shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

尾瀬、晩夏 - その⑤、最終回(晩夏に咲くその他の花)

2022-09-04 05:30:04 | 山行・旅行
8月29、30日に、尾瀬沼と尾瀬ヶ原を歩いてきました。
これまで、晩夏の尾瀬を代表する青い花、白い花、黄色い花をご覧いただきました。今回はその他の花をまとめてご覧いただきます。
その①歩いたところその②青い花その③白い花その④黄色い花

■ヤナギラン(柳蘭、アカバナ科ヤナギラン属の多年草)
尾瀬沼にある長蔵小屋の前にまとまって咲いていました。一緒に写っている建物は旧ビジターセンターで、昨年新しい建物に移りました。

分布:ヨーロッパ、アジア、北アメリカなどの北半球の温帯地域や寒地に広く分布する。日本では北海道、本州以北の亜高山帯から山地帯の草地や礫地に分布する。
特徴:やや薄い緑色または薄紅紫色を帯びた茎は高さ0.5~1.5mで、ほとんど枝分れせずまっすぐ上に伸びる。葉は互生し、総状花序に濃紫色の花が下から順に咲く。長さ1~1.5cmの花弁は4個で、雄しべは8個、開花時期は7~9月。果実は細長く、白い綿毛を付けた種子が飛び散る。
 

■ミヤマワレモコウ(深山吾亦紅、深山吾木香、深山吾妹紅、バラ科・ワレモコウ属の多年草)




■ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔、モウセンゴケ科モウセンゴケ属の多年草)


■モウセンゴケ(毛氈苔、モウセンゴケ科モウセンゴケ属の多年草)


■オゼヌマアザミ(尾瀬沼薊、キク科アザミ属の多年草)

分布:群馬県、福島県、新潟県にまたがる尾瀬及び同県内の湿地に限られ、尾瀬以外ではごくまれに見られる。
特徴:茎の高さは0.5~1.5mであり、まれに2mほどの個体もある。茎につく葉の基部は茎を抱き、葉は羽状に深裂し、縁のとげは鋭くない。花期は7~9月で、上向きに1~3個の花をつける。花(頭状花序)は筒状花のみで構成されており、花の色は紫色である。直立した太針状の総苞片が総苞を密に覆う。花期には根生葉は残っていない。 
 

 

■ゲンノショウコ(現の証拠、フウロソウ科フウロソウ属の多年草)
尾瀬ヶ原の見晴キャンプ場で赤花と白花が並んで咲いているのを観ました。
ゲンノショウコには白い花を付ける白色系と、ピンク色を付ける紅色系とがあり、富士川付近を境に東日本では白花が多く、西日本では淡紅、日本海側で紅色の花が多く分布しています。
 

 

■アカバナ(赤花、アカバナ科アカバナ属の多年草)
尾瀬ヶ原で観ました。
 

■ミゾソバ(溝蕎麦、タデ科タデ属の一年草)
尾瀬ヶ原の木道の隙間に咲いていました。
 

■ムシカリ(別名オオカメノキ、虫狩、スイカズラ科ガマズミ属の落葉低木)


■ササ(笹、イネ科タケ亜科)
属名は不明です。尾瀬沼の北側の一帯でササの花を観ました。ササが花をつけるのは珍しいと言われますが、毎年のようにどこかで見かけます。


■アブラガヤ(油茅、カヤツリグサ科アブラガヤ属の多年草)
この時期の尾瀬ヶ原の一帯を赤く染めていました。ヨッピ吊橋から竜宮十字路に向けて木道を歩くと、この花の種が靴や衣服にびっちり付いてしまいました。
 



■アシ(別名ヨシ、葦、イネ科ヨシ属の多年草)
尾瀬ヶ原では見晴付近にはススキが、下田代の湿原にはアシが観られます。


尾瀬、晩夏(完)

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10 コメント

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おはようございます^^ (attsu1)
2022-09-04 07:21:10
モウセンゴケ、
苔って言うと、石に付いている緑のを
思い浮かべますが、
まさに成長を感じる苔もあるのを感じます(@_@)

オゼヌマアザミ、
尾瀬らしいアザミ、アザミと言うと、一輪ずつのを
見ますが、こんな個性的なアザミもあるんですね。
さすが、尾瀬です(@_@)

ゲンノショウコ、
白とピンク、電圧のような東日本と西日本、
確かに、私の見るゲンノショウコ、殆どが白、
たまにピンクを見る感じです^^

ミゾソバ、
白にピンクのミゾソバばかりで、
ゲンノショウコとは、逆に、こんな白いミゾソバ、
見たこと無いんですが^^;
尾瀬ならでは?私が知らないだけかもですが^^;

尾瀬の晩夏の花々、数回に分けて楽しませていただきました。
ありがとうございます^^
返信する
attsu1さん おはようございます (shu)
2022-09-04 08:30:57
今朝もいちばんのコメント、ありがとうございます。
モウセンゴケは「コケ」と名前がついていますが、コケの仲間ではなく、ナデシコ目モウセンゴケ科に分類されます。
7~8月に白い花を咲かせます。この花は虫媒花です。
モウセンゴケは食虫植物なので、葉には粘りがありますが、花には粘りがありません。
虫は受粉を手伝った後、うっかり葉に触れると捉えられて食べられてしまいます。なんとも危ない受粉作業です。

オゼヌマアザミは、尾瀬以外にも分布しています。
しかし尾瀬の湿地で観られるアザミは、オゼヌマアザミ以外を知りません。
似た花にタムラソウがあります。以前尾瀬で観たことがありますが、今回は見ませんでした。

ゲンノショウコは、千葉でもシロバナしか見ていません。
尾瀬で2種類の色が、しかも並んで咲いていたのに驚きました。

ミゾソバは同定に悩みました。決め手は次の報告でした。
https://www.oze-fnd.or.jp/archives/53503/
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今日のお花は (fukurou)
2022-09-04 09:29:06
shu様
おはようございます。
今日のお花は知っている花が多くて安心でした。(笑)
イネ科は相変わらず分かりませんが。
開田高原もゲンノショウコの赤花と白花の両方が咲きます。
モウセンゴケの仲間は自生しているのを見たのは尾瀬が初めてでした。
木道から写真を撮るのに苦労したことを思い出しました。
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fukurouさん おはようございます (shu)
2022-09-04 10:09:31
コメントありがとうございます。
仰るとおり、今日は珍しい花はなかったですね。
アザミは分布が限られているものが多く、そのお陰様でオゼヌマアザミだと分かりました。

開田高原でもゲンノショウコに赤花、白花が咲くのですね。
そうすると、2種類の花色が見られるエリアは多いかもしれませんね。
どなたかが調査されていることでしょう。

モウセンゴケの撮影には望遠レンズを使いました。
雨が止んでいる時間帯で、助かりました。
自動だと手前の植物にピントが合うので、マニュアルでの撮影です。
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こんにちは (さざんか)
2022-09-04 11:26:56
今日は知っている(見当がつく)お花が多くて嬉しいです。
ヤナギランは綺麗ですね。
モウセンゴケは苔ではないのですね。
ナガバと言うのがあるのは知りませんでした。
ゲンノショウコが2色揃って咲いているのは珍しいと思います。
オオカメノキ、なつみかんさんがよく冬芽のお写真を載せてくれますね。
実も花茎も赤くて綺麗です。
アブラガヤは初めて見ました。
服にくっ付くのは困りますね。
尾瀬の植物を沢山見せて頂き、有難うございました。
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さざんかさん こんにちは (shu)
2022-09-04 11:55:20
毎回コメントありがとうございます。
ヤナギランは群生していてきれいでした。長蔵小屋の前では、まるで花壇に植えてあるかのようでした。
はい、モウセンゴケはコケではありません。
ナガバノモウセンゴケは、日本では北海道と本州の尾瀬でしか見られません。
長い間尾瀬が世界の南限だと見られていたのですが、なんとハワイのカウアイ島で自生しているのが発見されました。
この植物は食虫植物なので、火山地帯の栄養が乏しい土地でも、昆虫から栄養を摂り生きていけるのですね。

アブラガヤの種は1mmにも満たない小ささです。風で種が運ばれる他、尾瀬では人も種を運んでいるようです。
木道の脇は一部除草されているところもありますが、背丈の高いこの植物は木道を覆うように生えているので、歩きづらいほどでした。
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ゲンノショウコの紅白 (keitann)
2022-09-04 12:12:13
こんにちは。

台風はどこへやら、今日はギラギラの太陽で暑さがぶり返してます。
ヤナギラン・・・もう久しく見ていません。
これは北アルプスには少ないようで、20年近く前に南アルプスの山麓をドライブしていたときにたくさん咲いてました。時期は7月半ばでしたから、かなり長い間咲く花なんですね。北沢峠のヤナギランはシカに食べつくされたと、そのときに泊った山小屋の小屋番の女性が話していました。今ではもう南アルプスでも見られないかもですね。
ゲンノショウコが西には赤花が多く、東には白花が多いというのは私も花散策し始めたときにどこかで聞きかじりして、その後注意してみていますが、四国内でも香川は白花が多く、徳島などでは赤花が多いです。高知にはピンクの花もあったりで、いろいろ咲いていますね。紅白が並んで咲いているのは私も見たことがありますよ。
モウセンゴケのナガバがつくのは珍しいですね。知りませんでした。
ムシカリはほんとに虫が好きなようで、石鎚で見たのは葉っぱがぼろぼろでしたよ。
ミゾソバも低地から比較的高い場所にも生えているので、悩みますね。
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keitannさん こんにちは (shu)
2022-09-04 14:18:11
コメントありがとうございます。
まだ遠くにある台風ですが、既に本州にも影響が出ているようで、生暖かい風が吹いています。
5、6日で予定していた山行を1週間延期し、明日は近場へ行くことにしました。

さて、ヤナギランについて教えていただき、ありがとうございます。
この植物もシカの食害に遭ったのですね。
このままシカが増え続けると、尾瀬もシカが食べない植物ばかりになってしまいますね。
先日は銃を使ってシカを駆除しているところを見ました。
やむを得ないとはいえ、危険な銃を使う以外によい方法はないものでしょうか。

ムシカリは虫の力を借りて受粉しているので、「虫借り」かと思ったら、虫狩でした。
この植物は大きな葉が蝕まれている姿がよく似合います。

本題のゲンノショウコですが、山で見ることは少なく、野の花かと思っていました。
尾瀬では2色が昔からあるようで、『尾瀬の草花 ポケット図鑑』には薄桃色の花の写真が載っています。
また、『尾瀬植物手帳』には、白色の写真が載っています。
東京都の神代植物公園のHPでは「花の色には変化があり、東日本では白色の花が大半ですが、西日本では紅紫色の花が多くなります。
植物多様性センターの奥多摩ゾーンではどちらの花も観察することが出来ますよ」と書いてありました。
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ヤナギラン (カンサン)
2022-09-04 17:25:35
shuさんへ、ヤナギランは1m以上になって、遠くからもピンク色が目立ちますね。高山植物と言われている花の中では一番、高くなる花かもしれませんね。
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カンサンさん こんばんは (shu)
2022-09-04 17:37:59
毎回コメントありがとうございます。
尾瀬でまとまったヤナギランが観られるのは、長蔵小屋の前です。
今の季節はソバナと共に群生していて、まるで花壇のようでした。
草本の高山植物では背の高い方ですね。
何が一番高いでしょう? 私はミヤマシシウドが頭に浮かびました。
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