Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

井上雅之画集

2021年04月03日 15時26分30秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

      

 本日「井上雅之 雁皮紙によるコラージュ」という立派な画集をいただいた。
 私がちょうど定年を迎えた年に、妻と伊勢佐木町に向かって歩いているときに通りがかった画廊で個展を開催していた。
 中に入るとちょうど井上氏がおられ、ご自身の作品の説明をしてくれた。私と同じ年齢である。とても親しみが沸いた。
 それ以来、個展を開催されるたびに案内をもらい、幾度か訪れた。この画集の発行所の「なるせ美術座」にも2度ほど足を運んだ。



 私は2010年からのシリーズ、「See through - 〈水鏡〉」が気に入っている。はじめは宇宙の銀河宇宙を思い浮かべた。さらにブラックホールに光が吸い込まれていくような錯覚も覚えた。最近ではクロード・モネの睡蓮の一連の作品を思い浮かべることもある。
 作者にしてみれば、不本意な印象を私が持ってしまったのかもしれないと恐縮はしている。作者はこの「See through(透過光)」について「大気から降り注ぐ光とそれによって見抜かれた私自身の内面の緊張を雁皮紙の線に置き換えて表現したもの」と述べている。私の感想は頓珍漢だったかもしれないが、それでも受け入れてくれている。
 私は同時に、ここに描かれている黄色もまた気に入っている。黄色は楕円で光の輪をイメージできるが、同時にチェックマークの様に黄色がときどきあらわれる。反射した光なのか、睡蓮の池に落ちる落ち葉なのか、宇宙の果てでブラックホールに吸い込まれる寸前の超新星爆発なのか、想像をしているだけで時間を忘れて見続けてしまう魅力がある。
 私にとっては癒しの時間が訪れるときもある。そして作者は雁皮紙という素材にこだわり続けている。直接作品に対するとこの不思議な光沢も魅力である。奥行きを感じる。

 近いうちに他の作品も含めてもう一度この画集に言及してみたい。

 



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