『約束のネバーランド 1〜20 (ジャンプコミックスDIGITAL)』

最終巻を読むことを失念していて、この程、全巻を読了した(電子書籍で読んだ)。設定からして、なかなか過激な本作品ではあるが、最後まで破綻なく終えることからできたと言えるのだろう。
千年も前に、鬼と人間の密約から、鬼のための人間の食用児を生産し続けるファームが鬼の国につくられ、物語はそのファームで生まれた子どもたちの反乱、食用児全員とともに人間の国の戻ろうという願いを一歩一歩実現していこうとしたさまざまなトピック(ストーリー)が描かれる。人間や鬼の様々な政治的な背景と欲望が障壁となって繰り返し、子どもたちを襲う。これを乗り越えていこうという物語なのだが、気になるのは、やがり、絶望を乗り越える子どもたちの夢なのだ。
ポスト・トゥルースやコロナ禍にある、夢のない時代であればこそ、楽観的な視点はせめてもの希望に通じるとも言えるが、しかし、それでよいか、といった思いにとらわれてしまった。もっと違う結論があっても良かったのではなかったのだろうか。

