2014年4月1日が誕生日の人は、2020年4月1日からの学年になります。それに対して、2014年4月2日が誕生日の人は、2020年4月1日の午後12時迄に満6歳になりますので、2020年4月1日からの学年にならずに、満6歳になった翌日以降の学年である2021年4月1日からの学年、つまり来春の入学になるのです。
つまり、「2004年4月1日が誕生日の人は、3月31日の24:00までに満6歳になる。」という考え方です。
また、閏年の2月29日については平年においては2月28日とする旨の規定もあります。
このように法律の規定によって、正月1日から卯月1日の「早行き」「早生まれ」という現象とその謎が誕生しました。
また、旧の“数え年”(生まれてから関わった暦年の個数で年齢を表す方法 ― 生まれた年を「1歳」「1年」とする数え方 ― )では、1月1日生まれから4月1日生まれまでの就学を4月2日以降生まれと比較して「早行き」と称したようです。
私は「10月1日」派です。“数え年”の考え方を絶対的基準値とすれば、「お正月」を迎える都度同じ年生まれの人はおない歳になり、「早行き・早生まれ」の問題も無くなるし、更に、幼稚園・小中学校の就学年齢を、何も役所や大企業の会計年度に合わせる必要は無いのではないかと考えます。
9月入学となった時、この記事の『早行き・早生まれ』はどのように変わるのでしょう。
【関係先】
〇 e-Gov-学校教育法
〇 e-Gov-学校教育法施行規則
〇 e-Gov―明治三十五年法律第五十号 年齢計算に関する法律
〇 e-Gov-民法第百四十三条
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