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妲己 「酒池肉林」に溺れた中国殷王朝最最後の妃 (前11世紀頃)

2017-08-22 18:01:54 | Weblog

「酒の池に戯れ、肉の林で遊ぶ」

妲己は、紀元前11世紀頃の中国に確認される最古の国、殷王朝の紂王の妃である。
彼女は有蘇氏の娘で、絶世の美女と言われ、降伏の印として殷王に献上されて、妃となった。
彼女の美しさに紂王は直ぐに虜になり、彼女を喜ばす為に淫蕩な世界に溺れて行った。

先ず、妲己の為に離宮が造られ、大きな池に酒を満たし、木々には肉が吊るされた。
そして淫らな歌謡が辺りに流れる中、一糸まとわぬ男女が酒の池で戯れ、肉の林で遊ぶ。
これがまさに「酒池肉林」であり、紂王と妲己は、それらを眺めながら自らも歓楽に耽った。
更に彼女は、人々が本気で殺し合う様を見ては喜び、人民に怨嗟の声が広がると、炮烙(ほうらく)の刑が考え出された。
これは、油を塗った胴柱の上に囚人を上がらせ、下から火を焚きつけると云う刑だ。
囚人は胴柱にしがみつくが、火の手はジリジリと上って来る。
紂王は、苦しみ悶えながら囚人が焼け死んで行く様子を見て歓喜する妲己を抱きしめ、一緒に楽しんだと云う。

もちろん、心ある重臣は王の行状を諌めたが、諫言した者は惨殺され、千肉にされた。
こうして、政治は費中、悪来らの腹黒い重臣のみに委ねられて行った。

やがて、諫言に寄って捕らえられていた殷王の補佐役・西伯の死後、その息子である周の武王が殷に攻め寄せた。
しかし、すでに紂王を見限っていた殷の兵士に戦意はなく、王は妲己と一緒に宮殿に火を放ち、600年も続いた殷王朝と共に滅んだ。武王は妲己を捕らえて首を刎ね、「殷を滅ぼしたのはこの女だ!」と晒し者にしたと云う。
ただ、彼女の凄まじいばかりの悪女然とした姿は、後世、小説などで脚色されたものだとも言われている。

            

          

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周の武王は、呂尚(太公望)や周公旦などを左右にして周王朝を創設しました。
けど、妲己は数千人も居る宮女の中の一人ではあったものの、最初っから受王(紂王と云う呼び方はあだ名)から寵愛を受けていたわけではありません。
それこそ「酒池肉林」と謂われている祭事の最中に落雷があり、裸の男女たちは逃げ惑う中で、ポツンとぼう然とした妲己がたたずんでいたのです。それを見た受王は、雷にも怖気づかない妲己を、天からの使者とし、この女、妲己を側に置くことにしたのです。
実に不可思議で残酷な話でありますが、「殷」や、まして「夏」の時代、人間は食料や薬にもなったし、「人柱」(神事)等、邪悪を避けることに使われました。何せ、町や村などの境界線に、野晒しの人の首(邑)、逆さまに遺骸を吊るす(県)を目印にしました。物以下の扱いであったのです。それを、近代風な価値観、如何にも歴史的に、したり顔の様に糾弾に利用するのは、大変な大間違いであるんだと考えます。

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