定年後は旅に出よう/シルクロード雑学大学(シルクロードを楽しむ会)長澤法隆

定年後もライフワークのある人生を楽しみたい。シルクロード等の「歴史の道」を調べて学び、旅して記録する楽しみ方を伝えます。

国立オシュ大学に日本語の本を寄贈

2018-09-11 19:07:00 | シルクロード中央アジア
  

中央アジアのキルギス共和国、国立オシュ大学で日本語を教えているアイグリア教授から、日本語の本が届いたとのメールがあった。メールには、写真も貼付していた。

オシュ大学には日本語学科がある。しかし、2年前にビシケクからオシュまでの約800キロメートルを仲間と一緒にサイクリングをしたとき、それまでにメールで連絡をしていただけだったアイグリアさんと初めて会った。

話をしているうちに、オシュ大学の日本語学科はスタートしたばかりだが、大学の図書館には日本語の本がないことが判った。すぐに、手元にある日本語の本を10冊ほど差し上げた。

その中には、タムガ村に抑留された体験を宮野泰さん(93歳)が記録した「タムガ村600日」(新潟日報社)も入っていた。本は、Amazonで4000円くらいから購入できる。

わたしの友人を見ると、本を読み終えても捨てる決心がつかないで、困っている人が多い。本は増える一方なのだ。

1993年に西安を出発して仲間と一緒にスタートした「ツール・ド・シルクロード20年計画」では、不要となった本を自転車で訪問する地にある大学の日本語学科に寄贈することにした。一人が5冊の本を持ち寄ったのだ。それを思いだしていたのだった。

オシュ大学のアイグリアさんからは、「日本語教育の本、絵本や児童書、コミック」というリクエストがあった。日本語を覚えるのに適しているらしい。今回は35冊持参したが、30冊はコミック、一般書は5冊だけだった。

オシュ大学のリクエストを伝えたら、
「子供は結婚して家を出ているけれど、捨てないで取っていたコミックを送ります」
「子供が小さい頃に、言葉を教えるのに読んであげた絵本を生かしてほしい。捨てられないないでいました。キルギスの人が、日本語を覚えるのに使ってもらえるのは、絵本がまだまだ役立つと思うとうれしい」
との返事があった。

 

7月19日から27日に日程でキルギスに行った。目的は、東部にあるイシククル湖南岸にあるタムガ村に抑留された元日本兵の足跡を確認することだった。この時に、オシュ大学に寄贈する本を持参したのだった。送料を節約するために、リュックに入れて運んだ。

国立オシュ大学は、オシュ州の州都であるオシュにある。
オシュ州の北側には、ジャララバード州がある。三井勝雄氏の著書「天山の小さな国 キルギス」によれば、ジャララバード州には日本人が働いていたとの証言のある鉱山が1か所あり、日本人抑留者が働いていたと推定されている炭鉱や電球工場、鉱山がある。(三井さんの本はAmazonで5000円くらいからある。)

オシュの西にあるバトケン州には、日本人抑留者と一緒に働いたことがあるという炭鉱で働いていた人の証言がある。しかもこの鉱山には、3基の日本人の墓があるとウズベキスタンのタシケントにあるアヤ財団の資料に記されているというのだ。

日本語学科の学生達に日本への興味をさらに強くしてもらい、日本とキルギスの交流史に書き加えてほしいと願っている。

 

2010年に、キルギスの国防省に働きかけて、元日本兵が働いていたサナトリウムの一角に部屋を設けてもらい、サナトリウムの一つの建物を元日本兵が建てたことを記録する新聞記事や写真を展示させてもらった。

この時に、「捕虜体験記」全8巻(ソ連における日本人捕虜の生活体験を記録する会)を寄贈して展示してもらった。この本は、シベリア抑留を体験した当事者が記録たもので、ソ連を6つの地域に分けている。他にも三井勝雄氏の書いた「天山の小さな国 キルギス」(東洋書店)などの書籍も寄贈して展示していたのだった。

また、キルギス平和センターのオープニングセレモニーには、青年海外協力隊のボランティアのメンバーに、キルギスの民族楽器コムズでキルギスの伝統的な曲を演奏してもらってもいた。相互理解のために、演奏をお願いしたのだった。

オシュ大学からは、今後も本の寄贈を続けてほしいと依頼されている。
 ① 外国人向けの日本語教育の教材
 ② 絵本や児童書や童話
 ➂ コミック
 上記のもので不要だけれども、役にたててほしいという本があったら寄贈して下さい。

シルクロード雑学大学でまとめてオシュ大学に送付します。船便で送るかなど、本の数によって送付方法を決めたいと思います。本を送付するための送料の寄付もお願いします。本を送付する前に、メールや電話で問い合わせてください。