shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

秋の白山ハイキング(御前峰・大汝峰・白山釈迦岳 周回)その⑤ 最終回(釈迦新道・後半)

2023-09-21 04:13:50 | 山行・旅行
前に上げた記事(その④)で、書き忘れたことが一つあったので、書いておきたい。
裸地の辺りで休憩を取った。その理由は濡れた靴を乾かし、靴下を交換するためだった。靴を脱いで中敷きを外し陽に当てた。靴下は予備を持っていたので履き替えた。それによってずいぶん歩きやすくなった。
yamapの歩跡には休憩マークが刻まれている。


さて標高1900mほどまで下りてきた。水も補給したので時間を気にすることもなく安心して歩ける。

この辺りで咲いているアザミは何だろう? 花が上を向いているのでノアザミのように思える。『白山*立山 花ガイド』によれば、ノアザミは高山帯でも観られるようだ。


リンドウは茎の先端部にかたまって咲いていることと、好天でも花が僅かしか開いていないので、オヤマリンドウのように思えた。
 

この後、赤い実をつけた植物が続いて観られたので、順にご覧いただきたい。

先ずはアカモノ(別名イワハゼ、ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木)。
アカモノの名前の由来は分かりやすい。一方イワハゼは、実が蝋を取るハゼの実に似ている事が由来だ。


続いてはゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)。
和名は白山の御前峰に由来している。愛媛県では、石鎚山系と赤石山系に分布し、それが日本の南限となっている。


3つめはムシカリ(別名オオカメノキ、ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木)。
ムシカリの名前の由来は、葉が虫に喰われやすいことからといわれる。一方オオカメノキは、葉の形をカメの甲羅に見立てたことからきている。


最後はナナカマド(バラ科ナナカマド属の落葉高木)。白山では標高の高い順にタカネナナカマド、ウラジロナナカマド、ナナカマドが観られる。
ナナカマドの実には毒性があり食べられない。この毒は寒さで実が凍ると分解されるため、寒さが厳しくなって初めて野鳥たちは実を食べるようになる。

こんな花もまだ咲いていて驚いた。

タテヤマウツボグサ(シソ科ウツボグサ属の多年草)だ。今回観たのは1輪だけだった。


こちらは何度も登場しているハクサンフウロ。
雄性先熟の植物だが、この花には雄しべが見えた。

白山釈迦岳の頂上付近まで来たところ池が現れた。地図で確認したら、確かに頂上の西に池があった。
 

さらに進むと道標が現れた。しかしそれには白山釈迦岳への分岐が記されていなかった。東側に踏み跡が伸びていた。再び地図で確認したところ、地図に道は記されていないものの、山頂へ向かう方向は確かだった。
 

その踏み跡を辿って進んだ。途中から踏み跡は北に曲がり、ササを切り払った「道」になっていて、ササにしがみつきながら山頂に行き着いた。
 

山頂は笹薮に囲まれていて、見晴は利かなかった。
下山は同じ道を戻るので、カメラが藪に絡まないようザックにしまった。
ここからの写真は i Phone で撮っている。

白山釈迦岳から登山道に戻り、しばらく歩くと左側に谷を隔てて道が見えた。
砂防新道かと思ったが、地図で確認したところ湯ノ谷の砂防工事用の道路のようだった。
5分ほど歩くと再び道標があった。室堂から7.0km歩いて来て(実際は3つの峰に登ったのでもっとある)、市ノ瀬までは7.9kmだった。まあ半分は来たということだ。
 

再び赤い実が観られた。ずいぶん葉が蝕まれている。

白山で観られるスイカズラ科の樹木の中では、ミヤマシグレ( スイカズラ科 ガマズミ属の落葉低木 )に似ているように思えた。自信はない。


こちらはミズキ(ミズキ科ミズキ属の落葉高木)のようだが、やはり自信がない。

雨に打たれることはなく、曇り空で歩きやすかった。下界では一時雨が降ったらしい。


オヤマリンドウの群落。


ハクサンカメバヒキオコシの群落。この先この植物が多く観られた。


こちらはムシカリで間違いがなさそうだ。


アサギマダラが1頭、藪の中に見えた。下の写真はスマホで撮ったもの。これは一眼で撮らねばと思い、カメラをザックから取り出した。


今年初めて観たアサギマダラだった。この後3頭を見かけた。






再びカメラをザックにしまった。この後しばらく写真は i Phone で撮っている。
登山道は見事なブナ林の中を通っていく。


道を防ぐように咲いていたサラシナショウマ。


珍しい植物に出会った。



ギンリョウソウモドキ(ツツジ科シャクジョウソウ属の多年草)だと思う。
ギンリョウソウが春に咲くのに対し、ギンリョウソウモドキは秋に咲く。そこから別名をアキノギンリョウソウという。
同属のシャクジョウソウは淡褐色なのに対し、ギンリョウソウモドキは白色なので、これはギンリョウソウモドキのようだ。しかし昨年観たギンリョウソウモドキはもっと白かった。
シャクジョウソウは1つの茎から複数の花をつけることが多いようだが、これは1つの茎から1つの花をつけている。しかしこれも決定的とはいえないようで、不安を残している。
なお、シャクジョウソウ、ギンリョウソウモドキともに石川県の絶滅危惧種リストには入っていない。

再びザックからカメラを取り出したのは、釈迦岳登山口(林道との合流部)付近でツリフネソウを観たときだった。








13時23分に釈迦岳登山口に到着した。当初計画より1時間50分ほど遅れた。ここからはしばらく林道歩きが続いた。


やはり釈迦岳登山口近くで咲いていたのはゲンノショウコのようだった。


こちらは下向きに咲くやや大きなアザミ。





茎の高さは1mほどあった。テマリフジアザミかもしれないと思ったが、どうやら違うようだった。

ここでも殉職者の慰霊堂の前を通った。


昨年まで通行止めとなっていた原因の、鉄砲水が起きた場所を通った。重機が倒れていて、それを起こす作業を行っていた。
工事用の重機の多くはリモコンで操作されていて、運転手が乗っていないことが多いらしい。
 

14時13分に白山禅定道と合流し、そこからはまたしばらく登山道を歩いた。
 

そして14時35分に前日通った白山禅定道登山口に戻ってきた。市ノ瀬ビジターセンターの駐車場には14時48分に帰着した。計画より1時間38分の遅れであった。
 

無事に歩き通すことができて感謝している。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

秋の白山ハイキング(御前峰・大汝峰・白山釈迦岳 周回)(完)

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
白山 (takan32)
2023-09-21 07:02:17
shuさんへ、アサギマダラが見られてよかったですね。10月になったら、関西の平野部でも見られるようになります。
アザミ類は日本に150種以上あるそうです。見ただけで、全部、見分けられる人はほとんどいないでしょうね。
登山道やハイキングコースは、台風や大雨、強風で全国的に通行止め、工事中となっているところが増えてきたと思います。山梨県に行ったら、あちこち通行止めになっていました。これから、ますます増えていきそうです。
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おはようございます^^ (attsu1)
2023-09-21 07:19:29
オヤマリンドウ
リンドウが群生で咲き、ハイキングを楽しませてくれています。
実、花、こんなにたくさんあると、カメラ大活躍ですね^^

アカモノ
数年前、八海山のケーブルカーに乗り、
少しハイキングをした時に見たのを思い出しました^^

タテヤマウツボグサ
まさにウツボの顔のようですが、綺麗な紫で、
素敵な花にしてくれていますね

アサギマダラ
今まで数回ぐらいしか見たことないんですが、
こうして皆さんに見せていただき、
楽しませていただいています

ギンリョウソウモドキ
アキノギンリョウソウのほうが、いい名前ですよね^^;
秋のギンリョウソウがあるんだと、
へぇぇぇと勉強になりました^^
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おはようございます (さざんか)
2023-09-21 10:21:32
今回も色んな実やお花が観られましたね。
赤い実はナナカマドだけ分かりました。
ずっと下りと書いておられましたが、白山釈迦岳へは登られたのですね。
笹にしがみつきながらとは、急な登りだったようですね。
アサギマダラに出会え良かったです。
お写真、とても綺麗です。
ツリフネソウも綺麗。
鉄砲水が起きた場所で倒れた重機を起こしていたそうですが、重機はリモコンで操作とのこと。
先日東京駅付近で鉄骨が落ちる事故がありましたね。
怖いです。
無事に登山口まで下りて来られましたね。
お怪我が無くて安心しました。
美しい高山植物を沢山見せて頂きありがとうございました。
お写真の整理が大変だったことでしょう。
お疲れ様でした。
帰りには又温泉に寄られたのでしょうか。
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Unknown (山歩き)
2023-09-21 15:54:13
shuさんこんにちは。長編のブログも完結しました。その①で総歩行距離は25キロを越えるだろうとありました。失礼ながらパンフレットで確認してみました。
別当出合~黒ボコ岩~室堂が6.0キロ、室堂~七倉の辻~市ノ瀬が14.9キロ これに市ノ瀬~別当出合の車道が6.0キロとすると26.9キロとなりました。そして累積標高差2400m、これをハイキングと仰るshuさんは健脚者です。
私は別当出合から室堂往復の12キロにお池めぐりを足した分で半分です。
たくさんのお花も良かったですし、展望も素晴らしかったです。
他の人はあまり見ない鞍掛山、見事に鞍ですね。蝶は「頭」と数えるのですね。
ありがとうございます。
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takan32さん こんにちは (shu)
2023-09-21 16:00:49
コメントありがとうございます。
アザミには種類が多くて、ここまで細かく分類しなくてもいいのではと思ったりします。
同定する際、参考にしている資料の一つが、『国立科学博物館植物研究部 日本のアザミ』です。
https://www.kahaku.go.jp/research/db/botany/azami/index.html
ここに写真を提供されている宮誠而さんは、著名な植物写真家で、私の高校の先輩に当たる方です。

林道の通行止めは日常茶飯事ですね。登山道の通行止めもよくあります。
入山する際は事前情報をしかり取って行かないと、大変な目に遭いますね。
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attsu1さん こんにちは (shu)
2023-09-21 16:08:03
コメントありがとうございます。
植物の名前を間違えることがよくあります。オヤマリンドウも若干自信がありません。
アカモノ、タテヤマウツボグサは、大丈夫だと思います。
ギンリョウソウモドキも、若干自信がありません。
賞味期限が過ぎたような花でしたが、黒く見えるのは種子かもしれません。
不思議な植物がたくさんありますね。

アサギマダラはこれから南下、西進するので、いるとことへ行けば会えると思いますよ。
毎年ご自宅の庭にアサギマダラが来るお宅もあり、素敵だと思います。
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さざんかさん こんにちは (shu)
2023-09-21 16:34:53
コメントありがとうございます。
用事が重なり、ブログのアップが1日遅れました。写真の整理と植物の名前を確認するのにも時間がかかりました。
花が咲いていればまだ分かりますが、果実になると資料も少なくて困ることが多いです。
花の時期を観ていると、花が終わっても分かることが多いですね。
今回はミヤマシキミを下山時にも撮っていたのですが、載せ忘れました。
林道の工事現場にたくさん人が集まっていて驚きました。こういう事故は日常的にあるのでしょうね。
工事車両がリモコンで動くのは、人身事故防止の点からいっても素晴しいことだと思います。
コンピュータが搭載されていて、一度走った道は同じように寸分違わず走れるそうです。

白山周辺には安くて良い温泉がたくさんあります。最近は毎回行くところが違います。
泉質はどこも似ているように思いますが、海岸近くまで行くと塩泉になります。
白山市内の温泉だけでも、岩間温泉、中宮温泉、一里の温泉、白山温泉、白峰温泉、比咩の湯温泉、白山里温泉、千丈温泉、美川温泉、松任海浜温泉などがあります。
この他、実家の周辺には粟津温泉、山代温泉、山中温泉、片山津温泉もありますし、温泉には事欠きません。
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山歩きさん こんにちは (shu)
2023-09-21 16:41:08
コメントありがとうございます。
地図を元に歩いた距離を調べていただいたのですね。ありがとうございました。
今回は気持ちよく歩けました。危ないところは道が1ヶ所崩落していて、高巻きしたところだけでした。そこも固定ロープがありましたので、それほど危なくはなかったです。
また水場も健在でした。もう1ヶ所の水場については表示がありましたが、水が出ているかの確認はしませんでした。
林道に面した「釈迦岳登山口」付近にも水場があり、たくさん水が流れていました。

鞍掛山は山歩きさんにも馴染みのある名前ですね。
全国に鞍掛山や鞍懸山が20ほどあるそうです。
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やっぱりリンドウ! (なつみかん)
2023-09-21 19:34:45
shuさん、こんばんは。
アサギマダラが見られてよかったですね!

今日見せていただいた花と実の中では、やはりオヤマリンドウがいいですね~
伊吹山でも見られるかと思ったのですが、一輪咲いていただけでした。
株もあまり見つけられなかったので、こちらもシカに食べられてしまったのかもしれません。

あと、赤い実が色々ありましたね~
ガマズミやミズキの仲間はとても難しいです。
楽しそうな山歩き、見ている方も楽しませていただきました!
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なつみかんさん こんにちは (shu)
2023-09-21 20:20:30
コメントありがとうございます。
植物園と違い、樹名板がありませんからね。おっしゃる通りガマズミやミズキの仲間は難しいですね。
百名山級の山でも樹名板がついていることがあります。天城山では見たように記憶しています。
伊吹山はどうだったでしょうかね。

伊吹山にもオヤマリンドウがあるのですか。知りませんでした。
標高が1377mしかない割に、植生が豊かですね。
先日登られたそうですから、近日公開ですね。楽しみにしています。
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