◆吉田松陰が松下村塾を設立したというのはウソ

幼少期、松陰自身も松下村塾で叔父から厳しい教えを受けた　（山口県文書館所蔵）

 

高杉晋作や新政府のトップとなる桂小五郎、初代内閣総理大臣伊藤博文など、優秀な人材を輩出した松下村塾。
その塾頭が、２０１５年の大河ドラマで話題になった吉田松陰だ。

誠意を持って行動すること、相手を信頼すること、短所を責めずに長所を伸ばすことなど、
如何に生きるべきかを説いた松陰は、維新を志す若者の精神的な支柱でもあった。

松陰が教えた松下村塾。「なるほど、松陰の塾だから松下村塾なのか」と思ってしまうが、
この塾を設立したのは松陰ではなく、彼の叔父玉木文之進で、
名前の由来は塾のある場所が松本村だったからというシンプルなものだった。

松陰が塾頭になったのは、ペリー来航時に黒船に乗って海外へ渡ろうとした罪で自宅での幽閉扱いになった頃で、
それ以前から塾は存在していた。
ただ、子弟の教育に限定されていた塾を広く開放した松陰の試みは大きな成功を収めることになった。

 

　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　教科書も間違っていた 歴史常識のウソ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人物にまつわるウソ 「日本編」

菜根譚 後集２７項

矢車菊（Cornflower）　Centaurea cyanus　優雅　繊細

 

熱不必除、而除此熱悩、身常在清凉台上。
窮不可遣、而遣此窮愁、心常居安楽窩中。

熱は必ずしも除かざるも、而も此の熱悩を除かば、身は常に清凉台の上に在らん。
窮は遣るべからずも、而も此の窮愁を遣らば、心は常に安楽窩の中に居らん。

「心頭を滅却すれば、火も自ら涼し」
自然の暑さそのものは必ずしも除かなくとも、この暑さを気にして思い悩む心さえ除いたならば、
その身はいつもサッパリした涼しい台の上に居るのと同じである。
また、貧困は追い払わなくとも、ただその貧困を気にして悩む心さえ追い払ったならば、
その心はいつも安楽な家の中に住んでいるのと同じである。