今まで、レジデンシャル・ソーシャルワーカーのあるべき専門職像や、そのために必要な資質について言及してきた。今回は最終回として、レジデンシャル・ソーシャルワーカーの養成を含めて、私が考えるソーシャルワーカー養成の全体像を示したいと思う。これは、社会から求められているソーシャルワークを発展させるために、ここ5年から10年かけて実現しなければならいないソーシャルワーカーの資格再編についてのあり、上記のような図を考えている。(図をクリックして、大きくして見て下さい)
ソーシャルワーカーを広く捉えるためには、社会福祉六法の世界を超えて、多領域で活躍できる人材であることが必要である。当然、施設のソーシャルワーカーについても明確な位置づけが必要である。この図は例示のため含めていないが、最終的には、一般企業にもソーシャルワーカーが食い込めるように努力すべきと考えている。この図で、レジデンシャル・ソーシャルワーカーはスペッシフィックな他のソーシャルワーカーと同様に、社会福祉士資格を基礎にして、認定のある資格として養成し、社会に輩出していくことで、レジデンシャル・ソーシャルワーカーのレベルが高まっていく要素があるのではないかと考えている。これを他のスペシフィックなソーシャルワーカーもしかりである。これらは全て例示である。
なお、最近話題になるコミュニテイ・ソーシャルワーカーについては、私の個人的な考え方であるが、社会福祉士そのものがそうであり、特に今回のカリキュラム改正では、コミュニテイで活躍する人材として社会福祉士を位置づけている。そのため、認定する必要はないのではないかと考えている。あえて作るのであれば、特化したジェネリックな養成を社会福祉士資格に付加して実施し、認定コミュニテイ・ソーシャルワーカーを作っても問題はないと考えている。さらに、レジデンシャル・ソーシャルワーカー以外のスペシフィックなソーシャルワーカーも、ある意味、コミュニテイ・ソーシャルワーカーと考えている。
そのため、こうした認定ソーシャルワーカーは、大学や一般養成施設で養成することはもちろん必要であるが、同時に、現在活躍している社会福祉士や潜在社会福祉士を対象をに認定していく仕組みが必要である。前者については、個々の大学は、どの領域での認定ソーシャルワーカーを養成するかで自らの大学の養成での特徴を示すことになる。ある意味では、それぞれの大学が拠点校になることができ、できれば単位互換制度で、他の大学の学生も受講できることが望ましい。後者については、できる限り実務経験を生かすことで、働きながら取得可能な仕組みを作ることが必要である。このような認定制度を作るためには、よりレベルの高い養成教育とより現実的な可能性をマッチさせることが大切である。
また、こうしたスペシフィックな職場では、他専門職がメジャーであり(例、施設では介護職、医療では看護などの医療職、学校では教諭)、ソーシャルワーカーがマイナーであり、一人職場である場合も多いことから、認定ソーシャルワーカーには、職場を超えた、スーパービジョン体制を、認定資格を出している拠点大学や職能団体が準備する必要がある。あるいは、継続した教育という意味では、更新制度ということで対応することも可能である。
さらに、社会福祉やソーシャルワークへの社会からの要請も時代と共に変化していくが、そのためには、現状のソーシャルワーカーへの再教育が不可欠である。これについては、職能団体や可能であれば関係学会が中心となり、時代に即したソーシャルワーカーの課題別研修を体系的に実施し、そこにも認定していくことが求められる。それが、現在求められているような「退所・退院」、「虐待」、「就労支援」といった全領域にまたがるトピック別の認定資格であり、その時代その時代に求められている能力を付与するものである。
一方、若い職員がキャリアパスのもとで、スーパーバイザー(中間管理職)や施設長になっていくためには、「改正社会福祉士及び介護福祉士法」の衆議院の附帯決議でも書かれ、昨年八月に改正された「福祉人材確保指針」でも言及された「専門社会福祉士」を設置していくべきと考える。ここでのカリキュラムは、スーパービジョン論、施設マネジメント論、地域マネジメント論、会議運営論、法人経営管理論といった科目が考えられる。
以上は、私個人の私案に過ぎないが、こうした仕組みを作ることにより、ソーシャルワークの広範囲の領域が確定し(福祉六法の領域を中核にしながら)、同時に大学卒の新人から管理職までの職業人生において、一定のキャリアパスを作ることになり、ソーシャルワーク全体のアイデンテイテイの確立につながっていくのではないかと考えている。
ただ、こうした仕組みを作っていくには、学校等の関係者、多くの職能団体、社会福祉だけでなく様々な施設や団体の皆さん、さらには国・都道府県・市町村の行政職員が力を合わせないと、実現が不可能である。夢でもあるが、その実現に向かって、一歩・一歩歩んでいきたいものである。
多くの皆さんからのご意見をお待ちしています。
ソーシャルワーカーを広く捉えるためには、社会福祉六法の世界を超えて、多領域で活躍できる人材であることが必要である。当然、施設のソーシャルワーカーについても明確な位置づけが必要である。この図は例示のため含めていないが、最終的には、一般企業にもソーシャルワーカーが食い込めるように努力すべきと考えている。この図で、レジデンシャル・ソーシャルワーカーはスペッシフィックな他のソーシャルワーカーと同様に、社会福祉士資格を基礎にして、認定のある資格として養成し、社会に輩出していくことで、レジデンシャル・ソーシャルワーカーのレベルが高まっていく要素があるのではないかと考えている。これを他のスペシフィックなソーシャルワーカーもしかりである。これらは全て例示である。
なお、最近話題になるコミュニテイ・ソーシャルワーカーについては、私の個人的な考え方であるが、社会福祉士そのものがそうであり、特に今回のカリキュラム改正では、コミュニテイで活躍する人材として社会福祉士を位置づけている。そのため、認定する必要はないのではないかと考えている。あえて作るのであれば、特化したジェネリックな養成を社会福祉士資格に付加して実施し、認定コミュニテイ・ソーシャルワーカーを作っても問題はないと考えている。さらに、レジデンシャル・ソーシャルワーカー以外のスペシフィックなソーシャルワーカーも、ある意味、コミュニテイ・ソーシャルワーカーと考えている。
そのため、こうした認定ソーシャルワーカーは、大学や一般養成施設で養成することはもちろん必要であるが、同時に、現在活躍している社会福祉士や潜在社会福祉士を対象をに認定していく仕組みが必要である。前者については、個々の大学は、どの領域での認定ソーシャルワーカーを養成するかで自らの大学の養成での特徴を示すことになる。ある意味では、それぞれの大学が拠点校になることができ、できれば単位互換制度で、他の大学の学生も受講できることが望ましい。後者については、できる限り実務経験を生かすことで、働きながら取得可能な仕組みを作ることが必要である。このような認定制度を作るためには、よりレベルの高い養成教育とより現実的な可能性をマッチさせることが大切である。
また、こうしたスペシフィックな職場では、他専門職がメジャーであり(例、施設では介護職、医療では看護などの医療職、学校では教諭)、ソーシャルワーカーがマイナーであり、一人職場である場合も多いことから、認定ソーシャルワーカーには、職場を超えた、スーパービジョン体制を、認定資格を出している拠点大学や職能団体が準備する必要がある。あるいは、継続した教育という意味では、更新制度ということで対応することも可能である。
さらに、社会福祉やソーシャルワークへの社会からの要請も時代と共に変化していくが、そのためには、現状のソーシャルワーカーへの再教育が不可欠である。これについては、職能団体や可能であれば関係学会が中心となり、時代に即したソーシャルワーカーの課題別研修を体系的に実施し、そこにも認定していくことが求められる。それが、現在求められているような「退所・退院」、「虐待」、「就労支援」といった全領域にまたがるトピック別の認定資格であり、その時代その時代に求められている能力を付与するものである。
一方、若い職員がキャリアパスのもとで、スーパーバイザー(中間管理職)や施設長になっていくためには、「改正社会福祉士及び介護福祉士法」の衆議院の附帯決議でも書かれ、昨年八月に改正された「福祉人材確保指針」でも言及された「専門社会福祉士」を設置していくべきと考える。ここでのカリキュラムは、スーパービジョン論、施設マネジメント論、地域マネジメント論、会議運営論、法人経営管理論といった科目が考えられる。
以上は、私個人の私案に過ぎないが、こうした仕組みを作ることにより、ソーシャルワークの広範囲の領域が確定し(福祉六法の領域を中核にしながら)、同時に大学卒の新人から管理職までの職業人生において、一定のキャリアパスを作ることになり、ソーシャルワーク全体のアイデンテイテイの確立につながっていくのではないかと考えている。
ただ、こうした仕組みを作っていくには、学校等の関係者、多くの職能団体、社会福祉だけでなく様々な施設や団体の皆さん、さらには国・都道府県・市町村の行政職員が力を合わせないと、実現が不可能である。夢でもあるが、その実現に向かって、一歩・一歩歩んでいきたいものである。
多くの皆さんからのご意見をお待ちしています。