ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

若い学生の怒り「うちのおじいさんを子ども扱いするな」

2008年05月16日 | ケアや介護
 本日、非常勤で授業をもっているある大学での新1回生向けの授業が終わり、帰りかけたところ、質問がありますといって、一人の1回生がやって来た。質問内容は、連休を利用して老人ホームに入っているおじいさんの見舞いに行ったそうである。そこでの情景で、「職員の方が私のおじいさんに、子ども扱いの言葉で関わっていたのにショックを受けた。けしからんと思ったけれど、何も言えなかった。こんなことは、どこの施設でも行われているのか」という質問であった。

 この質問に、私は「昔はそうした子ども扱いする施設は多かったが、今はそんなに多くないと思う。施設では、入所者に対する人格を大切にする尊厳の保持が謳われている。」と説明した。同時に、そうした場合には、怒るのがもっともであることも付け加えた。

 ここで3つのことを感じた。1つは、この学校では、学生の私語が大変多く、将来の仕事への意識も弱いと誤解していたが、身内のことではあるが、正義感や尊厳といった意識を十分もっていることが分かった。その意味では、そうした意識を将来の生き方に繋いでいくのが、教師の使命であると反省した。

 第2に、このような子ども扱いする態度や言葉が、まかり通っている施設が未だあることにショックを受けた。施設では是非、介護保険法第1条で謳っている「利用者への尊厳の保持」を第1の理念として、ケアをお願いしたい。この理念が全職員に徹底させるためには、上司の指導や教育、職場内の研修、職場外の研修が有効であり、そうした体制づくりをお願いしたい。

 第3には、高齢者をステレオタイプの捉えているのではないかと危惧する。高齢者は誰もが童謡が好きであり、子どものように対処することが良いと考えているのではないか。個々の高齢者ですべて思いや価値も大きく異なる。こうした視点が、施設や在宅でのスタッフは欠落しているのではないかと考えざる得ない。

 個々の職場について、是非こうしたことを総点検して欲しい。