ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

介護と医療の連携をすすめるために

2008年05月09日 | ケアや介護
 「介護と医療の連携をすすめるために」というテーマで、国の在宅医療での委員もなされ、自らも在宅療養支援診療所を実践されておられる浅草にある医療法人社団博腎会 野中医院の野中博先生と鼎談を行った。これは毎年大阪のインテックス大阪で行なわれている「バリアフリー展」での一環でのイベントであったが、大変有意義な時間を過ごすことができた。聞きに来られた方も、満足して帰ってもらえたのではないかと、自己満足している。

 医療と介護の連携は、古くて新しい課題である。これを最も実現しやすい場が、サービス担当者会議であるが、これとても、医師の参加を得られない状況をよく耳にする。

 そこで、野中先生がおしゃるように、医療も介護も、誰もが住み慣れた地域で安心した生活ができることを共通の目的にするものであり、医療も患者の生活機能に着目して関わっていくべくであることを強調された。まさに、生活を支えるために、医療が関わる必要性を主張されたと思える。こうした考えが進めば、確かに医療と介護は真に連携できていくと思う。しかし、現実は難しく、医療側ではミッションが求められる。

 これについて、2007日本医師会指針「在宅における医療・介護の提供体制ー「かかりつけ医機能」の充実」は注目に値する。1.尊厳と安心を創造する医療、2.暮らしを支援する医療、3.地域の中で健やかに老いを支える医療、を基本的な考え方として、具体的な提言の中に、「多職種連携によるケアマネジメントに参加しよう」「住まい・居宅(多様な施設)と連携しよう」といった具体的的な提言が書かれている。こうした指針が実現できることを強く期待したい。

 ここで、少し気になったことは、後期高齢者医療制度で、病院退院での「退院調整」計画を病院側が作れば、加算がつくことになった。この退院調整計画とケアマネジャーが作成するケアプランをいかに一連のものとして、連続性のあるものにしていくことが必要である。これには、初回時に行うサービス担当者会議の位置づけも重要になってくる。ただ、ケアマネジャーは退院して在宅復帰する場合には、病院の医師、看護師、作業療法士、ソーシャルワーカーそれぞれに別個に尋ねることもあったが、これからは退院調整計画を頂くことで、円滑に退院の支援が可能になることも予測できる。しかし、まだまだ整理しなければならない問題が山積している。

 これは、数年前に、老人保健施設での退院について、老人保健施設側に退院加算がついたが、その時も、本来ならば、その役割はケアマネジャーの業務でもあり、ケアマネジャーにも加算がつくべきではないのかを議論したことがある。

 いずれにしても、ケアマネジャーは退院支援に積極的に関わることが必要である。退院には、本人の入院治療が必要でなくなっただけではなく、本人の意欲と家族の受け入れ体制、さらには各種のサービス体制が不可欠である。これら後者の意欲や家族、サービスを支援できる最も良い位置にいるのがケアマネジャーであることを認識して欲しい。同時に、病院関係者との連携による在宅へのソフトランデイングが重要である。