南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

水玉模様のオーチャード

2006-10-16 02:20:28 | シンガポール
オーチャードの並木が先月から赤と白の水玉模様になっていま
す。これは今シンガポールで行われている現代アートの祭典の
シンガポール・ビエンナーレ2006のパフォーマンスの一つで、
れっきとした芸術作品なのです。しかもこの作者は、日本人の
前衛アーティストの草間彌生さんなのです。

草間彌生(くさまやよい)さんは1929年生まれのアーティスト
で、彫刻家、画家、小説家でもあります。私は全然知らなかっ
たのですが、日本だけでなく世界でもいろんな賞を受賞してい
るすごい人なんですね。写真家荒木経惟とのフォト・コラボ
レーションや、作家村上龍原作監督の映画「トパーズ」へも
出演、ミュージシャンピーター・ガブリエル、ファッション・
デザイナー三宅一生とのコラボレーションなど、美術以外でも
多彩に活躍しているとのこと。すご~い。

10歳の頃から、水玉と網模様をモチーフに絵を描き始め、水彩、
パステル、油彩などを使った幻想的な絵画を制作とのことで
この水玉模様は、草間さんの人生のテーマなのですね。

草間さんは、水玉模様に関して次のように語っています。
「クサマ・ハプニング」のトレード・マークの水玉模様。
赤や緑や黄の水玉模様は地球のマルでも太陽の
マルでも月のマルでもいい。形式や意味づけは
どうでもいいのである。人体に水玉模様をえがく
ことによって、その人は自己を消滅し、宇宙の
自然にかえるのだ。

これは彼女の自伝の中の言葉です。

オーチャードの木々は、木としての存在を消滅し、宇宙の
自然へとかえるということなのですね。たしかに、このオー
チャードの景色は、おとぎ話の世界というか、何だか不思議
な宇宙空間になっています。

これって、説明を聞かないとわかりませんね。何も知らない
で、たまたまこれを見る日本人の旅行者のみなさんは、シン
ガポールのオーチャードっていつもこんな水玉と思ってしま
うかもしれないのですが、これは特別なことなのですよ。

日本人でこんなすごいことができる人がいるのは、同じ日本
人としてはちょっと誇りです。今、シンガポールのビエンナー
レでは、草間さん以外に、原高史さん、松影博之さん、
などの日本人アーティストも参加しているようです。ちなみ
今、シンガポールのシティーホールの建物の窓がピンクに
なっていますが、これは原高史さんのアートなのです。

いろんな人がいろんなところで活躍しているのですね。