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スケルトンハウス‐きまぐれCafe

生活とビジネス

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舞子ビラの今後は?

2012-09-08 09:15:00 | 社会・経済

 9月7日(金)、神戸市による舞子ビラの不動産及び事業等の譲渡計画推進が開始されました。

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 舞子ビラは、正式にはシーサイドホテル舞子ビラ神戸(Seaside Hotel MAIKO VILLA Kobe)といい、神戸市垂水区舞子にある素敵なシティホテルです。

 その沿革は、

 有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみや たるひとしんのう)が1888年(明治21年)に烏崎(からさき)とも呼ばれた現在の舞子柏山に避暑で来訪。

 ここからの景勝をいたく気に入られた熾仁親王はこの地を買い上げられ、1893年(明治26年)に別邸の建設を開始、1894年(明治27年)に竣工しました。

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 その後、1917年(大正6年)に住友家へ払い下げられ、迎賓館となりました。

 1920年(大正9年)に史蹟名勝記念物指定を受けています。

 終戦直後はGHQに接収されました。
 1950年(昭和25年)にホテルトウキョウへ売却。
 1959年(昭和34年)にオリエンタルホテルが買収し、「オリエンタルホテル舞子ビラ」とし経営していました。

 1966年(昭和41年)に神戸市が買収し、「市民いこいの家 舞子ビラ」となり、市民プールや宿泊施設が建設されました。1981年(昭和56年)には8階建ての別館(現:緑風館)が建設されました。

 1995年(平成7年)1月17日(火)に発生した兵庫県南部地震、阪神・淡路大震災では施設が損壊し、本館の建設と他施設の修繕が同時に進められ、1998年(平成10年)9月に現在の経営体制(神戸市第三セクター「神戸マリンホテルズ」)で再開業されました。

 舞子ビラの概要は、

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 舞子公園の北東、明石海峡を望むことができる丘の上あります。

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 建物は、1998年竣工の14階建ての本館と1981年竣工の8階建ての緑風館(別館)で構成されています。

 上述したとおり、古くは皇族の私邸でしたが、1966年に神戸市が購入し、公共レジャー兼宿泊施設として営業されてきました。

 バブル期に大規模な新本館の建設が計画されましたが、その後の平成不況と阪神・淡路大震災による経済的影響から着工が遅れ、明石海峡大橋が開通した1998年の9月に「シーサイドホテル舞子ビラ神戸」として新装開業しました。

 本館は三宮や元町のシティホテルに引けをとらないほどのスケールであり、本館14階の「スカイバンケット THE HILLS」、3階の「葵」、「萩」、レストランや本館14階の「ダイニング&バー KEY WEST」、1階の「テラスレストラン サントロペ」そして一部の客室の浴室から明石海峡大橋や淡路島が展望できるように設計されています。
 また、有栖川宮別邸の庭園に植えられていた姫小松を生かすように庭園設計がなされています。

 別館は緑風館と称し、客室(和室)と宴会場・浴場が設置されています。



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 ホテルとして運営されるようになって、ブライダル事業にも注力し、新本館落成後に、庭園内にチャペルも設置されました。



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 舞子ビラは急勾配の丘陵地にあるため、徒歩利用者向けに傾斜にそって横に水平移動する「斜行エレベータ」が設置されています。このエレベータは全国的に見てもきわめて珍しい機種です。



 今後のホテル運営に関して、

 不動産部分については神戸市が1996年に旧さくら銀行(現、三井住友銀行)の信託子会社であるさくら信託銀行(現:三井住友信託銀行)を代表受託者として組成した「神戸市舞子ビラ土地信託」へ45年間土地信託を実施する民活が採用され、経営は神戸市の外郭団体である神戸マリンホテルズ株式会社(神戸市が約25%、出資)が担っています。

 この第三セクター「神戸マリンホテルズ株式会社」の経営・運営について、

 神戸市が設置した「外郭団体経営評価委員会」の2008年度報告(2009年4月公表)では、海上アクセスと並び『事業スキームを含めた抜本的解決策の検討を早急にお願いしたい』との提言が付されました。

 更に、2011年6月に『舞子ビラ事業のあり方検討委員会』が神戸市に設置され、2012年2月に提出された「意見の最終まとめ」を受け、以下のような条件付きで民間に売却するとの方針が、平成24年3月の神戸市会における附帯決議等として決定され、9月7日、「舞子ビラ事業・不動産活用に関するプロポーザル募集要項」の配布が開始されました。
   ・神戸市が所有する土地の賃借
   ・土地に現存する建物等設備購入
   ・ホテル従業員全員の雇用継続
   ・ホテル事業の継続

 舞子ビラの経営不振は何に起因するのでしょうか。
 神戸市の第三セクター「神戸マリンホテルズ株式会社」による甘い経営が最も大きな要因とは思いますが、加えて、宣伝不足は否めないものと思います。
 神戸市内には宿泊・宴会を行うホテルが林立しています。ブライダル事業についても専門施設がたくさんあり、旧来の神社、ホテルを含め過当競争となっています。
 このような中、舞子ビラの歴史的文化的価値、景観の良さなど、神戸市民をしても知っている人は少なく、“いわんや他の地域の人においてをやだ” と思います。

 綺麗なホームページも必要ですが、加えてもっと地道な営業活動や営業施設としての露出度の向上、お役人的でない経営センスが必要なのではないでしょうか。


【関係サイト】

 ○ シーサイドホテル舞子ビラ神戸

 ○ 有栖川宮と舞子ビラ神戸の歴史

 ○ (神戸市)舞子ビラ事業あり方検討委員会の概要

 ○ 舞子ビラ事業・不動産活用に関するプロポーザル募集要項の概要(神戸市サイト)

 ○ 舞子ビラ事業のあり方に関する最終まとめ(PDF)



【関係資料】

 ○ 2012.09.07朝日新聞神戸版切抜き





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