Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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◆乗組員全員が忽然と姿を消した 無人のまま漂流を続けていた、メアリー・セレスト号のミステリー

2019-10-30 03:50:28 | Weblog


メアリー・セレスト号


2001年に発見されたメアリー・セレスト号の残骸

1872年12月5日、アゾレス諸島とポルトガルの間の北大西洋で、ニューヨークの港を出てジブラルタルに向かい、大西洋を横断していたデイ・グラシア号が、おかしな様子で帆走している船を発見した。その船、メアリー・セレスト号に信号を送ってみたが返事はなく、救助の為に乗り移った船員たちは、船内が全くの無人であるのを知った。

*無人で航海を続ける船に何があったのか  
それなのに船内は、食べかけの料理や吸いかけのタバコの跡があり、船員たちの衣類や身の回り品もそのままで、ついさっきまで人が居たかのような様子だった。航海日誌を調べてみると、11月25日を最後にその後は何も書かれておらず、メアリー・セレスト号が約9日間に渡って漂流していたことが判明した。船体はどこも傷んでおらず、食糧も水もタップリあるというのに、である。
ともかくデイ・グラシア号は、メアリー・セレスト号を曳航してジブラルタルの港に入り、この不思議な出来事も、海事法廷に持ち込まれて綿密な調査がなされた。

*船長と妻と娘、7人の船員が失踪  
メアリー・セレスト号は、もともとアマゾン号という名前で1860年に建造された船だった。ところが、事故や座礁を繰り返した為大規模な修理が施され、新たにメアリー・セレスト号という名前を与えられてニューヨークからイタリアへの航海に出たばかりだった。積み荷は原料アルコールのみで、乗員は船長のブリッグスと7人の船員に加え、船長の妻と3歳の娘も乗船していた。それから僅か1か月たらずで、無人の船となっていたのである。 調べてみると、救命ボートあ、船長室にあるはずの航海計器類や測定器類などの航海道具がないことが判明した。舷側には新しい傷があり、積み荷のハッチは2つ剥がれていた。積み荷の原料アルコール樽が1つだけ壊れ、中身が流出していた。だが、乗員の行方も、何故無人になったのかも、杳として不明だった。

*乗組員が姿を消した理由の、様々な憶測  
原因については、様々に取り沙汰された。 海上竜巻に遭ってパニックに陥った、或いは食中毒にかかって幻覚を見るようになり、全員で脱出しようとした。 船員が反乱を起こして船内で殺し合いになり、相打ちになった。 デイ・グラシア号の船長が、海難救助料目当てに皆殺しにした。 船長同士が海難救助料目的に、共謀して芝居を打った。 金塊を積んだ船に遭遇して、全員がそれに乗り移って姿を晦ました、などである。 巨大なイカが、全員を船の舷窓から吸い出したといった珍説まで出た。
しかし、どれも決め手に欠けており、1873年に海事法廷は、メアリー・セレスト号が海上で遺棄された理由は不明であると認め、その後も船長以下乗組員が発見されることはなかったのである。

*救命ボートは何処へ消えたか  
メアリーセレスト号の謎について、現在では積み荷の壊れた原料アルコールの樽に着目する説が中心である。当時は、船員がそのアルコールを開けて飲み、酔っ払ったのが原因ではないかという向きもあったが、船員ならばどんな酒好きであっても、原料アルコールを僅かでも口にしようものなら、強烈に胃が痛み、失明することさえあるのを知っているから、手を出すはずがない。
そこで航海日誌に注目すると、24日の夜には激しいスコールがあったが、朝には風もすっかり止んだとある。ニューヨークと大西洋の真ん中との温度差と、スコールによる激しい揺れで、樽の中で気体が大量に発生して爆発、ハッチを吹き飛ばした可能性があるのだ。 これ自体はそう危険なことではないが、それを知らなかった一同は、慌てふためいて救命ボートに乗り移った。しかもケーブルを繋いでおかなかったので、吹き始めた強風によって、メアリー・セレスト号は救命ボートを残して遠ざかって行った.....。
大西洋のど真ん中を漂流する羽目になった人々の運命は、推して知るべしである。 その後、メアリー・セレスト号は、呪われた船と呼ばれ、幾人ものオーナーの間を転々とした。だが、関わった者は利益をあげるどころか、自殺したり事故に遭ったり、気が狂ったりするといわれ、西インド諸島でまたもや座礁すると、そのまま放置されて朽ちて行った。


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