南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

月のウサギと不老長寿の薬

2010-08-25 23:45:35 | HONG KONG

香港のワンチャイにOVO Loungeというお洒落な
モダンチャイニーズレストランがあります。MTRのワンチャイの
駅から歩いてすぐのところですが、ジョンストン・ロードにある
歴史的な建物の中にあります。



このビルの地上階です。



週末を挟んで香港に来ていた妻が、一度行ってみたいというので、
行ってみました。インテリアとかがかなりお洒落な中華のお店
です。ランチタイムにはとても上品な飲茶があって、味も雰囲気
もかなりよい感じです。

で、一番上の写真は、コースのデザートなのですが、ウサギの形
をした小さな饅頭がついていました。メニューには漢字で兎の
文字があったので、妻は「まさか兎の肉を使った食べ物?」と
一瞬びびったのですが、形がウサギというだけで、中は黄色の
カスタードクリームのような感じでした。

これを食べながら、このウサギのデザートは今の季節だけの物
なのか、それともこのお店のシンボル的なものなのかちょっと
わかりませんでした。というのも今の季節は、月餅のシーズン
で、ウサギのモチーフもよく使われます。

たとえば、こちら。



ちなみに香港の中秋節は9月の23日が祝日となっています。

しかし、このお店の名前も「祇月」というので、もともと
ウサギが関係しているという可能性はあります。

月にウサギがいるという伝説は、日本独自のものではなく、
古代中国にも、世界各地にもあったようです。月の模様に
ウサギの姿を見た人々は昔からいっぱいいたんですね。

ところで、日本では月のウサギは餅をついているということに
なっているのですが、古代中国では、餅ではなく、杵で薬を
作っているのだそうです。しかも不老長寿の薬を。

古代中国の神話に、「嫦娥奔月」(じょうがほんげつ)という話し
があります。「嫦娥、月に奔る(はしる)」とも読みます。
嫦娥(じょうが)というのは、こうげいというスーパーヒーロー
の奥さんで、かなりの美女でした。こうげいは、天空に太陽が
10個出現したときに、9個の太陽を弓で射落として、地球を救う
というすごいスーパーマンでした。この人がある日、不老長寿の
薬を手に入れます。それを奥さんの嫦娥(じょうが)に預けます。

その薬を狙って悪党が嫦娥に迫った時、嫦娥はその薬を奪われ
まいとして、自らが飲んでしまいます。すると、嫦娥の身体が
宙に浮いて、そのまま月に行ってしまったというのです。
こんな感じです。



旦那のスーパーヒーローのこうげいは、それを知って、必死で
月を追いかけます。でも月に到達できはしません。こうげいは、
嫦娥(じょうが)のことを思って、月を見上げ、お供えをした
のだそうです。ここから中秋節が始まったと言われております。

日本のかぐや姫のルーツのような話しですね。竹取物語に登場
するかぐや姫も最後は月に帰ります。その時に、育ててくれた
おじいさんとおばあさんに、不老長寿の薬をプレゼントとして
置いていきます。おそらく月でウサギが製造していたやつです
ね。でもその老夫婦は「かぐや姫がいなくなってしまったんで
は長生きをしても何の意味があろうか」ということで、その
不老長寿の薬を日本で一番、天に近い山で燃やしてしまいます。
その山が不死山となり、今の富士山(ふじさん)になったとか。

不老長寿と、月と、ウサギが何となく結びつきますね。
そういえば、中国は月探査計画を積極的に進めているのですが、
そのプロジェクトは『嫦娥計画(じょうがけいかく)』と名付
けられているそうです。いちおう計画では今年、「嫦娥2号」
という衛星を打ち上げる予定になっています。月面周回を行う
ようです。そういえば「あずさ2号」という狩人の名曲があり
ましたね。全く関係ないですが。

不老長寿と言えば、日本では続々と、所在不明の高齢者が出て
きていますね。大阪では152才の男性のニュースが出ていまし
た。本当だったら日本はギネスブックの世界最高年齢者続出
ということになりますね。100才を越えたら、昔だったらもう
ほとんど不老長寿と同じ意味とも言えます。でも昔の人が思っ
たように、不老長寿が必ずしも幸せとは結びつかないんで
しょうけどね。

今日の飛行機で、我が妻は東京に帰ってしまいました。
嫦娥(じょうが)が月に昇った時に夫のこうがいがどんな
気持ちだったのかが、何だか、よ~くわかるような気がします。

よろしければ、こちらもついでによろしくお願いします。

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