有名な西洋絵画、ムンクの『叫び』。「ムンクの叫び」というタイトルだと勘違いされがちなことや『叫び』というタイトルから、絵に描かれる人物が叫んでいると思ってしまうが、それは間違いだ。
あの人物が叫んでいるのではなく、耳に手を当てて周りの音を聞かないようにしているのである。では、『叫び』とはなにかというと、自然を貫く果てしない叫びのことだ。
この作品は、作者であるムンクの体験を基に描かれた。
その体験とは、夕暮時に友人とフィヨルド(故郷ノルウェーの地名)を歩いていたら空が突然真っ赤に変わり、激しい耳鳴りのような音を聞き、その音に酷く怯えたというものだ。ムンク自身が日記にそう綴っており、「炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった」と表現している。余談だが、ムンクは『叫び』を完成させた後、アルコール依存症で精神病院に入院したそうだ。
画像 『叫び』エドヴァルド・ムンク (1893年)
(オスロ国立美術館所蔵)
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