蛇口が取れた

4年半の杭州生活を終え、ついに帰国。現在、中国人化後遺症に悩まされ、好評リハビリ中。

剣ちゃん、おめでとう。

2006-03-23 00:56:16 | 邦楽・洋楽・中国楽?
太田剣デビューアルバム『SWINGROOVE』(ユニバーサル・ミュージック)、本日(3月22日)発売!!

彼は、大学の同級生。
同じ語学(中国語)の仲間。
なのに、彼はロシア文学へ。
なぜ?

そして、彼は卒業後、プロのミュージシャンに。
ジャズのサックスプレーヤー。

その彼が目出度く、この度、個人名義のデビューアルバムを発売しました。
もちろん、私は手に入れておりませんが、うちの相方に頼んで早速買ってもらいました。
早く聞きたい。

日本にいる時、彼のライブを2度ほど聴きにに行きました。
私は音楽的才能はなく、もっぱら聴くこと専門ですが、それでもジャズはあまり聴きません。
自分で買ったジャズアルバムだって、マイケル・ブラッカーくらい。
それでも、彼の音が素晴らしいのは何となくわかります。
一言で言うと、「優しい」。
何となく彼の人柄が表れている気がします。

杭州へ来る直前の夏、彼のライブを聴く機会がありました。
その日は、後輩達が私の杭州壮行会を開いてくれた日でした。
夜遅く、最寄りの駅を出て、ふとそこにあった店を見ると、小さな黒板に彼の名が書かれていました。
彼がゲストミュージシャンとして出演することになっていたようです。
その店は、週末になると地下がジャズバーになるところのようでした。
私はプレゼントにもらった炊飯器などの荷物を家に置くと、早速店へと向かいました。

彼はやはり他の飛び入りの人達よりも、素晴らしい演奏をしていたように思います。
「優しい」音を出していると感じました。

彼の休憩時間に、久しぶりに彼と話をした時のことはよく覚えています。
私が中国に行くときに、彼の演奏したCDを持っていきたいので、どれが一番いい?と聴いた時のことです。
まだ、自分名義のものではないから、持って行かなくていいよ。
と、彼は言いました。
その時はすでにCDデビューの話が来ているとは言っておりましたが、表現者として自分名義ということにこだわるプロとしてのプライドを垣間見た気がします。

当時、私も自分名義の本を出版する直前でしたので、彼の言った意味はなんとなくわかりました。
出版後、ある尊敬する大研究者から、研究者は自分の本を出すことが義務である、と趣旨のお手紙を頂いたことを思い出します。

お互い分野は違いますし、
細々となんとか続けていくという私と、
今後間違いなくワールドワイドに活躍する彼とを同列で扱ってしまうのもなんですが、
やはり、同世代に彼のような存在がいることは、私にとっても励みになります。

彼は2枚目・3枚目とアルバムを出していくことでしょう。
私は、果たして2冊目がだせるのかどうかわかりません。
しかし、研究者としての「義務」を果たすべく、日常を生き続けていこうと思います。

ともかく、
剣ちゃん、デビューアルバム発売、おめでとう。