カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

キリンの子

2019-12-11 20:50:23 | 日常あれこれ
 柳誌の編集のため吟社の事務所に出かけた。 

 例によって江津湖畔の道を歩いた。

 もう落ちるべき葉はほとんど落ちたという感じ。

 

 冷たい朝の空気の中で、もう近くの保育園児が遊びに来ていたし、広場でペタンクに興じる年寄りの姿も見られた。

 少し歩くと動物園の横を通るが、この時期アフリカなどに住んでいる動物などはさぞ寒かろうなどと思いつつキリン舎の横を通った。

 

 なんとこの寒い朝に、高い柵に取り付けられた餌かごに顔を突っ込んで餌を食べていた。

 向こうむきで、食べていたのだがこちらの方へ歩いて来てくれた。

 しかも、前足をやや広げながら折り曲げて首を下に下げて、地面の草を食べ始めた。

 

 キリンのこんな姿は見るのが初めてだったので驚いた。

 キリンは高い所の木の葉などが専門で、地面の草などを食べるには不向きな体形だと思っていた。

 以前キリン舎には3頭のキリンが居て、このキリンはこの動物園生まれで幼い時から見慣れたキリンである。

 だんだん大きくなって、もう一人前に近い姿に成長した。

 鳥居という歌人がいて、歌集のなかに「キリンの子」という歌があり、印象に残っている。

 「目を伏せて空にのびゆくキリンの子月の光はかあさんの色」という歌。

 悲惨な運命とも言うべき生い立ちから歌を詠むことで、自分というものを発見し立ち直っていく多分若い女性の歌人である。

 この動物園のキリンの子も、確か生まれて暫くして母親と死別していると記憶している。

 鳥居は自分自身をキリンの子として詠んでいるが、この動物園の子供のキリンを見るとすぐ鳥居を思い出してしまう。

 さてさて、編集の方は出来上がったものを再度組み替えたりする必要に迫られたりして、一応の作業が終わったのはかなり遅くなってからである。

 帰り道の江津湖もすっかり暗くなっていた。

 

 対岸には、家路につく車の長い列が続いているのが見える。

 朝は湖面を覆うようにいた鳥たちの姿は見えない。

 岸辺の草むらにでも潜り込んで寝ているのだろう。

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コメント
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