ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大(4)

2008年02月19日 | 司法・保健福祉・教育・労働での職域拡大
昨年の社会福祉士および介護福祉士法の改正以降、労働の領域では、社会福祉士の職域が拡大したといった話題が全くないのが寂しい限りである。もっとも可能性の高い職域はハローワーク(職業安定所)であるが、ここは民営化の議論がなされており、そのテストを開始することになっているが、その際に社会福祉士を雇用した場合についての評価もしてもらえることが出来ればと願っている。社会福祉士は自らの実力をつけてさえおけば、将来は必ずチャンスがおとずれるものと確信している。熟するのを、力を蓄えながら、待ちましょう。
 制度的な動きはないが、世界の動向がウエルフェアからワークフェアに移っており、日本ではその担い手として社会福祉士への期待は大きい。福祉事務所で生活保護、障害者施設、在宅の障害者相談支援、母子生活支援施設等では、社会福祉士はまさに利用者の就労支援を意識しながら、生活全体を支えることになる。逆に言えば、生活全体を支えながら、就労支援を一体化していくことになる。こうした実績を積み上げていくことで、上記の新たな領域での道が開けてくるのではないでしょうか。

司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大(3)

2008年02月18日 | 司法・保健福祉・教育・労働での職域拡大
司法領域での社会福祉士の活躍は、法改正以前に、刑務所のPFI(民営化)の中で社会福祉士や雇用され、その成果が明らかになっていたが、さらにはこの職域拡大は医療刑務所にまで広げられることになっている。その意味では、先駆的な活動されている社会福祉士には新たな地平を切り開くことであり、苦労の多く、敬意を表したい思いで一杯です。
 今後の課題は、刑務所を出た時点での保護監察官を中心とした社会復帰支援に社会福祉士等のソーシャルワーカーがいかに関われるであるが、これについては、前に書いたように知的障害に特化したものではあるが、田島さんのような社会福祉法人やNPOといった民間での社会復帰支援活動から隘路を開いていくことも必要であるが、同時に社会福祉士等の資格を持った者が保護検察官として採用されていく状況を作っていくことも重要である。
 さらには、刑期を終えて人への支援に加えて、刑務所に入らないよう予防的な支援においてもソーシャルワーカーの活躍の場があるであろう。これについては、予防的ソーシャルワークとは何かの具体的な展開が必要であるが、これについては実践と理論んぽ相当な突き合わせが必要な部分であろう。



この保護観察官について、日本社会福祉士会の役員の方から、関東地方更生保護委員会の採用募集案内で、今年度採用する保護監察官の応募資格として社会福祉士が明記されとことを追加しておきます。なお、採用の申込み締め切りは2月29日までですので、関心のある方にご連絡下さい。なお、受験要件は以下のようになっています。
 (1) 業務の対象となる犯罪者等の円滑な社会復帰に熱意と関心を有すること。
 (2) 性犯罪,覚せい剤等薬物事犯その他犯罪者・非行少年の特性に応じた処遇プログラムの実施に必要な心理療法又はグループワーク等に関する専門的知識を有し,かつ精神保健福祉士,作業療法士,社会福祉士若しくは臨床心理士の資格を有していること。
  (3) 一定年数以上の実務経験を有すること。(下記必要実務経験年数参照)
 (4) 大学卒業以上の学歴を有すること。
詳細を知りたい方は、関東地方更生保護委員会のHPを参照下さい。
http://www3.ocn.ne.jp/~kantorpb/
 今や、刑務所の中と外で、社会福祉士が犯罪者の社会復帰や就労支援を含めた生活機能を高める仕事が可能となってきています。
うれしい限りである。

司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大(2)

2008年02月17日 | 司法・保健福祉・教育・労働での職域拡大
教育領域では、いくつかの都道府県や市町村でスクールソーシャルワーカー(SSW)が配置され、先駆的に学校で試行錯誤のもとで実践されてきた。こうしたことの成果もあり、次年度、文部科学省は15億円の予算を使って、100数十カ所でスクールソーシャルワーク事業が始まることになった。
 まずは、先駆的に活動されてこられた人々のご苦労・ご努力に心から敬意を表したいと思います。さらに、今後のことを考えると、社会福祉士が基礎資格であるとすれば、この上にいかにスペシャリストとしてのSSWを育成してくことが緊急の課題であるといえます。それも、大学や大学院の教育も緊急を要しますが、それだけでは即戦力にはなりません。その意味では、現在活動している社会福祉士や、活動を再開したいと考えている社会福祉士を研修で育成していくことも実施しなければなりません。また、同時に、精神保健福祉士もこの研修の中に加わってもらい、トータル・ソーシャルワークの一部としてSSWを育てていくことが必要です。
 SSWの方法は、生徒やその家族の生活を支援することであり、そのために、学校や地域との連携が不可欠となる。そのため、この領域では素人ではあるが、前者はコーデイネーション、後者はネットワーキングの技術を身につけることである。この意味では、まさに教育現場におけるソーシャルワーカーを育成することになるといえる。

司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大(1)

2008年02月16日 | 司法・保健福祉・教育・労働での職域拡大
昨秋に成立した「改正社会福祉士及び介護福祉士法」の衆議院の附帯決議では、タイトルの司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大を図ることが明記された。このことと関連してか、これらの領域で社会福祉士を活用していく状況が急激に進んでいる。
保健医療の領域では、中央社会保険医療協議会が2008年度診療報酬改定を答申したが、新たに社会福祉士が2件加えられました。
1.退院調整加算の新設
患者の同意の下、退院支援に係る計画を立案した場合及びその計画に基づ き退院できた場合の評価を新設する。
(1) 療養病棟入院基本料、結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(結核病棟)、有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床に入院している患者又は後期高齢者特定入院基本料を算定している患者
(2) 障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料を算定する病床に入院している患者
(3) 平成20年3月31日に障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料を算定する病床に入院していた脳卒中の後遺症患者及び認知症の患者
[施設基準]
1 病院では、入院患者の退院に係る調整・支援に関する部門が設置されており、退院 調整に関する経験を有する専従の看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること
2 有床診療所では、退院調整に関する経験を有する専任の看護師、准看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること
3 退院支援に関して患者の同意のもと、以下を実施していること
(1) 入院早期に、退院に関する支援の必要性の評価を行っていること
(2) 支援の必要性が高い患者について、具体的な支援計画を作成すること
(3) 支援計画に基づいて患者又は家族に支援を行うこと
2.後期高齢者退院調整加算
[算定要件]
退院困難な要因を有する後期高齢者に対して、患者の同意を得て退院支援 のための計画を策定し退院した場合について算定する
[施設基準]
1 病院では、入院患者の退院に係る調整・支援に関する部門が設置されており、退院調整に関する経験を有する専従の看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること
2 有床診療所では、退院調整に関する経験を有する専任の看護師、准看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること
3 退院支援に関して患者の同意のもと、以下を実施していること
(1) 入院早期に、退院に関する支援の必要性の評価を行っていること
(2) 支援の必要性が高い患者について、具体的な支援計画を作成すること
(3) 支援計画に基づいて患者又は家族に支援を行うこと

これらは、ヂスチャージプランなりケアマネジメントの手法が求められ、医療ソーシャルワーカーはこうした能力を高めて、この領域では唯一の専門職になっていけるよう教育体制を整えていきましょう。努力のかいあって、我々には追い風が吹いてきました。