ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

世の中のスピードにソーシャルワーク教育はついていけるか?

2008年02月29日 | 社会福祉士
 最近の教育や司法の領域でソーシャルワーカー待望論が急に噴き出してきたが、これは、おそらく旧来の教育や司法の専門職やスタッフでは現在起こっており、かつ解決が必要な問題に対応できないからであろう。このことに対して、ソーシャルワーク教育は即応していけるだろうか。
 今までそうした準備を十分に行ってこれなかったことを考えると、従来よりも数倍のスピードで教育側は対応しなければ、置いてきぼりになるのではないかと考えている。そのため、教育や司法領域で求められているソーシャルワーカーを質的にも、さらには制度的にも間髪を入れずに作り上げていくべきだと考えている。当然、慎重に見極めながら進めていくことも一方で必要ですが。
 こうした不安をもっている時に、「進められることはできる限り進めるべき。止めることはいつでも止められるが、進めることが遅れたら、取り戻すことが難しいから」という進言を盟友から受けた。勇気づけられた次第であり、時代の流れに必死についていき、ソーシャルワーカーの有効性を社会に分かってもらうよう、社会福祉に関連する教員は一層エネルギーを注ぐことを覚悟する必要があるのではないでしょうか。

レジデンシャル・ソーシャルワーク論?(1)

2008年02月28日 | レジデンシャル・ソーシャルワーク論
 現在は、コミュニテイ・ソーシャルワークの議論が花盛りであり、施設で働くソーシャルワーカーについては、時には施設不要論もあり、影が薄い存在となっている。今後レジデンシャル・ソーシャルワーク論が萎んでいくとすれば、忍びない。さらに言えば、現に多くの社会福祉士はこのような場で働いていく以上、どうしてもレジデンシャル・ソーシャルワークを制度的にも確立していく必要があると考えるし、入所等の社会福祉施設がなくなることは考えられない。個人的には、社会福祉士の資格に追加してさらに施設でのソーシャルワークの知識や技術を有した人に、認証レジデンシャル・ソーシャルワーカーのアクレデーション資格を付与できることに、かすかなる夢をもっている。
 おそらく、社会福祉施設に生活指導員や生活相談員といった専門職らしき職員を配置しているのは、日本ぐらいであろう。この職員は戦後社会福祉施設が創設されるたびに制度化されてきたが、60年間でも、残念ながらレジデンシャル・ソーシャルワーカーとして位置づけられるには至っていない。
 最近の動向として、社会福祉施設での生活相談員といった職種が必置でなくなってきている。それに代わって、障害者施設ではサービス管理責任者なるものが位置づけれている。さらに、介護保険施設では、介護支援専門員というケアマネジャーの配置が義務づけされている。
 その意味では、私のかすかな夢も幻で終ることになるのか。いや、今だからこそ、サービス管理責任者や介護支援専門員の業務を取り込んだ、認証レジデンシャル・ソーシャルワーカーを作り上げたいものである。
 次回以降で、その可能性を探っていく、レジデンシャル・ソーシャルワーカー像を作り上げていきたいと思っている。

ソーシャルワーカーは介護予防に貢献できるか?

2008年02月26日 | 社会福祉士
 改正介護保険の目玉は「介護予防」であるが、これにソーシャルワーカーは貢献できるのだろうか。これに貢献できれば、予防的なソーシャルワーカーの介入が可能となる。この介入は、地域福祉論で岡村重夫が言う、地域社会での福祉的問題の発生を予防する「予防的社会福祉」ではない。個別的支援での予防的介入である。
 実は、介護予防についての国の定義は、利用者のもっている潜在的な能力や意欲を出来る限り活用することとしている。それであれば、ソーシャルワーカーは利用者の有している能力や意欲を引き出すことができれば、介護予防に大いに貢献できるし、予防的ソーシャルワーク論が展開できることになる。
 それでは、どうすれば、利用者の潜在化している能力や意欲を引き出すことができるのか。これは難しいことであり、とりわけ、動機づけを高めることは難しい。ここからは、色々な著書では様々なことが書かれているが、経験則として、3つの方法を提案したい。
①出来る限り、些細なことから、自己選択・決定するよう支援し、その結果を一緒に評価しあうことを続けていく。
②「できること」「したいこと」「好きなこと」を発言できる雰囲気を醸しだし、そうした発言を大切にし、その実現に努力し、その結果を評価しあう。
③意欲がでた場合には、短期の具体的な目標を設定し、結果として、その達成を一緒に評価し合い、それを重ねていく。
 こうした姿勢で、予防的介入ができるソーシャルワークになっていき、社会からもそう評価されるようになっていきたいものである。

カリキュラム変更による新たな教科書への期待

2008年02月24日 | 社会福祉士
 今回の社会福祉士及び介護福祉士法改正に伴い、カリキュラムの抜本的な改正が行われる。そのため、一般養成施設はその改正のため、落ち着かない状況にあることと察せられる。その意味では、教務担当者には大変申し訳ないことであると思っていますが、1つ期待していることがある。それは、新しくできあがってくる教科書が実践能力のある人材を育成するに値するものになることへの期待である。
 この1年、多くの出版社が教科書作りに精を出すことになると思うが、依頼された先生には、本当に社会福祉士として活躍する人に実際の仕事内容が鮮明になり、さらにやる気を奮い立たせるような教科書作りを目指してほしいと願っている。
 医学の領域では、「今日の治療指針」(医学書院)という本があり、毎年編集され、今年がその50周年になるという。そこでは、サブタイトルにもなっているが、「私はこう治療している」という内容の疾患別事例集である。ソーシャルワークもこのような著書を毎年刊行できるようになれれば、教科書を補強するものとして、きわめて役立つと思われる。ちなみに、「今日の治療指針」の50年前は、疾患数285数、執筆者250名だったそうですが、50年目の今回は、疾患数1099数、執筆者1075名となっている。ソーシャルワークについても、生活問題類型別の支援指針が示されると、社会福祉士のレベルアップにつながること間違いないと考える。

ソーシャルワークの価値について

2008年02月24日 | 社会福祉士
 ソーシャルワークの価値には利用者に対する尊厳といったものがある。これらの価値はソーシャルワーク固有のものであろうか。例えば、この尊厳については、介護保険法や社会福祉法の第1条に規定されており、介護保険や社会福祉に従事する者が遵守する価値であり、この従事者にはソーシャルワーカーだけでなく、介護職や看護職も含まれる。そのため、価値のみを強調しても、ソーシャルワークの固有性はでてこないのではないか。
 ソーシャルワークの固有性は、その目的や機能にあると考える。ここをきちっと押さえることがポイントである。但し、この目標に向けて機能を遂行する際にはソーシャルワーカーがもっている価値が有効性を発揮する。そのため、ソーシャルワークは目的をもって遂行する機能についての実施方法が固有性を担保するものになるのではないでしょうか。
 そのため、他の専門職と峻別する際には、あまり価値を全面に出すべきではないのではないかと考える。ご意見をください。

社会福祉施設経営者協議会の反応は?

2008年02月23日 | 社会福祉士
 社会福祉士会の役員や社養協の各ブロックの委員の皆さんは各都道府県の経営協にも要望書を持っていって頂いたのですが、各県の経営協の反応はどうでしたかね。
 要望書の内容は、実習担当者の研修への派遣や、実習への協力依頼が第1の要望でした。第2は、社会福祉士の採用や社会的待遇の改善だったと思いますが、事業主の協力ぬきには、社会福祉士の社会的地位の向上を実現することはありません。
 それに合わせて、社養協と社会福祉士会が厚生労働省の社会保障審議会介護給付分科会委員長あてに、介護保険施設・事業者で社会福祉士を配置していた場合には加算をしてくれるよう要望書もだしていますが、これも可能性はありますかね。福祉人材確保指針の改正にも、それに近いことが書かれていたのですから。
 様々な形で、全方位に石を投げていくことが大切ですね。

都道府県知事・政令指定都市市長の反応は?

2008年02月22日 | 社会福祉士
 今回の「社会福祉士および介護福祉士法改正」に伴い、社会福祉士会や社会福祉士養成校協会の各都道府県やブ゛ロックの役員の皆さんが各都道府県知事や政令指定都市市長に直接要望書を1月中に手渡していただくことになっていましたが、出かけられた方々には、社会福祉士のためにご苦労さんだと思います。この要望内容がいつか実になることを期待したいと思います。実際に、地方自治体のトップの意向や反応はどうだったのでしょう。是非、教えて下さい。
 要望書の具体的な内容は、①福祉職採用試験の実施と、その際での受験者を社会福祉士及びその受験資格取得予定者に限定してくれること、②各県・市の教育委員会で社会福祉士を雇用してスクールソーシャルワーク事業を実施してくれること、がメインであったのですが。特に、①については、今行政で働いている社会福祉士が職場で有効な仕事をしているかが試されることになり、少し怖い気持ちもあります。
 この要望書は全国すべての市町村には郵送して、社会福祉士の採用をお願いすることになっていますが、この作業は進んでいるのでしょうか。

「口だけが達者」なソーシャルワーカー?

2008年02月21日 | 社会福祉士
 よくソーシャルワーカーが批判の的となるとき、最後に言われるのが、あなた方は「口だけが達者」という強烈な批判である。こうした言葉がでると、何と反論してよいのか分からなくなり、ニヤーと笑って下を向いておくことにしている。同時に、論理的な仕事をしているからこそ、あるいは利用者を擁護するうえで、口が達者であることは当然であると言いたいが、一方自信がないのが事実である。
 自省してみると、なぜこうした発言が他の専門職から出てくるのかを冷静に考えることが、今後のソーシャルワークの発展につながると思う。そこで、2つの意味で考えてみたい。
 1つは、介護職や看護職には「口だけが達者」といった批判は聞いたことがない。これは、他の専門職だけでなく、利用者や国民に確たる業務内容が見えるからであろう。その意味では、ソーシャルワークは見える仕事にしていく努力が必要となる。
 もう1つは、ケアマネジャーにも「口だけが達者」といった批判はない。一般に相談業務は見えにくいとされるが、同じ相談職でありながら、ケアマネジャーの仕事は、相談業務ではあるが、利用者に必要なサービスとつないでくれる仕事として、他の専門職、利用者、国民にはよく見えるのであろう。相談業務でも、見える仕事に出来ると言うことを教えてくれる。その意味では、ソーシャルワークは相談業務を介して、何をしているかを国民に具体的に分かるよう伝えることが出来なければならない。
 ケアマネジャーの業務に新たな業務を加えることで、ソーシャルワークの業務を社会に伝えていくことが、研究者と実務者にとって急務である。
 以上は、ソーシャルワーク教育に従事してきた人間として、そうした学生しか養成できなかったことへの、卒業生への自責に念から書いているものである。それは、卒業生が「口だけが達者」と職場で呼ばれてはいないだろうかと心配し、研究・教育での積み重ねの無念さを跳ね返す責任を感じるからである。

ソーシャルワークの研究者は食わず嫌い?

2008年02月20日 | 社会福祉士
今回は少し挑発的なタイトルにしましたが、ソーシャルワークの研究者は自らの殻の中に閉じこもって研究していると感じますが、いかがでしょうか。
 児童だったら児童以外の領域のソーシャルワークには目を向けず、高齢者、医療、精神など、明確に研究の領域が色分けでき、良い意味では、自らのテリトリーで一途に研究していると評価されるのでしょう。しかしながら、どの領域にも共通した方法について研究しているのであれば、他領域にも関心を示し、研究の幅をもっと広げたらいかがでしょうか。
 また、ソーシャルワークにも様々な手法や理念が導入されてきていますが、そうした新しいものに取りかかるのが慎重なのか、食わず嫌いなのか、他人のテリトリーに入るのを遠慮しているのか、手を出すことが少ないと思っています。例えば、ソーシャルワークがケアマネジメントの手法から多くのことを学べますが、それには横を向いたり、傍観している研究者が多いのが不思議です。ストレングスやエンパワメントもその類です。
 みんな唯我独尊で研究しているためか、研究者相互の議論も弱い気がします。
 こうした気持ちは私だけの感想であればうれしいのですが。杞憂でしょうか。ご意見をください。

ソーシャルワーカーの職務分析調査の難しさ

2008年02月19日 | 社会福祉士
最近の学会での発表や論文で実施している調査は、ソーシャルワーカーを対象とするよりも、ケアマネジャーを対象にする調査が多い。あるいは、ソーシャルワーカーの機関では必ずしも無い地域包括支援センターや在宅介護支援センターの調査が多い。
 この原因が、最近ソーシャルワーカーの職務分析の量的調査をしようと考えたときに明らかになった。調査の対象となるソーシャルワーカーはどこにいるのか。確かに、病院や精神病院ではソーシャルワーカーは存在し、そこでの職務分析調査は可能であるが、よりジェネリックな、あるいはコミュニテイ・ソーシャルワーカーの職務分析となれば、そうした専門職はどこにいるのか、地域を探し回っても、おそらく全国共通にでてこない。(確かに、一部の地域では、コミュニテイソーシャルワーカーを配置しているが)このことは、我々が育てようとしている地域をベースにした社会福祉士は未だ基礎的な所属するフィールドなり機関をもちあわせていないということにはならない。
 他の専門職の職務分析調査であれば、その量的調査は容易である。看護師であれば、病院、在宅であれば訪問看護事業者に焦点を当てれば、実施可能である。それは、他の専門職でも同じである。
 それで分かったことは、結局、ケアマネジメント機関やそれに近い機関での調査になっているのではないかと推測される。その意味では、ソーシャルワーカーが所属する土台となる領域やフィールドを作っていかない限り、それを高めていく研究も十分にできないと言うことになるのではないか。
 そうしたことも、社会福祉の研究者は考える必要があるのではないでしょうか。ソーシャルワークは実践水準を高めることと、理論水準を高めることは同時に実施していくことの宿命を背負っていると言うことだと思います。

司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大(4)

2008年02月19日 | 司法・保健福祉・教育・労働での職域拡大
昨年の社会福祉士および介護福祉士法の改正以降、労働の領域では、社会福祉士の職域が拡大したといった話題が全くないのが寂しい限りである。もっとも可能性の高い職域はハローワーク(職業安定所)であるが、ここは民営化の議論がなされており、そのテストを開始することになっているが、その際に社会福祉士を雇用した場合についての評価もしてもらえることが出来ればと願っている。社会福祉士は自らの実力をつけてさえおけば、将来は必ずチャンスがおとずれるものと確信している。熟するのを、力を蓄えながら、待ちましょう。
 制度的な動きはないが、世界の動向がウエルフェアからワークフェアに移っており、日本ではその担い手として社会福祉士への期待は大きい。福祉事務所で生活保護、障害者施設、在宅の障害者相談支援、母子生活支援施設等では、社会福祉士はまさに利用者の就労支援を意識しながら、生活全体を支えることになる。逆に言えば、生活全体を支えながら、就労支援を一体化していくことになる。こうした実績を積み上げていくことで、上記の新たな領域での道が開けてくるのではないでしょうか。

司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大(3)

2008年02月18日 | 司法・保健福祉・教育・労働での職域拡大
司法領域での社会福祉士の活躍は、法改正以前に、刑務所のPFI(民営化)の中で社会福祉士や雇用され、その成果が明らかになっていたが、さらにはこの職域拡大は医療刑務所にまで広げられることになっている。その意味では、先駆的な活動されている社会福祉士には新たな地平を切り開くことであり、苦労の多く、敬意を表したい思いで一杯です。
 今後の課題は、刑務所を出た時点での保護監察官を中心とした社会復帰支援に社会福祉士等のソーシャルワーカーがいかに関われるであるが、これについては、前に書いたように知的障害に特化したものではあるが、田島さんのような社会福祉法人やNPOといった民間での社会復帰支援活動から隘路を開いていくことも必要であるが、同時に社会福祉士等の資格を持った者が保護検察官として採用されていく状況を作っていくことも重要である。
 さらには、刑期を終えて人への支援に加えて、刑務所に入らないよう予防的な支援においてもソーシャルワーカーの活躍の場があるであろう。これについては、予防的ソーシャルワークとは何かの具体的な展開が必要であるが、これについては実践と理論んぽ相当な突き合わせが必要な部分であろう。



この保護観察官について、日本社会福祉士会の役員の方から、関東地方更生保護委員会の採用募集案内で、今年度採用する保護監察官の応募資格として社会福祉士が明記されとことを追加しておきます。なお、採用の申込み締め切りは2月29日までですので、関心のある方にご連絡下さい。なお、受験要件は以下のようになっています。
 (1) 業務の対象となる犯罪者等の円滑な社会復帰に熱意と関心を有すること。
 (2) 性犯罪,覚せい剤等薬物事犯その他犯罪者・非行少年の特性に応じた処遇プログラムの実施に必要な心理療法又はグループワーク等に関する専門的知識を有し,かつ精神保健福祉士,作業療法士,社会福祉士若しくは臨床心理士の資格を有していること。
  (3) 一定年数以上の実務経験を有すること。(下記必要実務経験年数参照)
 (4) 大学卒業以上の学歴を有すること。
詳細を知りたい方は、関東地方更生保護委員会のHPを参照下さい。
http://www3.ocn.ne.jp/~kantorpb/
 今や、刑務所の中と外で、社会福祉士が犯罪者の社会復帰や就労支援を含めた生活機能を高める仕事が可能となってきています。
うれしい限りである。

司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大(2)

2008年02月17日 | 司法・保健福祉・教育・労働での職域拡大
教育領域では、いくつかの都道府県や市町村でスクールソーシャルワーカー(SSW)が配置され、先駆的に学校で試行錯誤のもとで実践されてきた。こうしたことの成果もあり、次年度、文部科学省は15億円の予算を使って、100数十カ所でスクールソーシャルワーク事業が始まることになった。
 まずは、先駆的に活動されてこられた人々のご苦労・ご努力に心から敬意を表したいと思います。さらに、今後のことを考えると、社会福祉士が基礎資格であるとすれば、この上にいかにスペシャリストとしてのSSWを育成してくことが緊急の課題であるといえます。それも、大学や大学院の教育も緊急を要しますが、それだけでは即戦力にはなりません。その意味では、現在活動している社会福祉士や、活動を再開したいと考えている社会福祉士を研修で育成していくことも実施しなければなりません。また、同時に、精神保健福祉士もこの研修の中に加わってもらい、トータル・ソーシャルワークの一部としてSSWを育てていくことが必要です。
 SSWの方法は、生徒やその家族の生活を支援することであり、そのために、学校や地域との連携が不可欠となる。そのため、この領域では素人ではあるが、前者はコーデイネーション、後者はネットワーキングの技術を身につけることである。この意味では、まさに教育現場におけるソーシャルワーカーを育成することになるといえる。

司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大(1)

2008年02月16日 | 司法・保健福祉・教育・労働での職域拡大
昨秋に成立した「改正社会福祉士及び介護福祉士法」の衆議院の附帯決議では、タイトルの司法・教育・保健医療・労働領域での社会福祉士の職域拡大を図ることが明記された。このことと関連してか、これらの領域で社会福祉士を活用していく状況が急激に進んでいる。
保健医療の領域では、中央社会保険医療協議会が2008年度診療報酬改定を答申したが、新たに社会福祉士が2件加えられました。
1.退院調整加算の新設
患者の同意の下、退院支援に係る計画を立案した場合及びその計画に基づ き退院できた場合の評価を新設する。
(1) 療養病棟入院基本料、結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(結核病棟)、有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床に入院している患者又は後期高齢者特定入院基本料を算定している患者
(2) 障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料を算定する病床に入院している患者
(3) 平成20年3月31日に障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料を算定する病床に入院していた脳卒中の後遺症患者及び認知症の患者
[施設基準]
1 病院では、入院患者の退院に係る調整・支援に関する部門が設置されており、退院 調整に関する経験を有する専従の看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること
2 有床診療所では、退院調整に関する経験を有する専任の看護師、准看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること
3 退院支援に関して患者の同意のもと、以下を実施していること
(1) 入院早期に、退院に関する支援の必要性の評価を行っていること
(2) 支援の必要性が高い患者について、具体的な支援計画を作成すること
(3) 支援計画に基づいて患者又は家族に支援を行うこと
2.後期高齢者退院調整加算
[算定要件]
退院困難な要因を有する後期高齢者に対して、患者の同意を得て退院支援 のための計画を策定し退院した場合について算定する
[施設基準]
1 病院では、入院患者の退院に係る調整・支援に関する部門が設置されており、退院調整に関する経験を有する専従の看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること
2 有床診療所では、退院調整に関する経験を有する専任の看護師、准看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること
3 退院支援に関して患者の同意のもと、以下を実施していること
(1) 入院早期に、退院に関する支援の必要性の評価を行っていること
(2) 支援の必要性が高い患者について、具体的な支援計画を作成すること
(3) 支援計画に基づいて患者又は家族に支援を行うこと

これらは、ヂスチャージプランなりケアマネジメントの手法が求められ、医療ソーシャルワーカーはこうした能力を高めて、この領域では唯一の専門職になっていけるよう教育体制を整えていきましょう。努力のかいあって、我々には追い風が吹いてきました。

社会福祉援助論の教科書での曖昧さ

2008年02月15日 | 社会福祉士
先日も、社会福祉援助が必ずしも支援していく真意が学生や実務者に伝わりにくいことを言いましたが、この真意が伝われば、すばらしい実践家を育てることができると思います。
例えば、ニーズを把握せよとは言いますが、どうすればソーシャルワーク固有のニーズが掴めるのかについてはほとんど言及されていません。最近、厚生労働省は、介護支援専門員に対して、「過不足無く」介護保険サービスを提供するのが専門家でしょうと言っていますが、この過不足の無いサービス提供はどうすればできるか、ソーシャルワークの方法は明確な方法を明示する必要があります。ニーズ同様、ネットワーキングも言葉だけが踊っており、その具体的な展開方法については、ほとんど言及されていません。
このような問題提起に対する解答は現場実践の中にあり、そうした視点を加味した教科書作りが不可欠と思いますが、いかがでしょうか。