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楊貴妃 (719~756) 中国の唐王朝を傾けた絶世の美女

2018-03-23 04:13:58 | Weblog

楊貴妃は、唐王朝中期に玄宗皇帝の寵愛を一身に受けながら、最後は彼の命令で命を奪われることになった絶世の美女。
玄宗が彼女への愛に溺れている時に内乱が起こったことから、「傾国の美女」とも称されるが、
彼女の美貌に罪はない。
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「白居易も歌に詠んだ玄宗皇帝との愛」
 
楊貴妃は、蜀の下級役人の娘に生まれたが、親と死別後は叔父の養女となる。やがてその美貌から、玄宗皇帝の第一八皇子の妃となったが、玄宗の妃の死に因って新しい運命が開ける。玄宗は、息子の妃である楊貴妃を、自分の後宮に呼んだのだ。
二人を引き合わせたのは、宦官の高力士と云う人物だった。
この時は、正に玄宗の一目惚れだったが、後宮にたくさんの美女を呼んでいた彼を虜にしたのだから、彼女の美しさの程が想像できる。

息子の嫁を行き成り愛妾に迎えるわけには行かないので、玄宗は彼女を一旦女冠と云う道教の女道士にした後、七四五年に後宮に招き入れた。
そればかりか、三十四歳と云う年齢の差がありながら、直ぐに「貴妃」と云う、正妻に次ぐ地位の称号を与えて可愛がった。

その愛し方は尋常ではなく、楊貴妃の服を仕立てる為に七〇〇人もの職人を宮廷に抱えたり、彼女の好きな果実のライチを広東から長安の宮廷にまで運ばせるのに早馬を使ったりする程だったとも謂われている。

とは云え、玄宗はただ楊貴妃の美貌だけを愛したのではない。
彼女は優れた歌い手、そして踊り子であり、玄宗はその芸術的才能も愛していたのだ。

後世になって綴られた白居易の『長恨歌』には、そんな二人の愛の生活ぶりが詠まれているが、それを読むまでもなく玄宗の楊貴妃への寵愛ぶりが分るのが、楊一族の出世だろう。
楊貴妃の三人の姉も後宮入りし、いとこの楊国忠も宰相の地位に就いているからだ。
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「長恨歌(一節)」
漢皇重色思傾國、御宇多年求不得、楊家有女初長成、養在深閨人未識、
天生麗質難自棄、 一朝選在君王側、 回眸一笑百媚生、六宮粉黛無顏色
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「安禄山に追い詰められ、絞殺される」
 玄宗の楊貴妃への寵愛と一族の出世話が知れ渡ると、彼女に取り入って立身出世を図る者も現れたが、その代表格が安禄山と云う人物だった。
彼は、イラン系ソグド人とトルコ系突蕨(とつけつ)人との混血の節度使だったが、自分の身分を蔑みながらも楊貴妃を褒め、朴訥さを装って彼女の養子に成りたいと申し出る。
心をくすぐられた玄宗がこれを許すと、安禄山は自由に後宮に出入りしながら周辺民族を固め、権力を蓄えて行った。

そして、これに不安を覚えたのが楊国忠だった。
玄宗は彼の再三の忠告にも耳を傾けなかったが、やがて、その不安が的中する日がやって来る。
七五五年十一月九日、本拠地の范陽に引き揚げていた安禄山が反乱を起こしたのである。

一〇万を数える反乱軍はよく統率され、一気に長安に迫る勢いを見せた。
翌年には、安禄山は自らを「大燕皇帝」と名乗り、国号を改める。
身の危険を感じた玄宗は、楊国忠に導かれて楊貴妃をはじめとする一族を連れ、蜀に逃げるしかなかった。

ところが、安禄山は万全の手を打っていた。
落ち行く先々で皇帝一行は冷たく無視され、食べ物を手に入れることさえ困難な目にあう。
また、先乗りを命じた者が根回しをせずにそのまま逃亡すると云う様な事態も起きた。
すると、一行の兵士たちの中から「楊国忠を殺せ!」「楊貴妃こそが元凶だ!」と云った声が上がり始め、遂に、楊国忠は殺されてしまう。
楊一族への日頃の妬みが爆発したのだ。
こうなると、さすがの玄宗も楊貴妃を庇い切れなくなる。
馬嵬に着いた時、遂に彼は決意して、泣く泣く楊貴妃の処遇を部下に任せた。
そしてその時、「これしか方法はありますまい」と楊貴妃の首を絞めて殺したのは、皇帝を彼女に引き合わせた張本人、高力士だった。

実際のところ、楊貴妃には殺される程の罪はない。
その罪は、彼女を溺愛し過ぎて国政を乱してしまった玄宗こそが問われるべきものと謂えよう。

              

                        世界の「美女と悪女」がよくわかる本

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