南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

香港にて日本のバレンタインデーを考察する

2009-02-13 01:21:04 | HONG KONG
バレンタインデーです。日本では、女性がチョコレートを贈る
日になってしまっていて、最近では男性から女性に「逆チョコ」
を贈るということを流行らせようとしているチョコレートメー
カーの陰謀がありますが、果たしてそう簡単にいくかどうか。
日本の男性は、バレンタインデーには受け身になることに慣れ
てしまっているので、「逆チョコ」で積極的な行動に出ようと
する男子は特殊なマイノリティーであるに違いありません。

そもそもバレンタインデーにチョコレートを贈るというのは、
チョコレートメーカーの販売促進行為であり、戦略的陰謀で
あったのです。日本国民はこの陰謀にまんまとはまり、バレン
タインデーには女性が男性にチョコレートを贈るというのが
定着してしまったのです。意中の人に愛を伝えようとしている
女性にとっては重要な日なのですが、大半の女性にとっては
迷惑な日であるに違いありません。何もしないでチョコレート
を待つだけの男性にとっては、もらえる人にとっては嬉しい日
であり、もらえない人にとってはつまらない日となるのでしょ
うが、果たしてこれでよいのかどうか...

マーケティング戦略的にみてみると、好きな男性に女性から
チョコレートを贈るだけでは、チョコレートの販売数量は思春
期の未婚の女性の数を超えることはない。それではチョコレー
トメーカーにとっては、小さなパイを奪い合う熾烈な戦いに
なるだけであまりうまみがない。市場を拡大するためには、
それほど好意を持っていない人にもあげてもよいことにすると、
売上は格段に増える。「義理チョコ」はチョコレート販売量を
一気に広げる革命的概念だったのです。
これはマーケティング的にみると実にロジカルで、わかり
やすい戦略です。さらに「逆チョコ」で女性だけでなく、
男性にも購買者を広げようとするメーカー。ここまでくる
とちょっと、机上のマーケティング理論に踊らされている
ようでいやですね。

先日から堀紘一さんの『一流の人は空気を読まない』
(角川書店)という本をぱらぱらと読んでいるのですが、
日本人は空気を読みすぎて、結局はみんなに合わせること
しかできなくなってしまう。村八分に合うことが怖いので、
自分がどんなに嫌であっても、まわりに合わせてしまうと
いう傾向があるようです。こういう風土が日本にはあるの
で、このように徹底したバレンタインデーの風習が定着し
てしまっているのです。

ところで海外のバレンタインデーはどうかといいますと、
と言っても、シンガポールと香港しか知らないのですが。
日本のように、チョコレートワンパターンというのでは
ありません。それに女性から男性への一方通行というので
もありません。むしろ男性が女性に対して愛を示すのも
普通です。男性は女性には亜束を贈り、女性は男性に手作り
のお菓子や、とくにチョコレートとは限定しないプレゼント
を贈るようです。

上の写真は、香港のコーズウウェイのタイムズスクエアに
入っているシティースパーの一角ですが、日本のトレンドが
部分的に入ってきているような感じがします。しかし既成の
チョコレートを売っているではなく、ここでは女性がちょっと
手を加えて手作りのオリジナルなチョコレートを作るための
材料を売っています。何か日本も昔はこういうロマンチックな
手作り感がバレンタインの風物だったんじゃないでしょうか。
それがいつの間にか商業主義に染まってしまって...

海外では、女性だけでなくて、この時期は男性も花を買ったり、
プレゼントを買ったりして忙しいのですよ。そもそもバレン
タインデーは恋人たちの日。恋人でなくても、夫婦でもよいの
だと思いますが、とにかく愛する人に、思いを伝え合うことが
重要なのだと思います。チョコレートどうのこうのではなくて。
香港やシンガポールで、愛する人のために花を買う男性は、
かっこいいと思います。