横浜駅は混雑していた。三連休の初日ということでもあり、バレンタインデーでもあり、といったところ。そして日本書紀の記述を基にして、神武天皇の即位日として、ありもしない架空の日を強引に持ってきた明治憲法下の「紀元節」を、1966年に「建国記念の日」などとして政令で定めた日である。特に今の人はほとんど意識などしていない。
政令が出来た1966年、私が高校生のころ、「どうして「近代国家」「現憲法下の現代日本」の成立に関する日ではないのか」という新聞論調が目立っていた。当時の世論もそれが主流だったと思う。まだまだ「敗戦」「戦後」という言葉が実感として残っていた時代であった。マスコミも現在の体たらくとは違い、まだ体制とは一線を画して「社会の木鐸(ぼくたく)たらん」としていた。第一線で踏ん張る人々の鋭い視点の復活を願いたいものである。
世界でも、近代国家、現代の国家成立と無関係な「建国記念」を定めているのはごく稀なのではないだろうか。残念ながら、未だに神話が日本を覆っている。
さて、明日も横浜駅界隈は人通りが多そう。美術館・博物館も混雑しそう。本日のようにフラワー緑道を散歩するのが混雑を避けるいい方策かもしれない。