Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

落花・散る桜

2021年04月02日 22時48分12秒 | 俳句・短歌・詩等関連

★まつすぐに落花一片幹つたふ      深見けん二
★ちるさくら海あをければ海へちる    高屋窓秋
★花ちるや瑞々しきは出羽の国      石田波郷

 第一句、風に吹かれて落ちる落花ばかりではない。幹を不器用に落ちていく花弁もある。しかもまっすぐに地面に向かっていく。さまざまな落花に出くわす。人の人生のようでもある。
 第二句、あまりに有名な句。青い海に一番目立つ薄い桜色の花弁、小さくとも存在をいつまでも主張し続ける。「白鳥は悲しからずや海の青空のあをにも染まずただよう」(若山牧水)とはちがい感傷を排して、切れ味がいい。
 第三句、「出羽の国」は歴史を帯びた余剰が漂う。「出羽なればましてあざみの色の濃き」(庄司たけし)もまた同様。

 



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2 コメント

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この落下の仕方には (通りがかり人)
2021-04-03 13:52:06
心うたれますな。幹をつたわって落ちてゆくのが、なんとも痛ましい。風に飛ばされたくなくて、育ててくれた幹とこすりながら、くっつかず、離れもせず、落ちてゆく。めざした大学不合格のような落ち方ではある。惜しい落ち方ではある。
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通りがかり人様 (Fs)
2021-04-03 22:25:28
電報の「サクラチル」ですか。
そういう桜を詠んだのかもしれませんね。
私は時々引っ掛かりながらも、重力に引かれてまっすぐに落ちていく、どこか執念のある花弁に思えました。
きっと来年は合格するような予感‥。
話がずいぶんと飛躍してしまいました(^^)/
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