shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

尾瀬、晩夏 - その③(晩夏に咲く白い花、イワショウブ、ウメバチソウ、アケボノソウなど)

2022-09-02 05:30:10 | 山行・旅行
8月29、30日に、尾瀬沼と尾瀬ヶ原を歩いてきました。
その②では、晩夏の尾瀬を代表する青い花、サワギキョウとオクトリカブトをご覧いただきました。今回はこの時期の尾瀬ヶ原を代表するもうひとつの花、イワショウブなどをご覧いただきます。

■イワショウブ(別名ムシトリゼキショウ、岩菖蒲、チシマゼキショウ科イワショウブ属の多年草)
湿原に白い花がぽつんぽつんと咲いているのは、遠くから見ても目立ちます。晩夏の尾瀬の湿原を代表する花のひとつです。


分布:西限を伯耆大山とし、本州のおもに日本海側に分布し、亜高山帯の湿原や山稜の雪田の縁などの湿り気のある場所に自生する。
特徴:花茎の高さは、20~40cmになる。葉は根生し、形はアヤメのような線形で、長さは10~40cm、茎には小形の葉が1、2個つく。
花期は8~9月で、花茎の上に花被片が6枚の白色、ときに淡紅色を帯びた花を総状につける。花の中心に雌蕊が、その周りには花被片と同長の雄蕊が6本つく。花茎の上部から花柄まで腺状突起が多くつき、粘る。果実は蒴果で卵状楕円形、発生過程で生じる巨大な突起物を種子に有することが特徴である。

2日目は雨になりました。尾瀬では天気予報が晴れでも雨が降ることは珍しくありません。
雨粒がついたイワショウブも、それなりに美しいと思いました。
 





■ウメバチソウ(梅鉢草、ウメバチソウ属の多年草)
この花も秋の尾瀬を代表する花のひとつかもしれません。背丈が低いので他の草に隠れて遠目には見えませんが、木道脇によく見られます。
特に見晴から東電小屋に向かう途中で、この花がたくさん咲いているのを観ることができました。


分布:北半球に広く見られ、日本では北海道から九州に分布する。山地帯から亜高山帯下部の陽当たりの良い湿った草地に生え、地域によっては水田のあぜにも見られる。
特徴:根出葉は柄があってハート形。高さは10~40cmで、花茎には葉が1枚と花を1個つける。葉は茎を抱いている。花期は8~10月で2cmほどの白色の花を咲かせる。




■アケボノソウ(曙草、リンドウ科センブリ属に分類される二年草)
尾瀬ヶ原の見晴から東電小屋に向かう道で、東電小屋の手前の湿原でこの花を見ました。見つけると嬉しい花のひとつです。
牛首分岐付近にも咲いているのを見かけました。

分布:中国、朝鮮半島と日本の温帯から暖帯にかけて分布する。日本では北海道、本州、四国、九州に分布する。山地のやや湿り気のある場所や木陰に生育する
特徴:茎の高さは50~90cmで直立し枝分かれし、断面は四稜条があり四角形。根生葉は、大きな長楕円形で長い葉柄と平行する数脈があり、花期には枯れる。茎葉は卵状楕円形(卵形または披針形)、長さ5~12cm、基部はくさび形で先端が尖る。葉の脇から分枝して、長さ1~5cmの花柄がある白色(黄白色)の花を集散状円錐花序にまばらに付ける。花冠は深く4~5裂し基部で合着していて離弁花のように見える。裂片には直径1.5mmの黄緑色の蜜腺溝が2個あり、縁にはセンブリのような毛はない。また裂片には濃緑色の斑点が多数ある。開花時期は9~10月。萼も4~5深裂し、裂片は広倒披針形で花冠裂片より短い。果実は蒴果で花冠より少し長く裂開し、黒褐色で長さ約1mmの表面に細かい粒状突起がある種子を出す。






■ヒツジグサ(未草、スイレン科スイレン属に属する多年草)
もうこの花の季節が終わったかと思いましたが、まだたくさん咲いていました。
しかし、名前の通り未の刻(午後2時)に開くので(実際には正午頃に開く)、開いている花は観られませんでした。


■ゴマナ(胡麻菜、キク科シオン属の多年草)
尾瀬ヶ原の見晴付近で見かけました。高さが1mを越えるものもありますが、見かけたものは50cmほどでした。隣にチョウジギクが咲いていました。


■セリ科の花
名前を調べきれず申し訳ないですが、セリ科の花々を上げておきます。
この時期の尾瀬の湿原には、シラネニンジン、ドクゼリ、オオバセンキュウなどが咲いています。
最後の背の高い植物は、ミチノクヨロイグサ(セリ科シシウド属)のようです。








明日は、黄色い花をご覧いただく予定です。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なつみかん)
2022-09-02 07:39:29
shuさん、おはようございます。
今日は白い花ですね♪
最初のイワショウブ、綺麗ですね!
もちろん私は見たことがありません。
この季節、まだ白い花が結構たくさん咲きているのですね。
ウメバチソウも、皆さんの投稿写真では何度も拝見してるのですが、実物は未見です。
アケボノソウは、京都でも見ることができます。
毎年、アケボノソウとセンブリをセットで北部の山裾まで見に行きます。
でも、やはり尾瀬は咲くのが早いですね〜
もう秋なのですね。

最後のセリ科シリーズ、私もなかなか区別がつきません。
よく見るとレースのように綺麗な花ですよね。
伊吹山でも、山頂にたくさん咲いているはずです。
明日は黄色ですね。
楽しみにしています(^-^)/
返信する
おはようございます^^ (attsu1)
2022-09-02 07:45:17
イワショウブ、
この時期の尾瀬を代表する花、
そして見たことの無い花、
雨粒がついたイワショウブ、アートですよ^^

ウメバチソウ、
この花も見たことない花、
もし知らずにみたら、何か春が来たことを知らせている花のように見えるんですが、
夏なのを知らせている花なんですね

色別に見せてもらっている尾瀬、
暑い夏でも、色々な花が見られるのは、
高原の尾瀬ならでは、少し涼しく感じます。
返信する
なつみかんさん おはようございます (shu)
2022-09-02 07:57:55
いちばんのコメント、ありがとうございます。
今回は白色の花をまとめてみました。この他にゲンノショウコも見られましたが、この花は後で載せたいと思います。

なつみかんさんが、イワショウブやウメバチソウをご覧になっていないのは意外でした。
そういえば、私もイワショウブを観ているのは、尾瀬と白山だけのようです。
アケボノソウは人気の植物ですね。見つけると嬉しくなるのは、尾瀬のビジターセンターの方も同じでした。

セリ科の植物は、もっと調べれば分かるかもしれません。今回は自信がないので名前を挙げませんでした。
白山で見られるセリ科の植物もようやく少しずつ分かってきましたが、それも高山帯のものだけです。
今の季節、いちばん悩ましいのがセリ科です。
返信する
attsu1さん おはようございます (shu)
2022-09-02 08:15:57
今朝もコメントありがとうございます。
イワショウブとウメバチソウをご覧になっていないのは意外でした。
あらためて調べてみると、どちらも高山植物に分類されるので、身近にはない植物のようです。
そして、どちらも夏の暑さが引いた後に咲き始める植物です。
ですから、シーズンの終わりに山に出掛けると咲いている植物です。

ウメバチソウには変わった特徴があります。
写真で見えるたくさんの花糸は仮雄しべです。葯がある本当の雄しべは5本あります。
一番上の写真がわかりやすいと思います。
それらが、1日に1本ずつ外側に向かって伸びるのです。
詳しい説明は、ウメバチソウ 雄しべ で検索すると出てきますので、お時間がありましたらご覧くださいませ。
面白いですよ。
返信する
この時期の尾瀬 (fukurou)
2022-09-02 08:21:12
shu様
おはようございます。
この時期の尾瀬はまったくどんな花が咲くのかそうっ増もできませんでした。
イワショウブは名前だけ知っていましたが、初見の花です。
最近食虫植物だと認められたのでしたね?
何かで読んだ記憶があります。
ウメバチソウ、アケボノソウは開田高原でも見られますので、お馴染みの花です。
返信する
アケボノソウ (カンサン)
2022-09-02 08:33:02
shuさんへ、アケボノソウが早くも咲いていますね。標高が高いのですでに秋の中頃の花が咲いていますね。私はこの花を和歌山県の南のほうで11月の始めに見たことがあります。2か月違いますね。
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fukurouさん おはようございます (shu)
2022-09-02 09:16:38
興味深いコメント、ありがとうございます。
アメリカで、イワショウブの仲間が食虫植物だと確認されたという論文が出たようですね。
この植物は花茎に粘り気がある繊毛を持ち、捕まえた小さな虫を消化して翌年の生育に使うそうです。
日本のイワショウブで確認されたわけではありません。
しかし、日本のイワショウブにはムシトリゼキショウの別名があるのは興味深いです。

ウメバチソウ、アケボノソウはよくご存じですね。
私がこれらの花を観るのは、年に数回です。
白山の三ノ峰では、両方を観たように記憶しています。
返信する
カンサンさん こんにちは (shu)
2022-09-02 09:23:02
コメントありがとうございます。
アケボノソウの分布域は広く、日本では北海道から九州までが含まれます。
和歌山県の南部というと、黒潮の影響を受け、暖かい地域でしょうね。
尾瀬とは花期に2ヶ月の差があるのですね。尾瀬はこの花にとって、全国的にいちばん早く咲く地域かもしれません。
返信する
shuさん、こんにちは (さざんか)
2022-09-02 10:42:22
今日は白い花ですね。
イワショウブ、綺麗ですね。
水滴が付いてウルウルしているのが愛おしいです。
ウメバチソウとアケボノソウ、セリ科の植物は見て分かりますが、どのお花も見たことがありません。
山へ行かないから当然ですよね。
行動範囲が狭いので情けないです。
皆さん、あちこちお出かけですから、知識も豊富でいらして羨ましいです。
ここでは私は場違いのような気がしますが、見せて頂くだけで有難いです。
黄色のお花を楽しみにしています。
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さざんかさん こんにちは (shu)
2022-09-02 12:22:17
いつもコメントをいただき、ありがとうございます。
1日目は快晴でしたが、夜半に雨となりました。尾瀬の天気は気まぐれです。
そして2日目は小雨が降ったり止んだりで、霧の中をずっと歩きました。
予報は曇りだったので、じっくり植物を撮ろうと思ったのですが、この天気では仕方ありません。
早めに引き上げて、午前中に下山しました。

ヒツジグサの花が観られなかったのは残念でした。
午前中でも開いたいることがあるそうですが、この天気なので開花が遅かったようです。
黄色い花はキク科がほとんどです。
きっとご存じの花もあると思います。

今日は終日パソコンに向かっています。
何とか出掛ける前に、クロスワードを仕上げたいと思います。
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