★まつすぐに落花一片幹つたふ 深見けん二
★ちるさくら海あをければ海へちる 高屋窓秋
★花ちるや瑞々しきは出羽の国 石田波郷
第一句、風に吹かれて落ちる落花ばかりではない。幹を不器用に落ちていく花弁もある。しかもまっすぐに地面に向かっていく。さまざまな落花に出くわす。人の人生のようでもある。
第二句、あまりに有名な句。青い海に一番目立つ薄い桜色の花弁、小さくとも存在をいつまでも主張し続ける。「白鳥は悲しからずや海の青空のあをにも染まずただよう」(若山牧水)とはちがい感傷を排して、切れ味がいい。
第三句、「出羽の国」は歴史を帯びた余剰が漂う。「出羽なればましてあざみの色の濃き」(庄司たけし)もまた同様。
そういう桜を詠んだのかもしれませんね。
私は時々引っ掛かりながらも、重力に引かれてまっすぐに落ちていく、どこか執念のある花弁に思えました。
きっと来年は合格するような予感‥。
話がずいぶんと飛躍してしまいました(^^)/