南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

13日の金曜日

2006-10-14 18:25:42 | シンガポール
昨日は13日の金曜日でした。そのせいというわけではないので
しょうが、ずいぶんいろんなことがあり、なんだかすごく長い
一日だったように思います。

この上の写真は、金曜日の夜、シンガポールのロバートソン・
キー (Robertson Quay)にあるRiverineというバーでの音楽
演奏です。これはたまたま、うちの会社のお客さんが、バンド
でドラムスとボーカルをやっているので、おつきあいで見に
行ったのです。年齢層がかなり高く、音楽もレトロな曲ばかり
でした。なんだかこんな音楽を聞くのも久しぶりでした。

お客さんは、このバンドのメンバーの個人的な知り合い関係が
多く、ローカルのシンガポール人がほとんどで、日本人は私
だけでした。うちの会社の女性営業マネージャーが一緒だった
のですが、シンガポールのビジネスは飲んで仲良くなるという
のが重要なんだとあらためて思いました。

話しは遡りますが、金曜日の午前中は、会社でいろんなアポが
入っていました。

まず、「取り立て屋」の人と打ち合わせしました。一つのクラ
イアントが支払い期限を過ぎても、支払いが滞り、回収の見込
みがたたないので、「取り立て屋」に頼むことにしました。
こういう会社があることを知りませんでしたが、別の広告会社
からの紹介で、とりあえず話しだけでもと思ったのです。

この会社は、依頼主に代わり、相手先からお金の回収を行いま
す。回収金額の一部をその会社が受け取るというものですが、
回収金額の20%をその会社が手数料として受け取るというもの
でした。うちの場合は、15%くらいにしてもらいましたが、
これだと全額回収できても仕事としては赤字です。この仕事は
もともと利益率も高くないので、15%も抜かれればかなりの
マイナスになるのですが、全く回収できない場合に比べれば
まだ損失が許容範囲です。とはいうものの相手が自己破産をし
てしまえば、取り立て屋もお手上げになってしまいます。

以前、香港の知り合い(日本人)が、取り立て屋に執拗な嫌
がらせを受けた話しを聞いたことがあります。アパートのドア
に火をつけられたりしたので、警察に一年間守ってもらったと
言ってました。シンガポールの取り立て屋は、そのような暴力
を使うことはできず、あくまでも合法的な手段で、相手に支払
いを要求していくということでした。まあこういう催促業務を
代わりにプロとしてやってくれるところがあるというのは助か
ります。

これと同時に、そのクライアントに対しては、訴訟も行うこと
にしました。金曜日の午後2時半に、弁護士事務所に行き、
訴訟のための準備をしました。まあ訴訟なんて日本では経験し
たこともなく、弁護士にも会ったことはありませんでしたが、
シンガポールに来てから、何度か弁護士に仕事を依頼してます。
弁護士とか登場してくるのは映画かドラマのようですね。

金曜日の出来事はまだまだあります。この週は月曜から会社の
決算の監査が入っていました。会計会社から二人の女性スタッ
フが来て、会議室に終日缶詰になり、一年分のあらゆる伝票や
ら、契約書やらをチェックするのです。何から何まで経営状態
を丸裸にされるような感じで、経営者側の人間としては針のム
シロです。

「あの書類はどこにあるんですか?」「これの契約書類はどこ
にあるんですか?」「社員の昇給の場合の契約書ないしはレター
はないのですか?ないとしたら社員はどのようにしてそれを
認識するのですか?」「有給休暇の期末時点での未消化分の
日数の一覧はありますか」などなど、次から次へと質問がきま
す。去年まで別の会社で監査をやってもらっていたのですが、
今年は別の会社に変えました。去年もいろいろ質問が来たの
ですが、今年は、同じような質問もあれば、また新しい質問も
あります。決算というのは会社の健康診断みたいなもんだと
言われますが、徹底的にチェックされます。きちんと整理でき
ていない部分も多いので、毎回焦ります。

去年は、会計監査では、いろいろ問題があり、法的な期限の
6ヶ月をオーバーしてしまい、さらに延長の3ヶ月も間に合
いませんでした。そのため、シンガポールの当局から罰金を
課せられるという事態になってしまいました。

今年はそういう反省もあって、早めに作業をしています。
私は日本にいる頃、経理関係とか全くタッチしたこともない
し、勉強したこともないので、今この国で、こういう仕事を
しているのは信じられないことです。いろんな修羅場をくぐ
り抜けていると、いろいろ勉強になります。

13日の金曜日の出来事はまだまだありました。インドの雑誌
社の人との打ち合わせがありました。うちの会社ではインド
向けの広告の仕事をかなりしているので、今年になって何社
もインドの新聞社とか雑誌社の人間がうちの会社を訪問して
きています。

また、夕方の6時半から、オーチャードのタングリング・ク
ラブというところで、インドクラブと、日本商工会議所との
交流会があり、それに出席しました。シンガポールで仕事を
しているインド人がいっぱいいました。インド人の人はこう
いう場では、どんどん話しかけてきます。インド人は、立ち
話をすることは文化なので、彼らの得意なことですが、我々
日本人にはなかなかなじめない部分はあります。

インドの銀行の人がプレゼンテーションを行っていましたが、
プレゼンテーションはあまり上手じゃなかったですね。

ロバートソン・キーに行ったのは、このインドクラブのイベ
ントが終わってからでした。そしてロバートソン・キーを後
にしたのは夜の12時を過ぎていました。

その頃、東京にいる下町娘から電話が。今日はこれから
ジョナサンに行ってくるので遅くなるとのこと。
何だかいろんなことがあった13日の金曜日でしたが、一日の
最後に聞く「ジョナサン」という言葉、なんか妙に癒される
なあ、と思いながら過ぎて行った長い一日でした。

2 コメント

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盛りだくさん (ゴトウ)
2006-10-15 07:16:56
いろいろな事件が起こって盛りだくさんの13日の金曜日だったんですね!

取り立て屋さんというシンガポールでの職業、初めて聞きました。あるんですねー。

香港で仕事をしているとき、やはり代金回収には泣かされました。中国人の習慣として契約条件はCODになっているのですが、まず到着時に払ってくれる会社なんかない。ずるずる時間だけが過ぎていって、何度も電話する、訪問するを繰り返してました。こんなことだったら日本の「○日締め、翌月○日払い」のほうがどんなにいいことか!

経理は「なるべく支払いを遅らせる」が優秀の条件と聞いたことがあります。
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取り立て屋 (南の国の会社社長)
2006-10-15 15:11:46
ゴトウさん、こんにちは。こちらで頼んだ取り立て屋はちゃんとした会社です。請求書は30以内の支払いが明記されているのですが、そういうのを無視してずっと払わないのがいるんですよね。催促しても「金がない」という返事。これではらちがあかないので、第三者に頼むことにしたんです。まあうちもなるべく支払いを遅らせるという作戦をとることも多いですけど。
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