ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

鳩山さん くらしの注文です

2009年09月02日 | ケアや介護
9月1日の朝日新聞の29面の「生活」欄で、「鳩山さん くらしの注文です」というタイトルで、私のインタビュー記事が載っている。以下に、再掲しておく。

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情熱ある介護、夢や希望必要

                        白澤政和・大阪市立大学大学院教授(社会福祉学)


 介護職の人手不足が待ったなしの危機的な状況のなかで、民主党が公約した月4万円の賃金アップ」は、人材を確保するには魅力的な額だ。介護労働者の平均月給は21万6千円で、全産業の約7割。情熱をもって介護するには、知識や技術だけでなく、社会的に評価されているという誇りも必要だ。

 ただ、賃金銀アップのための介護報酬引き上げに必要な財源の裏付けが明らかではない。介護保険の財源は、公費と保険料がそれぞれ50%。在宅サービスでは公費のうち25%が国庫負担で、都道府県と市町村が12・5%ずつ負担している。

 「暮らしのための政治」を掲げ、保険料の引き上げなど国民の負担増を避けるのであれば、財源は国庫負担の増加でまかなわざるを得ない。負担割合を変えるのかも含めて財源の根拠を示し、また介護報酬を上げたぶんをきちんと賃金に反映することが喫緊の課題だ。

 でも、給料を上げるだけでは明日への希望や夢は描けない。認知症の人の気持ちに寄り添うケアなど介護の専門性を高める研修を充実させ、例えばヘルパーから管理職へと、キャリア形成の体系づくりも不可欠だ。

 昨年86歳で他界した妻の母親は、ヘルパーがいない時に転んで歩くのが不自由になった。でも、ヘルパーの時間介護は難しく、妻が三重県から大阪までほぼ毎日通った。私の90歳の父と84歳の母は今は元気だが、在宅で支えきれるか不安だ。持続可能な介護保険制度を実現し、質の高いサービスがだれでも受けられ、安心して老いを迎えられる制度作りに切り込んではしい。


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