Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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ミカエル 全天使に号令する神の御前のプリンス

2018-05-21 04:09:08 | Weblog

旧約聖書にハッキリとその名が明記されている三人の天使の一人で、
その名は、「神に似た者」と云う意味を持ち、しばしば「神と同等の者」とも解釈される。その事から分る通り、ミカエルはキリスト教のみならず、ユダヤ教、イスラム教に於いても偉大と見なされる。謂わば天使世界の重鎮である。...

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「人気・実力、すべてに於いて頂点に立つ」
 その存在の大きさは、背負った肩書きの多さにも、よく表われている。
多くの文献はミカエルを、「四大天使」、「七人の大天使」、
そして、十二人いると云う「神の御前の天使」の一人として挙げ、かつ、それらの筆頭格としている。
一般的にミカエルは「大天使」とされるが、「九階級」の中で最高の階位は熾天使(してんし)だ。よってミカエルは、熾天使でありながら、同時に、下位のクラスである力天使・大天使の長をも兼任していると謂われる。天上の七階層のうち「第四天の支配者」であり、また、「イスラムの守護者」でもある。そんなミカエルは、様々な外典・偽典にも頻繁に登場する。それら文献資料以外でも、彼が降臨して奇跡を行なうのを目撃したと云う民間伝承が、ヨーロッパの各地には数多く残っている。
彼の名を冠した教会、寺院、大聖堂、修道院などは、大ていはそうした土地の伝説に由来しているのである。このことは、庶民の間でのミカエルの人気の高さを示している。実際、中世期のカトリック教会が、加熱する天使信仰を危険視して、多くの天使を堕天使と認定し、彼らへの崇拝を禁じた時ですら、ミカエル崇拝に関してはこれを認め、寧ろ奨励をした。
熱狂的信者を多数持つミカエルを非難することには、さすがの教会の権威者たちも尻込みせざるを得なかったのだろう。
現在でもカトリック教会は、ミカエルより偉大な天使は存在しないとして、彼を「天使の王子」と呼んでいる。

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「悪魔軍団を撃退せよ!天使軍団のリーダー」
 大物だけに、ミカエルに関する資料は実に様々だが、それらをすべて信じるならば、彼は一人で膨大な量の役割りを背負っていることになる。
例えば、一般には「預言と啓示」はガブリエル、「治癒と癒し」はラファエルの担当とされているが、そうした仕事まで、ミカエルに託されてしまうことが少なくない。それはそれで、ミカエルの偉大さの証しではあろうが、ともすれば、彼に仕事を奪われた他の天使の立つ瀬がなくなってしまうので、ここでは敢えて、多くの文献が共通して述べている、ミカエル独自の役割りに絞って紹介したい。

キリスト教の宗教画で、定番となっている画題の一つに、「サタンと戦う聖ミカエル」がある。そこでのミカエルは、大てい、長い金髪の美貌の騎士として描かれ、背中に白い翼を生やした体を鎧に包んで、右手に剣、左手に魂の公正さを測る秤を構え、竜に化身したサタンを踏みつけている。
この画題が示す様に、神の摂理の代行者としてサタンと戦い、罰することこそが、ミカエルの最も主要な任務なのだ。事実、『黙示録』では、
サタンが他の堕天使(=悪魔)らを率いて神に反旗を翻した際、ミカエルは天使の軍勢を率いて、これを退けている。
他にも、『ユダの手紙』には、モーゼの遺体を巡ってサタンと争うミカエルが描かれているし、『ゼカリヤ書』にも、サタンと対決する「主の御使い」に関する記述がある。「主の御使い」がミカエルであると明記されていないが、この語は、同種の「ヤーウェ(ヤハウェ、エホヴァ)の天使」と並んで、聖書に頻出する。その何割かは、神自身が化身したものだとする説もあるが、伝統的には、ミカエルを指すと解釈される。
サタンにとっては、神よりも寧ろ、その忠臣たるミカエルこそが、毎回の様に野望を挫く、忌々しい宿敵と謂えるだろう。

               

                       「天使」と「悪魔」がよくわかる本

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