今朝の「しんぶん赤旗」に、新潟県聖篭(せいろう)町の子育て支援の取り組みが紹介されていました。
この町では、3~5歳児の保育料が無料。
中学校卒業まで、医療費を助成。
「すこやか子育て誕生祝金」として、第3子まで5万円、4子以降は10万円を支給し、「すこやか子育て支援金」として、第4子以降で就学前まで月5千円を支給。
「へえ~、いいなあ!」と思わず口にしましたが、子育て世代に、ずいぶんと喜ばれているそうです。そして人口も増えているそうです。
聖篭町は、1万4千人ほどの町。
小さな町ですが、町内にある工業団地による税収が大きくて、地方交付税の不交付団体になっていて、財政的には一定の「ゆとり」がある条件はあります。
こんな事を言うと、町長はすぐに、こんな風に言うでしょう。
「財政事情が違う。だからできる話だ」と。
確かに、何をするにも財政は大事です。それは否定しません。
でも、それだけでしょうか。「お金があれば」やるのでしょうか?
聖篭町の渡邊廣吉町長は、次のように言われていました。
「福祉や教育は金があるからやるのではなく、金がなくてもやる気があればできます。いかに優先づけてやるかです」と。
確かにそうです。福祉や教育は、人間が生きていく上で欠かせない事だし、お金のある無しで考える問題ではなくて、優先的にやるべき事なんですね。そういう意味での「やる気」があるかどうかは、とても大きな事だと、あらためて思いました。
和束の行政には、残念ながら、その「やる気」が乏しいのです。
この前も書きましたが、昨年度の状況を見ても、和束の人口は100人近く減少しているし、赤ちゃんも20人しか生まれていない。こんな傾向がこの間ずっと続いている。これは町の将来を考えても、大変危機的な状況です。この現状をどう打開するかは、和束にとって優先的な問題であることは明確です。
でも・・・町の受けとめは、その割には危機感が感じられません。
先日の決算委員会で、「赤ちゃんが年間20人しか生まれなかった、この結果をどう考えているか」と福祉課長に質問しましたが、課長は「少子化は全国的な傾向ですから・・・」と、別に和束だけの問題ではないし、全国的に少子化だから、と、ずいぶん「冷静」な答弁をされました。
ここに、町の子育て支援に対する姿勢が表れていると思いました。
何とか少しでも充実させて、子どもを産み、育てやすい町にして、1人でも多くの赤ちゃんが生まれる町に、との意気込みも意欲も感じられません。
そして口にするのは決まって、「お金がないから町としては何もできない」
本当にそうなのか?と思ったのが、昨年度の決算での学童保育予算の中身です。
当初予算での学童保育の予算は、350万9000円のうち
府補助金 75万4000円
利用者協力金 180万円
町負担 95万5000円 となっていました。
ところが、最終決算では、決算額329万2684円のうち
府補助金 84万2000円
利用者協力金 210万5000円
町負担 34万5684円 となっていました。
町の負担分だけ、当初予算から60万以上も減額していたのです。
課長は「利用者が増えたから」と言いましたが、要は、利用者が増えて協力金が多くなった分、町はさっさと予算の3分の2を引き揚げてしまったわけです。
60万というお金があれば、協力金を月2000円ほど引き下げられるのです。
おやつも、どんな厳しい状況で現場の先生が苦労されているか。
そんな事、さらさら考えもしていないのです。協力金の入金が増えたから、その分、町の出し分が減らせて助かったくらいにしか考えていないのでしょう。
一般会計での5600万円の黒字は、そういう事をやった結果としてなんですね。
「お金がない」からではないのです。お金がたとえあっても、何が大事で、何を優先させるかの観点がなければ、心底、子育て支援の充実が大事だとの気持ちがないかぎりは、何もしないという事です。
新潟県聖篭町の記事を読んで、「やる気」の大切さを、あらためて実感しました。
おっしゃる通り、ひどい状況ですが、それら一つ一つを粘り強く取り上げながら、住民のみなさんとも協力しながら、少しでも良い方向に変えていきたいですね。それと、やはり国の政治を本当に変えていかないといけないですね。