学校給食に使用されている食材の産地はどこなのか。
子どもたちが学校で、毎日食べているものですし、本来は、とても大事な情報だと思います。
でも、実際は、学校からも、そんな情報は今までいっさい知らせてもらっていないので、どこで誰の手で作られた食材なのか、子どもも、保護者もまったく知らないというのが現実です。
これって、実は、とてもおかしなことだと思うんですね。
最近は、私たちがスーパーなどのお店で買う場合でも、だいたいは「〇〇産」「△△産」とかわかるようになってますし、もっと進んだところでは、生産者も明記されていますよね。
ましてや、3・11の原発事故で、放射能汚染が広がって、食品の放射線基準が見直されたりもしている中では、ますます大事なことだと思います。
それもあって、これまでも、何度となく、使用食材の産地表示を行うよう、教育委員会に要望してきたんですが、実は、ようやく7月の献立分から、産地情報を知らせる取り組みが始まったんです。
和束の献立表では、右下の方に書いてあります。
↓ こんな風に
これまで、まったく知らせていなかった事から考えれば、明らかな前進ではあるんですが、開示されたのは、たった6品目。
「なに、これ?」
というのが、正直な感想で、さっそく教育委員会に電話しました。
全品目を産地表示しないと、意味がないではないか、
なぜ、これだけしか情報を開示しないのか、何か基準でもあるのか・・・・
教育委員会は、あくまで「主なもの」であることや、何を開示するかは、現場で判断していると答えました。
いくら「主なもの」といっても、たった6品目では、お話にならないので、次回からは全品目を開示するように要望しました。
教育委員会は、検討するとは言われましたが、どうなるかはまだ不明です。
これではあまりに中途半端なので、給食センターにお願いして、全品目の産地表示の資料をいただきました。
↓ それが、これです。
7月の給食に使用する予定のもので、変更もあるそうですが、この表で見ると、43品目あります。
いくら「主なもの」といっても、6品目だけでは、情報開示には値しない事は明らかです。
この取り組みは、連合教育委員会としての取り組みなので、笠置町、南山城村でも実施されました。
参考に、笠置小、南山城村給食センターの献立表を取り寄せて、比較してみました。
↓ 南山城です。和束と同様、開示品目は少ないです。
↓ 笠置です。笠置は、積極的に開示していると思います。全部ではないかもしれませんが。
同じ教育委員会内の取り組みで、これだけ差が生まれるのは、ある意味で興味深いものがありましたね。
それぞれの町村の産地表示に対する意識の差が出ているようにも思いますが、やはり、基本的に実施するのであれば、3町村で全品目を開示すべきですし、引き続き要望していきたいと思います。
それにしても、産地表示を見ていて思うんですが、和束の給食では、地元の農産物が全然使用されていないですね。
これは7月だけの分なので、全体的な事は言えませんが、これまでも何度か、給食の「地産地消」の状況を確認した事がありますが、和束では残念ながら地元ものはほとんど使用できていません。以前、いただいた資料でも、和束産どころか、山城さ産さえ使用していないのが実態でした。表を見ていると、外国産のものもそれなりに使用されているのがわかります。
一方で、南山城村では、この間、地元産の野菜やコメなどの使用を増やしておられます。
今回の産地表示では少ない品目ではありましたが、その中であげられていた、たまねぎ、にんじん、じゃがいも、きゅうりは、南山城産のものも使用されています。コメも、「地元産給食の日」には地元産を使い、月に1回設けられている「まるごと京都の日」は、一部を除いて、すべて京都産で作っているそうです。
同じ農山村の条件でありながら、和束での地産地消の取り組みは、大きく遅れをとっています。
2年前に、和束では月600円もの大幅な値上げが行われ、南山城、笠置と比べて、高額な負担になりました。
しかし、だからといって、給食の内容が豊かになったかと言われると、がんばっていただいていることはわかりますが、なかなかそうは言えない状況があります。
安心・安全は、最低限大事な事ですが、いま求められている給食のあり方には、まだ距離があるような気がします。
先日、新聞でも報道されていましたが、この間、町では、商工会農家と協力して、地産地消を推進する組織を立ち上げ、学校や保育園などでの地元産農産物の使用を増やそうとの計画を持ち、促進しようとの動きもあります。
ぜひ、取り組みに注目して、小学校の保護者の1人としても、より豊かな給食へ声をあげていきたいですね。
近隣の自治体では、独自に食材の放射線量を計測し、数値を公表しているところもあり、まだ収束のメドもない原発事故を踏まえての取り組みも必要になっていると感じます。
原発事故の影響拡大や、TPP参加の動きなど、食の安全がこれまで以上に鋭く問われています。
子どもたちが毎日食べ、楽しみにしている給食を、より豊かにしていくために、力を合わせたいですね。
給食について、ご意見やご質問などありましたら、ぜひお知らせくださいね。