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◆徳川5代将軍綱吉の生類憐みの令が悪法だったというのはウソ

2024-09-18 14:01:21 | Weblog

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儒教精神を尊んだ綱吉は、捨て子対策の他に学問所の設立、朝廷儀式の整備などの改革に着手した

 

徳川綱吉といえば天下の悪法「生類憐みの令」を出した将軍としてあまりにも有名だ。
犬好きの綱吉は、犬はもちろん蚊や蠅など全ての生き物を殺すことを禁じる
一見無茶な法令を出して庶民を困らせたと伝えられている。
しかし、これは大きな間違いで、元々は捨て子対策として出された法令だったのだ。
現在では「生類憐みの令」という単体の法律であるかの様に思われがちだが、
実際は20年に渡って発布された生物保護に関するお触れで、初めは厳格に殺生が禁止されていたわけではなかった。
だが、殺生は良くないと言われても簡単に従おうとしない者もいたようで、わざと犬を殺して見世物にする者もいた。
こうすると反抗する側と引き締める側でイタチごっこが始まり、最終的に遣り過ぎな悪法が出されるに至ったのである。
といっても、地方ではそれほど厳密ではなかった様で、尾張藩では何度も魚釣りが行われていたし、
長崎では豚肉、鶏肉が食べられていた。
また、悪法といっても先ほど触れた捨て子対策や
動物の死体の遺棄を禁止するといったお触れは綱吉以降の将軍にも継承された。
途中でどこかおかしくなってしまった生類憐みの令だが、この一連のお触れによって
戦国の荒々しい気風を残していた社会は徐々に変化した。
更にこの法と関連して神道に根差した服忌令を出したことで、血や死を忌み嫌う風潮を作り出し、
武力によって相手を捻じ伏せる旧来の価値観を転換させることに成功した。
綱吉の治世を経て、世は「武」から「文」へと移行することになったのだ。

この様な功績があるにも関わらず、これまで低評価しか受けて来なかったのは、
水戸黄門こと徳川光圀との逸話が影響している。
生類憐みの令に反対する光圀が綱吉に犬の毛皮を送りつけて皮肉ったという話は広く知られているが、
これは人気が高い光圀を持ち上げる為に作られた創作の可能性が高い。
この他にも大規模火災、赤穂事件、富士山噴火やそれらに伴う財政破綻など、
とにかく不運が重なったことも綱吉への反感と無関係ではないだろう。
 
       
                                  教科書も間違っていた 歴史常識のウソ
                                             政治と事件のウソ

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