◆ナポレオンが白馬に跨って山を越えたというのはウソ

「ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト」（１８０１年）　ジャック＝ルイ・ダヴィッド画

「アルプスを越えるナポレオン」（１８５０年）　ポール・ドラローシュ画

 

フランスの「英雄」として名高いナポレオン。
白馬に乗ってアルプス山脈を越えている自画像の知名度はかなり高いだろう。
ところが、その自画像に描かれているのは脚色された英雄の姿なのである。

ナポレオンは１８００年に、北イタリア侵攻の為アルプス越えを行なった。
ナポレオンはそれを、古代ローマの敵であったカルタゴの将軍・ハンニバルが行なったアルプス越えに重ね、
自身を奮い立たせたという。
そこで、宮廷画家のジャック＝ルイ・ダヴィドに自らの姿を描かせたのだ。
「白馬で力強くアルプスを越えんとする私を描け」との命令つきだったという。
つまり、実際は白馬でなくラバに乗って山を越えたと言われ、そちらの絵画も残っている。

自分の功績が後世に残るものと考えての判断ならば、さすがと言うべきかも知れない。

 

　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　教科書も間違っていた 歴史常識のウソ

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