毎朝、大きなマグカップ1杯ないし1杯半の紅茶が朝食時の定番。起床して血圧測定をしてテーブルに座ると紅茶の湯気がうれしい。40歳まではその紅茶の香りも目覚めの合図になっていたが、嗅覚がだめになって四半世紀、湯気だけで香りを思い出して満足している。
乾いた体に向かって、紅茶の澄んだ色が食道を通って落ちていくのがわかる。気分がよくなる。明るいベランダに背を向けて食卓に向かっているので、背中に季節の景色、ことに樹木の色合いを感じるひとときである。
残った紅茶で薬を服用して、一日の仕事が始まる。
その後は寝るまでは主にウーロン茶ばかり。ただし週に2日ほどは煎茶とほうじ茶を飲む。最近は少し濃いめにして飲むようになった。
ウーロン茶は急須を使わず、茶葉をそのまま湯飲みに二つまみほど入れお湯を注ぐ。茶葉が開くと自然に下に沈む。ちょうど飲み頃に冷めてくる。浮いている葉を息で向こう側に押しやりながら、喫する。その時に香りが立つらしいが、私にはわからない。
そのかわり、不思議なことだが、いろいろとひらめく瞬間が訪れることがある。外の樹木の様子を見るように促されたり、外の光が湯の表面に写ってホッとしたりする瞬間でもある。
茶葉を使ったお茶ではないが、15時前後にはコーヒーを1杯。本を片手に大概は喫茶店で飲む。できればマンデリンなどの酸味が少なくコクのあるストレートコーヒーがいいのだが、最近は店のブレンドコーヒーにしている。
外出するときは必ず350㏄程度のペットボトル入りの煎茶を購入する。夏・冬季節は問わない。公園のベンチなどで座って飲む煎茶もまた格別である。
紅茶もコーヒーも、ミルクや砂糖は入れずに、そのまま飲む。学生時代からの習慣をそのまま継続している。
30代のころだったと思うが、南アルプスのどこかの山小屋で、クマザサのお茶を出してくれた。クマザサの中を歩いているような香りがしたけれども、おいしいとは思わなかった。しかし温かいお茶を大きな茶碗でたくさん注いでくれたのはありがたかった。2回ほどは追加して飲んだ。十分に水分の補給ができたし、しかも体が温まった。その時に、クマザサの芽の皮をむいて芯を5つか6つだけでも味噌汁に入れるとおいしい、と教えてくれた。実に小さい芯である。しかし山で味噌汁を作るときの私の定番になった。
だが、クマザサには血液凝固作用があるらしいので、今の私には向いていないお茶ということになる。
お水よりは体によさそうです。
昔は冷蔵庫にウーロン茶のボトルを何本か入れて、夜と明け方にがぶ飲みしてました。
今はがぶ飲みはやめて、夏でも温かいものを幾度にも分けて飲んでます。