2.ネットワークの立ち上げ
CSWはネットワーク立ち上げの準備として【地域に知ってもらう】ことと【地域を知る】活動を行うことにより地域との信頼関係を構築した後、ネットワークを立ち上げるために【ネットワークの啓発】を行っていた。【ネットワークの啓発】というカテゴリーは、<ネットワークを立ち上げるための啓発活動>と<地域住民の地域課題への気づき>という2つの概念からなり、地域住民が主体的にネットワークを立ち上げられるよう関わっていくためのCSWの活動である。
まず<ネットワークを立ち上げるための啓発活動>は、地域にある課題に対応するための住民主体ネットワークの必要性を地域の人々に伝えていく活動であると考えられた。住民主体ネットワークはその名の通り活動の主体が住民である。そのためCSWは自らネットワークを立ち上げるのではなく、地域住民が主体的にネットワークを立ち上げられるようにするために、このような啓発活動を行っていた。この啓発活動は、非常に長い時間をかけて行う場合もあれば、住民達の問題意識が高まったときに効果的に行われる場合もあった。
<地域住民の地域課題への気づき>は、この啓発活動を行うにあたり住民自身が地域課題にふれてもらう機会を作ることにより、住民の意識を高めることを目的として行われている活動であると考えられた。この<地域住民の地域課題への気づき>を通して、地域住民の意識を高めることにより効果的に<ネットワークを立ち上げるための啓発活動>を実践し、ネットワーク立ち上げにつなげていた。
3.ネットワーク開始後
CSWによる【ネットワークの啓発】によって住民主体ネットワークが立ち上がってから、ネットワークを確立していくためにCSWは【住民主体ネットワーク推進のための専門職の技術】を駆使していた。【住民主体ネットワーク推進のための専門職の技術】は、ネットワークが始まってからCSWによる実践の中心となるカテゴリー、すなわちコア・カテゴリーであると考えられた。このコア・カテゴリーはネットワーク初期から安定期まで全般にわたって用いられる【基本技術】と、ネットワークが確立してきた安定期から用いられる【ネットワークの拡充】、【ネットワークの維持】という3つのカテゴリーから構成される。以下、それらについて順に述べる。
(1)ネットワーク支援の【基本技術】
まず、ネットワーク初期から安定期まで全般にわたり用いられる【基本技術】は、<自発的な住民活動に対する側面的支援>、<住民活動の段階に応じた関わりの調整>、<ネットワーク推進における計画策定>、<ネットワークを継続させる住民の意思の尊重>、<地域住民への介入のタイミング>という5つからなり、CSWが住民主体ネットワークに関わるときの基本的な支援のスタンスを表している。
この【基本技術】を構成するものは、<ネットワークを継続させる住民の意思の尊重>によって規定されていると考えられた。住民主体ネットワークは、何よりも住民が主体的であることが必要であり、つまり<ネットワークを継続させる住民の意志の尊重>が必要である。CSWは常にこの<住民の意思>を尊重してネットワーク支援に取り組まなければならない。
<自発的な住民活動に対する側面的支援>とは、まさにこの<住民の意思>を尊重した技術であると考えられた。つまり、CSWは自らの意志でネットワークの方向性や内容を検討するのではなく、あくまでも住民に対して助言やアドバイス、情報提供をすることにより、住民が主体的にネットワークの方向性や内容を決定していけるように支援していた。
<住民活動の段階に応じた関わりの調整>では、CSWはネットワークにおけるそれぞれの住民活動の段階に応じて関わりを調整していると考えられた。あるCSWは『何か立ち上げる、何か活動を起こす時ってエネルギーがいりますやん。そのときにドッと行って、立ち上がったら少しずつ引いていって』と述べており、ネットワークは初期に多くの支援を必要とするがネットワークの安定とともに徐々に専門職による支援の必要性が減少するため、それぞれの時期に応じた支援を行うことにより、住民の主体性を尊重することとなる。また『だから、ポイントポイントの会議は絶対に出ようと思っているんですけれども…あんまりそんな決め事とかないけど、とりあえず連絡事項とかあるぐらいかなというときは、もう出席していません。』と述べているCSWもおり、安定した後は重要となるポイントを見極めて関わっていくことが重要である。
<ネットワークス推進における計画策定>は、ネットワーク支援にあたりCSWが持っている今後の方向性や目標であると考えられた。しかし、何度も述べているように住民主体ネットワーク推進においては住民の主体性を尊重することが重要である。そのためCSWは自身の中で目標を持っているが、あくまでも住民の段階に応じた支援を行っていた。そのためそれぞれの目標達成の時期に関しては明確に規定出来ず、それらの計画を書面にしていることは少なかった。
<地域住民への介入のタイミング>は、CSWが住民の主体性を尊重しつつもネットワーク推進のために支援するにあたり、介入するポイントとなるタイミングであると考えられた。あるCSWが『だから、そんな住民の表情とか発言で、ふと変わるときがあるんですよね。受け身から主体的にね。そのときが狙い目かなと思ったり』と述べており、CSWは効果的にネットワークを推進するために、住民が受け身から主体的に変わるタイミングを見極めて、そのタイミングに介入していた。
これらの技術はCSWがネットワークを支援するにあたり初期から安定期全般にかけて常に用いていたネットワーキングの基本となる視点・技術である。
CSWはネットワーク立ち上げの準備として【地域に知ってもらう】ことと【地域を知る】活動を行うことにより地域との信頼関係を構築した後、ネットワークを立ち上げるために【ネットワークの啓発】を行っていた。【ネットワークの啓発】というカテゴリーは、<ネットワークを立ち上げるための啓発活動>と<地域住民の地域課題への気づき>という2つの概念からなり、地域住民が主体的にネットワークを立ち上げられるよう関わっていくためのCSWの活動である。
まず<ネットワークを立ち上げるための啓発活動>は、地域にある課題に対応するための住民主体ネットワークの必要性を地域の人々に伝えていく活動であると考えられた。住民主体ネットワークはその名の通り活動の主体が住民である。そのためCSWは自らネットワークを立ち上げるのではなく、地域住民が主体的にネットワークを立ち上げられるようにするために、このような啓発活動を行っていた。この啓発活動は、非常に長い時間をかけて行う場合もあれば、住民達の問題意識が高まったときに効果的に行われる場合もあった。
<地域住民の地域課題への気づき>は、この啓発活動を行うにあたり住民自身が地域課題にふれてもらう機会を作ることにより、住民の意識を高めることを目的として行われている活動であると考えられた。この<地域住民の地域課題への気づき>を通して、地域住民の意識を高めることにより効果的に<ネットワークを立ち上げるための啓発活動>を実践し、ネットワーク立ち上げにつなげていた。
3.ネットワーク開始後
CSWによる【ネットワークの啓発】によって住民主体ネットワークが立ち上がってから、ネットワークを確立していくためにCSWは【住民主体ネットワーク推進のための専門職の技術】を駆使していた。【住民主体ネットワーク推進のための専門職の技術】は、ネットワークが始まってからCSWによる実践の中心となるカテゴリー、すなわちコア・カテゴリーであると考えられた。このコア・カテゴリーはネットワーク初期から安定期まで全般にわたって用いられる【基本技術】と、ネットワークが確立してきた安定期から用いられる【ネットワークの拡充】、【ネットワークの維持】という3つのカテゴリーから構成される。以下、それらについて順に述べる。
(1)ネットワーク支援の【基本技術】
まず、ネットワーク初期から安定期まで全般にわたり用いられる【基本技術】は、<自発的な住民活動に対する側面的支援>、<住民活動の段階に応じた関わりの調整>、<ネットワーク推進における計画策定>、<ネットワークを継続させる住民の意思の尊重>、<地域住民への介入のタイミング>という5つからなり、CSWが住民主体ネットワークに関わるときの基本的な支援のスタンスを表している。
この【基本技術】を構成するものは、<ネットワークを継続させる住民の意思の尊重>によって規定されていると考えられた。住民主体ネットワークは、何よりも住民が主体的であることが必要であり、つまり<ネットワークを継続させる住民の意志の尊重>が必要である。CSWは常にこの<住民の意思>を尊重してネットワーク支援に取り組まなければならない。
<自発的な住民活動に対する側面的支援>とは、まさにこの<住民の意思>を尊重した技術であると考えられた。つまり、CSWは自らの意志でネットワークの方向性や内容を検討するのではなく、あくまでも住民に対して助言やアドバイス、情報提供をすることにより、住民が主体的にネットワークの方向性や内容を決定していけるように支援していた。
<住民活動の段階に応じた関わりの調整>では、CSWはネットワークにおけるそれぞれの住民活動の段階に応じて関わりを調整していると考えられた。あるCSWは『何か立ち上げる、何か活動を起こす時ってエネルギーがいりますやん。そのときにドッと行って、立ち上がったら少しずつ引いていって』と述べており、ネットワークは初期に多くの支援を必要とするがネットワークの安定とともに徐々に専門職による支援の必要性が減少するため、それぞれの時期に応じた支援を行うことにより、住民の主体性を尊重することとなる。また『だから、ポイントポイントの会議は絶対に出ようと思っているんですけれども…あんまりそんな決め事とかないけど、とりあえず連絡事項とかあるぐらいかなというときは、もう出席していません。』と述べているCSWもおり、安定した後は重要となるポイントを見極めて関わっていくことが重要である。
<ネットワークス推進における計画策定>は、ネットワーク支援にあたりCSWが持っている今後の方向性や目標であると考えられた。しかし、何度も述べているように住民主体ネットワーク推進においては住民の主体性を尊重することが重要である。そのためCSWは自身の中で目標を持っているが、あくまでも住民の段階に応じた支援を行っていた。そのためそれぞれの目標達成の時期に関しては明確に規定出来ず、それらの計画を書面にしていることは少なかった。
<地域住民への介入のタイミング>は、CSWが住民の主体性を尊重しつつもネットワーク推進のために支援するにあたり、介入するポイントとなるタイミングであると考えられた。あるCSWが『だから、そんな住民の表情とか発言で、ふと変わるときがあるんですよね。受け身から主体的にね。そのときが狙い目かなと思ったり』と述べており、CSWは効果的にネットワークを推進するために、住民が受け身から主体的に変わるタイミングを見極めて、そのタイミングに介入していた。
これらの技術はCSWがネットワークを支援するにあたり初期から安定期全般にかけて常に用いていたネットワーキングの基本となる視点・技術である。