南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

セシリア・チャンの大報復

2009-03-03 00:47:24 | HONG KONG
今日、会社の帰りにコンビニの前を通ったら、『東方新地』と
言う雑誌の表紙がセシリア・チャンとエディソン・チャンの
写真で、「柏芝大報復」と書いてあります。この雑誌はその
キャッチフレーズが「全港再受歓迎女性雑誌」とあるように、
ターゲット読者は女性なのですが、この表紙にひかれて、
買ってしまいました。香港ドルで12ドルなので、150円くらい
です。ちょっとお買い得な感じ。でも中身は読めはしないん
ですけどね。

内容的には、2月27日のテレビでのセシリア・チャンの2時間
インタビューが主なテーマです。このインタビューは相当な
インパクトがあったようですね。一年の沈黙を破り、勇気を
出して自分の思いを堂々と語ったセシリア・チャンのこの
インタビューは、かなり好感をもって受け取られたようです。

このインタビューの概要を読んだのですが、文字で読むだけで
も感動的でした。エディソンのことがたびたび言及されている
のですが、決して責めるつもりはないと言いながら、けっこう
厳しく非難しています。エディソンが、バンクーバーの法廷に
出て、しかも母親が付き添うという頼りない感じで登場して、
法廷を出た後にマスコミのインタビューに答えて、「被害を
受けた女性のみなさん、立ち直ってください」みたいな事を
言ったものだから、セシリア・チャンの地雷を踏んでしまった
ようなのですね。

言葉使いは冷静なのですが、セシリアさんの気持ちをストレー
トに言ってみれば、「なんであんたは法廷の前でべらべら
勝手にしゃべんのよ。まったく。それに何、被害を被った女性
たちの平穏を祈るだって?!立ち直ってほしいだって?!
偉そうなこと言うんじゃないわよ。あんたのおかげでどれほど
被害を受けたかほんとにわかってるの?!口先だけでいい子
ぶるんじゃないよ。偽善者!」と、まあこの通りの言葉では
もちろんありませんが、かなりの非難をエディソンに浴びせて
いました。しかしそれは、愚痴ではなくて、悪者=エディソン
を堂々と糾弾するという態度で、女性の共感を呼んだんでは
ないかと思います。

これを見たときに、もし自分がエディソンであったなら、こう
いう言葉で責められたときにはたして自分はどういう受け応え
ができるんだろうかと思ったのでした。自分はエディソン君よ
りもかなり年はくっているのですが、彼よりも上手な受け応え
ができそうもないです。そう思うと、セシリアさんの言葉は
エディソン君だけでなく、男性全体に投げかけられた言葉では
ないのかと思ってしまうのでした。

おまけに、私たちはこの事件を人ごととして面白おかしく楽し
んできました。でもその裏で、セシリア・チャンをはじめ多く
の「被害者」たちが、悩み、苦しみ、自分を責め、世間との
つながりを絶って、生き延びていたのです。セシリア・チャン
の言葉を聞くと、私たちの軽薄な生き方を反省したくなります。

セシリア・チャンは、この勇気ある発言を通して、未来に向け
ての大きな一歩をすでに踏み出したような、そんな気がします。
がんばってください、なんて言うと、セシリア・チャンに怒ら
てしまうかもしれませんが。