南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

夜霧のデリーでの希有な体験

2009-01-19 02:49:19 | インド
インドのデリーのオベロイホテルで行われたイベントは
無事に終了し、ボリウッドスターを起用したテレビ
コマーシャルの評判も上々で、これで安心して香港に帰れる
と思っていたのですが、最後の最後で大変はトラブルに
なってしまいました。

すべての問題はデリーの夜霧でした。デリーの霧は、
ロマンチックとはほど遠く、時々飛行機も離着陸できない
ほどの迷惑な存在なのですが、1月17日の土曜日の夜霧が
まさにそれでした。

1月17日の夕方、私はインドに駐在しているうちの会社の
人間と、グルガオンのゴルフ場のクラブハウスでの優雅な
夕食を終え、デリーの空港に向かいました。ちょっと霧が
出ていたので、心配になったのですが、彼曰く、「これくらい
の霧だと、大丈夫。もっとひどいときはある」とのこと。
しかし、じつはこれがその時だったのであります。

9時頃にはチェックイン。シンガポール航空SQ407便で
シンガポールで、その後、別のSQ便で香港乗り継ぐ予定で
した。10時40分頃には機内に。その機内で、偶然お客さんも
乗り合わせていたので(それは知っていたのですが)、
ちょっとご挨拶をしてから、座席に座って離陸を待って
おりました。その時点での滑走路の視界(Runway Visibility
Range)は、離陸可能レベルだったのですが、夜の11時に
霧は急激に濃くなります。しかし、濃霧の状態は上下変動して
いたし、過去には急に天候が回復したことも多かったので、
離陸準備は続行となりました。

予定出発時刻は23時15分だったのですが、その時点でも
濃霧は回復していないまでも、回復の可能性もるということ
で、我々は機内にて待機ということになったのです。

午前0時30分、飛行機が空港の気象観測局に問い合わせたと
ころ、午前3時ころには雷雨が予想されているということで、
雨で霧が晴れる可能性もあり、我々は地上に停まったままの
機内で、夕食のサービスを受けることになります。夕食と
言っても、深夜の夜食ですが。

午前2時45分頃、機長が気象観測局に再度問い合わせた
ところ、濃霧の回復の見込みはなく、期待された雨雲も
見当たらないということで、全員飛行機から降りてホテルで
一夜を明かすという結論になったのです。後でわかったの
ですが、午前5時半頃、雨が降ったのだそうです。

飛行機を降りて、我々は疲れた足取りで、バスに乗ることに
なります。せっかく数時間前に長い列に並んで出国審査を
したばかりだったのですが、再びインドに。しかし入国審査
は簡易的にパスポートをチェックするだけでした。私のビザ
は一回限りとマルチプルの中間の二回というもので、今回で
二回使い果たしているけど大丈夫かなと思ったのですが、
さきほどの出国分をキャンセルとしてくれました。

我々はほぼ全員、市内のラマダホテルに向かうことになり
ます。空港からバスに分譲して乗り込むとき、何かこれって
ナチスの収容所に向かうときのような感じなんじゃなかろう
かなんてことを感じたりしました。

30分以上かけて、バスはホテルに。またホテルに着いてから
が大変です。こんな深夜にこれだけの数の宿泊者を急に受け
入れるホテルのほうもまたすごいですが、ここでもまた長蛇
の列。なかなか進まないので、インド人のおじさんが切れて
どなりちらして怒っていました。

やっとのことで部屋の鍵をもらって部屋に入ったのは午前4
時過ぎ。翌朝何時に起きたらよいのかもわからず、とりあえ
ず寝ることに。8時ころ電話がなりました。英語の自動音声
で、8時半から食事、出発は10時というのです。本当にここは
軍隊かという感じです。4時間くらいしか寝てません。
上の写真は朝起きたときに見えたホテルの部屋からの風景です。
まだ霧が立ちこめている感じがします。

10時前にチェックアウトし(ホテル代は航空会社持ち)、
バスを待つのですが、これがまたバスが来ない。結局ホテル
側の手配でタクシーに分乗し空港に向かうことに。

空港についたら、再度チェックイン。欠航便の人だけ用の
カウンターができていて、そこで再びボーディングパスを
もらいます。ここでもけっこう待ちました。

そして、出国審査。もう足が棒になります。それが終わった
とおもったら今度はX線検査。これも長蛇の列。濃霧の為に
前日何便もが欠航しているので混むのは当然ですが、しかし
インドはこういう部分が効率的でない。

というやっとのことで飛行機に乗れたのですが、SQの対応
非常に誠意のあるものでした。飛行機に乗るとき、前日の
状況を説明した書類が配られ、いろいろな状況が説明されて
いました。さらに全員に、チョコレートが配られます。
それもお土産用の箱入りチョコ一箱づつです。

かくして飛行機は無事に飛び立ちました。無事に飛んで
くれてまずは万々歳。

シンガポールに着いたのは夜10時過ぎだったので、乗り継ぎ
はできず、翌朝の便で香港に向かうのですが、シンガポール
航空のほうで、一泊分のホテルを提供してくれました。濃霧は
自分のところの責任ではないのですが、ここまでしてくれるの
はすごいです。ホテルはペニンシュラをあてがわれましたが、
ここはうちのオフィスのそばなので、さらに便利。さきほど
ついでにクーリエで送ろうと思っていた書類をポストにおいて
きました。

ではまた。