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Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

横浜美術館コレクション展

2015年01月10日 21時04分04秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 講座終了後、横浜美術館で今年度二回目のコレクション展を見てきた。

 解説では次のように記されている。

―戦後から現代、光と影―都市との対話
横浜美術館コレクション展2014年度第2期は、二つのテーマで展示します。

一つは、「抽象画―戦後から現代」。横浜美術館は、2014年4月現在、約1万点以上の美術品や資料を収蔵しています。その中から、日本の戦後から現代に至る抽象画を辿ります。山口長男(やまぐちたけお)、斎藤義重(さいとうよししげ)、元永定正(もとながさだまさ)、白髪一雄(しらがかずお)、嶋田しづ、佐野ぬいから、辰野登恵子(たつのとえこ)、中村一美(なかむらかずみ)など1950年代生まれの画家達まで、多彩な作品で戦後日本美術における抽象画の一端をご覧いただきます。

もう一つは、「光と影―都市との対話」。同時期開催のホイッスラー展に因み、光と影をとりあげました。特に都市景観や都市生活において、光や影を敏感に捉えた作品や見る者に光の在り方を意識させる作品をコレクションの中からご紹介します。
近代以降の都市には、太陽光や月光などの自然光やそれまでの灯籠や提灯に代わって、ガス灯から電燈へと、新たな人工的光源が登場し、従来にない夜の街の賑わいを生み出し、また人々は利便性の高い交通機関や街の恩恵に浴しています。都市は、震災や戦火によってまたたくまに解体し、また新たな再生を繰り返し発展しました。光と影を併せ持ち、風貌を変える都市のエネルギーと哀感は、美術家たちを触発し、多くの作品の題材となってきました。幕末に西洋画を学んで画面に明るい光を採り入れた高橋由一《愛宕山より品川沖を望む》、文明開化が生み出した都市景観を光と影によって効果的に捉えた小林清親(こばやしきよちか)の版画や、清水登之(しみずとし)《ヨコハマ・ナイト》から奈良美智《春少女》まで、多彩な表現をお楽しみいただきます。
また、写真展示室においては、現代の都市における光と影を強烈に映し出した写真家たち、金村修(かねむらおさむ)、磯田智子、米田知子ほか、を展示いたします。あわせてご覧ください。

 ざっと一巡りをして、抽象画では斎藤義重の「作品」(1973)、辰野登恵子の「UNTITLED96-3」(1996)に惹かれた。版画では小林清親が数多く展示されていたが、やはり私は川瀬巴水に惹かれた。今回東京十二題から3点「夜の新川」「木場の夕暮」「戸山の原」が展示されていたが今回は「夜の新川」が気に入った。
 特に蔵と蔵との狭い路地からガス灯の灯りが漏れている「夜の新川」にはふと同時に開催されているホイッスラーのテムズ川の面影を重ねてしまった。清宮質文の「五月の夜明け」「夏の夜」も良かった。
 写真ではいろいろあるが緑川洋一の写真が気に入った。
 いづれも館内での写真撮影が出来たのでカメラを持って行けばよかったと反省。次回はカメラ持参で気に入った作品を納めてみたい。

      

 さて展示されていなかったがミュージアムショップで緑川洋一の作品のポストカードが新たに3枚発売となっており購入した。
いづれも1951年の作品で、上から「帰り道」「十五夜」「星のふる夜」。


本日の講座

2015年01月10日 20時14分24秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 今年初めて受講した講座は、神奈川大学のエクステンション講座の「歴史に学ぶ-近代から現代まで-」の4回目。第3回目は松本健一氏の「日本の失敗-大東亜戦争」だったが氏の急逝で中止。実に3か月ぶりの講座である。
 第4回目は安田恒雄特任教授による「昭和の民衆史が伝えるもの」。特に戦後の民衆運動を掘り起こす観点から、
1.戦前の生活綴り方運動の延長ともいえる生活記録運動
2.サークル運動
3.住民運動
について90分で概括してもらった。
 1の生活記録運動では、「個人史を軸にした現代史の書き換え」「大人の個人史を生かした社会史」「ひとり言文体から応答と対話を誘う文体への転回」などの特徴を抽出していた。この運動が1960年代以降吉本隆明による批判(実感主義への埋没、なかよし主義への閉塞)を受けた背景も紹介されていた。
 2については、谷川雁・森崎和江・石牟礼道子・上野英信などによる「サークル村」、現代までも続いているという白鳥邦夫などによる「山脈(やまなみ)の会」の比較。
 3の住民運動の「公共性への問い」「生活へのこだわり」に着目したまとめ
などを聴いた。
 特に2についてはいづれも学生時代には随分さまざまな形で影響も受けたので感慨深かった。