こんにちは 岡本しょういです

京都の南部、和束町で日本共産党の町会議員をしています。町や議会などの情報をお知らせしています。

どうせ改修するなら

2010-10-26 13:14:01 | 議会報告&議員活動

昨日は、少し冷たい雨でした。
昨日の午後は広報委員会で、夕方まで役場3階の議会委員会室で、11月発行予定の議会だよりの編集。
議会だよりの記事の中で、補正予算審議で私が取り上げた質問がありました。
内容は、役場入口付近から福祉センターへとつながるタイル敷きの通路が、昨日のような雨の日にはすべりやすく危ないので、改善してほしいという事でした。補正予算で、役場入口付近の通路の一部がひび割れたり、段差ができている箇所があるのを改修する予算があり、そこを改修するなら、福祉センターにつながる通路も改修してほしいという質問でした。

その箇所というのは、以下のようなところで・・・





実際、昨日みたいな雨の日は、本当に滑りやすくて、けっこう危ないんですよね。
福祉センターを利用される方は、お年寄りだったり、赤ちゃんを抱いたお母さんだったり、いろいろです。
ちょっと、そのへんのところを配慮してもらえたら、との思いで質問してみたんですが。
町の答弁は、全面改修は予定していないから、改修する箇所については滑りにくいものにしたいが、他の箇所は今回はできないとの事でした。
それなりに予算もかかるだろうから、今回は無理にしても、ぜひ今後は検討してほしいですね。

というか、どうせそこを触るんであれば、ここも改修すれば合理的だと思うんです。
そういう不合理と言うか、二度手間というか、そんなところ、行政の事業にはつきものです。

福祉センターの改修も、この間行われたんですが、同じ事が言える部分がありますね。
改修によって、たとえば、各部屋の壁紙が貼りかえられて、明るい感じになりましたし、1階の和室の窓に網戸がつけられました。2階のホール等のドアも引き戸に替えられたり、湯沸かしのスペースもきれいになったり、トイレの便器も新しいのに取り替えられて、小さな子どもも、ちょっと頑張ればおしっこできるようにもなりました。
子育てサロンとかで、年間を通じて利用させてもらっているので、この間の改修は、とてもありがたい事だし、ずっと要望してきた事でもありました。

ただ、中途半端な面が、ちょっと気になります。
2階のホールの入口を引き戸にしたのは良いとしても、段差はそのまま残されています。
以前も書きましたが、トイレも、きれいになったのは良いですが、男女共用のままで、トイレに入ると男性用便器が丸見えという状態も、少しだけ改善されたとはいえ、全然変わってないし。

どうせ改修するなら、中途半端にせずに、と思ってしまいます。

こういう事がけっこう目立つのは、現場の意向が十分に反映していないからではないかなと。
福祉センターの改修にしても、実際にセンターを管理している社協の方や、利用者の声をもう少し把握すれば、合理的な改修ができたのではないだろうかと。

特に、ここ1~2年、「経済対策」の名のもとに、国から地方にけっこう多額の交付金が支出されてきて、その「恩恵」で、この間できなかった事業や改修などが行われました。それは別に悪い事ではありませんが、せっかくの予算を、有効に使うためには、現場の声や実態をしっかり踏まえたものにすることが大事になってきます。そのためにも、議員、議会の役割は大事と、あらためて思いますね。

 


子育てサロンで「クッキング&ランチ」

2010-10-22 15:48:26 | 子育て安心の町に

昨日、子育てサロンの恒例企画で「クッキング&ランチ」をしました。
栄養士の方を講師に、子育てに忙しいお母さんでも、手軽に調理できて、栄養も満点のメニューを試せることもあって、なかなかの人気企画なんです。
今年も、11人のお母さんがチャレンジしてくれました。

今年のテーマは「子どものおやつは、小さなご飯です」で、軽いご飯としても、おやつとしても食べられるメニューを4品作りました。
子どものおやつと言うと、お菓子になりがちで、小さな頃からスナック菓子に慣れてしまってたり・・・
でも、子どもにとって、おやつって、結構大事な「食事」なんですよね。
お菓子ではなくて、おにぎりなんかが良いみたいですが、実際はおやつ=お菓子になりがちですよね。

お菓子が悪いという事でなく、もう少し、おやつの中身を見直して、こんなのもいかが?って感じで、栄養士さんにも考えていただきました。
・・・と言う事で、今回のメニューを紹介します!

↓まずは、コーンパンケーキ(右)&じゃがいも餅(左)です。



☆コーンパンケーキ(1人分)
材料=小麦粉15g ベーキングパウダー1g クリームコーン20g パセリ1g(みじん切り)
     ロースハム5g(細かく刻む) 水10g サラダ油適量 トマトケチャップ適量
作り方 ①小麦粉+ベーキングパウダーをふるう
     ②クリームコーンにパセリとハムを混ぜる
     ③①に②を混ぜ、水で固さを調整
     ④熱したフライパンに油をひき、③を流し両面を焼く
     ⑤焼きあがったら、お好みでケチャップをつける

☆じゃがいも餅(1人分)
材料=じゃがいも50g 片栗粉8g サラダ油2g(バターも可) 醤油2g 砂糖1g
作り方 ①じゃがいもは、皮をむき、適当な大きさに切って湯がく(電子レンジでも可)
     ②じゃがいもが茹で上がったら、ざるにとり、熱いうちに片栗粉を混ぜ、よくこねて成型する
     ③②をフライパンで両面を色よく焼く
     ④焼きあがったら、醤油砂糖をぬる 

↓次は、白玉団子入り豚汁です。

☆白玉団子入り豚汁(1人分)
材料=大根20g 人参10g キャベツ10g 青ネギ5g だし汁150g 白玉粉15g
     油揚げ10g 豚肉10g サラダ油1g 醤油1.5g 味噌8g 水適量
作り方 ①お出しをとる(こんぶとかつおで)
     ②大根、人参はイチョウ切りに。
     ③キャベツは洗って1枚ずつはずして、ざく切りに。
     ④青ネギは小口切りに。
     ⑤油揚げは、油抜きし、短冊切りに。
     ⑥豚肉も1㎝ぐらいに切る
     ⑦鍋に油をひき、⑥を炒め、だし汁と大根、人参を入れる
     ⑧⑦が柔らかくなったら、キャベツ、油揚げを入れる
     ⑨白玉粉に水を入れ、耳たぶくらいの固さにし、小さな団子状にして⑧にそのまま入れる
     ⑩仕上げにネギと白玉団子を入れる

↓最後は、フルーツくずゼリーです。

☆フルーツくずゼリー(1人分)
材料=リンゴジュース100% 50cc くず5g 果物(バナナ・りんご・缶みかん)各20g
作り方 ①くずとりんごジュースをよく混ぜておく
     ②①を弱火にかけ、とろみがつくまで焦げ付かないようによく混ぜる
     ③②が出来たら、荒熱をとる
     ④果物を食べやすい大きさに切り、器に盛り付けて③をかけて冷やす

↓全体の写真です

どれも、なかなか、おいしかったですよ。
参加者の声で、特に人気だったのは、じゃがいも餅で、確かに、おやつとして子どもにも好かれそう。
みなさんも、ぜひお試しくださいね。

この企画は、あくまでお母さんたちのための企画なので、私たちスタッフは、残された子どもたちとともに、「素敵な時間」をすごしました?!
お母さんたちが調理室に行ってしまったお部屋では、ママを呼ぶ子どもたちの泣き声、叫び声の中、なんとかかんとか・・・。
私が「担当」した1歳の女の子は、さんざん泣いて、泣いて、そのうちあきらめたというか、力尽きたように、こてっと眠ってしまいました。ごめんね。
でも、起きた後は、お母さんがいなくても、元気に遊んでたので、良かったです。

何とか、今年も乗り切ったーーーって感じで、ホッとしました。


「過疎計画」の推進は住民主役でこそ

2010-10-19 09:54:14 | 小さくても輝く和束町に!

朝夕の冷え込みが徐々にすすんで、秋らしくはなってきましたが、寒暖の差が激しくて体調の維持が難しいですね。私もこの1週間ほど風邪気味で調子はいま一つ、早く治したいところです。

昨日の「京都新聞」に、「過疎の町どう活性化、和束・自立促進計画決まる」という記事が載りました。
和束町は、この間の急激な少子化とともに、若者の流出、人口減が進み、ついに今年度、国から過疎地域の指定を受けました。

和束での人口減少傾向は、この10年間で急速に進みました。
特に、JRバスの撤退がその大きなきっかけになったように思います。
子どもの生まれる数も、この間大幅に減少し、2005年から2009年までの5年間で、出生数が20人を割った年が3回もありました。
9月議会で2009年度の決算審議がありましたが、09年度における人口動態(出生、死亡、転入、転出を差し引いた数)は、マイナス129人と、この間では大きなマイナスを記録しています。

そういう状況の中で、和束町が過疎地域に指定をされて、今年度から6年間、過疎法に基づく支援を受けられるようになったわけです。
その具体的な中身を決めたのが、「和束町過疎地域自立促進計画」で、9月議会に提案され、承認されました。

具体的な事業名や予算額などの一覧が計画に掲載されているのですが、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、その表を下記に紹介します。


この一覧表を見ると、新聞報道にもありましたが、過疎計画に基づく、総事業費は約37億8000万円で、そのうち過疎債が占める予算は約17億2000万円となっています。

過疎支援の中で、「目玉」と言われるのが「過疎債」です。
借金には変わりないのですが、7割が国負担で、「有利」な借金と言われているものです。
これまでは、「箱もの」と言われがちな施設や、道路整備など「ハード」面に使われるケースがほとんどだったのですが、今回からは観光とか福祉とかの「ソフト」面での活用も認められました。

和束の計画における「過疎債」の使途の割合は以下のような感じです。

教育 5540万円(3.2%) 中学校校舎耐震化
公共施設耐震化 1億円(5.8%) 診療所、福祉センター、保育所など
すこやかエンジェル基金 3000万円(1.7%)子どもの医療費無料化
国保診療所改築 1億5000万円(8.7%)
公営住宅整備 3850万円(2.2%)
防災無線整備 4億2820万円(24.8%)
下水道整備 5110万円(2.96%)
簡易水道整備 6000万円(3.5%)
バス路線維持 4140万円(2.4%)
光ファイバー整備 4億8000万円(28%)
橋改修 1億1740万円(6.8%)老朽化した橋梁改修
観光振興 1億4610万円(8.5%)
地場産業振興 300万円(0.18%)
農業基盤整備 2560万円(1.5%)

防災無線と光ファイバー整備で、約半分を占めていますが、この事業は最終年度の2015年度まで見越した事業になりそうです。
防災無線は、今後、整備に向けた調査等を実施した上での事業であることや、光ファイバーについては、民間会社の整備を最後まで見極めての実施になりそうです。どちらも本来は整備が急がれるものですが、過疎債はいくら「有利」とはいえ、借金であることに変わりない事から、慎重な扱いになっているようです。

私は、9月議会の審議で、特に防災無線の整備は急がれるという観点で質問しました。
というのも、来年7月に迫った地デジへの移行にともない、町営放送も終了する見込みであることからです。
町営放送は、有線という限界はありつつ、町における災害情報などを周知・広報する重要な役割を担っています。しかし地デジに対応できない事から、町は放送の終了を予定しているんです。そうなると、ローカルな情報がなかなか入りにくい状況になる事から、最低でも防災無線の整備が望まれます。
本来なら、町営放送の終了と同時に、防災無線がスタートできるように整備するのが必要ではないか、と早急に整備を行うよう求めたわけです。
必要な調査など、簡単なものではないのはわからないわけではありませんが、災害が多発している昨今、いつ災害が襲うかわからないだけに、無線整備までの万全な対策が求められるところです。

「大口」である2つの事業の他で、目立つのが「観光振興」関係です。
新聞記事でも、その関係の事が大きく取り上げられていました。
観光振興関係の事業で予算が大きい順にあげてみると・・・
・観光ルート、文化財周辺整備 5000万円
・観光案内施設設置 3500万円
・農家民宿開設事業 1360万円
・和束フィールドクリニック構想 1000万円
・天空茶カフェモニュメント設置 1000万円

などがあります。この他にも、空家調査や観光ガイド養成なども予定されています。
町は、この間、グリンティ和束に設置してきた和束茶カフェを中心とした「観光振興」の取り組みを、過疎事業をテコにして、さらに充実させたいねらいがあるようです。
観光の振興については、以前、私も一般質問で取り上げるなど、抜本的な取り組みの強化を要望してきましたし、過疎事業を力に、さらに発展してほしいと願っています。
ただ、そのためには、新聞記事でも触れられていましたが、観光振興も含め、過疎計画のとりくみを、どれだけ住民自身のとりくみとして発展させていけるかにかかっていると思います。
新聞記事の中で町長が「各事業を進めるためには住民の協力が不可欠。課題を整理し、理解を求めていきたい」と述べた事が紹介されていましたが、そこが一番弱いところだと言えます。

過疎計画の「基本方針」にも、まちづくりを「住民と行政が一体となって築くことを基本とする」との文言があります。しかしこの計画が住民の声をくみ上げて作られたとは言えません。実際、計画の中身自身が、住民に公開されないまま議会に提案され、今なお住民に公表されていません。
私は議会審議の中で、「計画の中身が住民に公表されておらず、住民の意見をくみ上げるとりくみがなされていない。パブリックコメント(計画を公表し、事前に意見を募集すること)などは出来たはずであり、出発点から住民不在」と指摘し、今後、計画の内容を住民に伝え、意見を反映させ、共通認識にしていく作業が必要だとして、情報公開や地域懇談会開催などを具体的に提起しました。
町は、時間的な制限を理由に公表や意見募集ができなかったと答えましたが、計画案は7月にはできており、その気があれば十分できた事は明白です。

「住民の協力が不可欠」というなら、計画をつくる段階から住民参加を保障し、内容を周知・広報する事が前提ではないかと思います。

私は、9月議会の審議の中で、それらの点を指摘するとともに、次のような意見を出しました。

・観光振興は大事ではあるが、その土台である農業、茶業そのものの振興に対するとりくみが弱いのではないか。担い手、後継者対策など、農茶業そのものへの支援こそ強化すべきではないか。
・「天空茶カフェモニュメント」なるものに1000万円もかけるのはいかがか。見直すべきでは。
・公共交通の充実と言う点で、現行路線維持がメインとなっているのはどうか。コミュニティバス実現の好機であり、その点での道筋こそつけるべき。
・特に若者定住促進を目的とした公営住宅の整備を。
・子育て支援と言う点で、子どもの医療費無料化の拡充は前進だが、他に、ゼロ歳児保育の実施も触れられているが実施時期は。(→次世代育成計画の期間内でと答弁)

他にもいろいろと聞きたかったのですが、質問時間が短く、十分聞けませんでした。
今回承認された計画は、様々な状況を考えつつ、変更もありうるとの事ですので、それだけに、一刻も早く住民に中身を知らせ、住民の知恵を出し合い、さらに良いものにしていく事が今後大事だと思います。

議会でも指摘しましたが、この計画が「自立を促進するための計画」である点が大切です。
単にこれまで出来なかった事を補うのではなく、1つ1つの事業が、過疎傾向をとめ、まちづくりを進める力になる事が求められています。
そのためにも、「住民の協力」というよりも、「住民が主人公」となった取り組みへの発展が求められているように感じます。


「御巣鷹山と生きる」を読んで

2010-10-13 22:45:51 | 命とくらし守る政治を
先日、和束町図書室でお借りした「御巣鷹山と生きる~日航機墜落事故遺族の25年」という本を読み終えました。著者は、事故で9才の子どもさんを亡くされた、美谷島邦子さん。「8・12連絡会」の事務局長をされています。

日航機墜落事故が起きたのが、1985年8月12日。
私が高校3年生の時で、ちょうどあの年は、阪神タイガースが21年ぶりだったかの優勝をした年で、その阪神の球団社長も犠牲になられた事故でした。524名中、4人が救出され、当時12歳だった女の子がヘリで救出される場面も鮮明に憶えています。

事故が発生した直後、米軍機がいち早く発見していたらしいのですが、何故か救助にも行かずに基地に帰還したという話を聞いて、ずいぶん疑問に感じたものでした。

美谷島さんの息子さん、健ちゃんは9才、小学3年生でした。ちょうど、じゅんと同じ年齢です。
夏休みに、大阪の親戚宅に行くのに、はじめて利用した飛行機が事故機・・JAL123便でした。
「ちびっこVIP」という子どもの1人旅をサポートするサービスを利用して、健ちゃんは、お母さんである邦子さんの見送りをうけて1人で搭乗し、事故に遭いました。
お父さんもお母さんもいない状況で、ダッチロールを繰り返し、墜落していく機内で、健ちゃんはどんな思いだっただろう。怖かっただろう。お父さんお母さんに会いたかっただろう。
本の中で、健ちゃんとの別れがせつせつと書かれていますが、本当に酷い事故です。

この本では、事故の全容をあらためて示すとともに、遺族が結集して作られた「8・12連絡会」の事務局長として歩んでこられた25年の足跡を記しておられます。特に、「なぜ、あのような悲惨な事故が起こったのか」を明らかにさせたい、そして「2度とあのような事故を起こさせない」との切実な思いが語られています。

この本を読んで、あらためて感じたのは、企業、特に大企業の社会的責任の重さという事でした。
日航機事故の原因は、直接的には、機体後部の圧力隔壁の破壊と言われ、その部分の修理ミスが有力として言われていますが、まだ謎が多く、真相が解明されているとは言えない状況があります。
ただ、事故の背景には、乗客の命や安全よりも、儲け・利益が優先された企業運営が根本にある事はまちがいありません。利潤追求が優先される中で、労働者の権利や環境が脅かされ、当然すべき安全のための点検や修理などがおろそかになる、その延長線上の中で痛ましい事故が起こっています。

企業は、利潤追求、儲ける事を目的にして活動するもので、それ自身が悪いわけではないと思います。
ただ、「儲かりさえすれば」という論理だけが追求されると、儲けのために、命も安全も脅かされる、最悪の場合、あのような事故が発生する事にもつながっていきます。

だからこそ、企業には社会的な責任が問われるし、何かあった場合に影響が大きい、大企業ほどその責任は大きいと思うんです。
企業がその事を自覚して、自主的に責任を果たす事が望まれますが、儲けをめぐって熾烈な競争を繰り広げている企業まかせでは、やはり無理がある事から、結局大事なのが政治の力になってきます。政治によって、企業に責任を果たさせるルールをつくり、それを守らせる、その事がちゃんとできてこそ国民の命や安全を守る力が働くし、逆に弱ければ、事故などが多発し、命や安全が脅かされることになります。

この間、チリの鉱山での「脱出劇」が世界中で大きな感動を呼んでいます。
何はともあれ、33人の方が、無事に救出され、家族のもとに帰還できた事は、本当によかったと思いますし、人間の持つ力の偉大さを、あらためて教えてくれたとも思います。
でも一番大事なのは、なぜ、こんな事故が起きたのか、なぜ33人は、2カ月以上もの間、鉱山の底で閉じ込められなければならなかったか、ではないでしょうか。
報道でもありましたが、あの鉱山には、脱出口も避難階段もなく、2007年に爆発事故があり、一時閉山しています。しかし何の安全対策も施されないまま、08年に再開され、今回の事故となりました。
あの感動の裏には、儲けを優先し、鉱山労働者の命・安全を軽視した鉱山の姿勢と、それを放置していたチリ政府の姿勢があったと言えます。
マスコミでは、救出の感動ばかりが強調されている向きがありますが、あの33人がなぜあんな目にあったのかこそが教訓にしなければいけないと思います。

美谷島さんが事務局長を務める「8・12連絡会」の25年間の活動は、まさにそこに焦点をあてた粘り強い活動だと感じました。連絡会は、大切な家族を突然の事故で失った遺族がつながり合い、支え合う組織であると同時に、事故の原因を究明し、二度とあのような悲惨な事故を繰り返させないために活動する事を大きな目的とされました。あの事故を遺族だけの問題にしない、誰もが関係する社会的な問題として位置づけ、他の事故の遺族とも手をつなぎ、悲惨な事故を起こさせない社会をつくるために尽力されています。事故を起こした日航の社員の安全教育にも関わるなど、事故を忘れようとする日航の姿勢をただす役割も果たしておられるんです。25年前の事故以来、日航は大きな事故は起こしていないらしいですが、連絡会の存在と活動が、強力な抑止力となっている事は間違いないと感じました。

儲け優先で、命や安全を軽視する企業活動をあらためさせ、社会的責任を果たさせる・・・
この事は、重大な事故を防止するためだけでなく、私たちの日々の生活を守る上でも、今こそ必要ではないか、と思います。大企業の都合で職を奪われ路頭に放り出される労働者、大企業が減税される一方で、増税が押し付けられ日々のくらしに困る庶民・・・事故とは形は違っても、同じ土壌から生まれている問題だと私は思いますし、庶民の命、くらしが軽視され脅かされる政治の中にこそ、悲惨な事故を生む危険性が広がっていると思います。

今も続く「同和」補助金&「同和」研修

2010-10-12 10:39:13 | 議会報告&議員活動

この3連休、どうお過ごしでしたか?
我が家は、土曜日は、3年生の学年行事、日、月は運動公園で草サッカー・草野球と、スポーツの秋にふさわしく?けっこう身体を動かしてました。学年行事では、「しっぽ取り」とドッジボールをしたんですが、特にしっぽ取りには参りました。追いかけまわしているうちに、足ががくがくしてきて、運動不足を実感してしまいました。

さて本題ですが。
9月議会の決算審議の中で、同和行政について少し質問しました。
同和行政は、和束町のまちづくりの中で大きな課題の1つでしたが、2001年度に、特別措置法の激変緩和期間が終わり、「完全終結」した事をうけて、事業の数も予算的にも、かなり縮小されてきました。
この間も、例えば、「解放新聞」の「公費による大量買い取り」をやめさせたりしてきました。「解放新聞」は、解放同盟の機関紙ですが、役場等の行政施設の中で、よく見かけ、職員さんが各自で購読されているのかと思っていました。しかし実際は、人権啓発課の予算で買われていて、それがわかった当時は、18部も「まとめ買い」されていました。それを、役場等の各課に配布・回覧していたんです。
職員が個人として、どんな新聞を購読されるのは自由ですが、役場として税金で買い取る、しかも特定の団体の機関紙を全職員に回覧するというのは、明らかにやりすぎだとして、やめるように要求したんです。
他団体のは1部しか買っておらず、明らかに「特別扱い」でした。当時、担当課は「人権問題を考える記事が豊富に掲載されているので」等と正当化していましたが、資料として必要なら、コピーすれば良い事だと指摘し、その後10部に減らされ、次の年には1部のみになりました。

9月議会で質問したのは、「」研修と「」補助金についてでした。

「人権啓発費」の予算の中に、「各種研究集会負担金」というのがあります。
これは、解放同盟等が主催する集会等に職員を派遣する経費です。
2009年度決算でも、のべ21人が派遣され、19万1258円を支出していました。
派遣先は、「解放第54回全国女性集会」「解放第37回山城地区女性集会」「解放第39回京都府女性集会」「解放第43回全国集会」「解放第13回京都府保育研究集会」「解放第29回山城地区保育研究集会」「第24回人権啓発研究集会」の7か所でした。

どの集会も、解放同盟や同盟が中心になっている団体等が主催しているものです。
質問で取り上げたのは、群馬県で開催された「全国女性集会」についてですが、その資料を情報公開で取り寄せ、見てみると、こんな内容が書いてあります。

まず「集会の性格」として、以下のような事があげられています。


そして、「参加対象」は・・・

となっていて、これは、明らかに同盟の組織内部の集会であり、「研修先」とは到底言えません。
職員が、自費で自主的に参加するのは自由ですが、研修の名のもとに、税金を使って派遣するのは明らかに適切とは言えません。担当課長は「適切と考えている」と答弁しましたが、どう思われますか?

もう1つ具体的に取り上げたのは、「山城人権ネットワーク推進協議会」という団体についてです。

この団体は、2年前に、それまであった、「山城地区市町村連絡協議会」「山城人権啓発協議会」「山城地区就労促進協議会」の3団体の解散後に、3団体の統合という形で設立されたものです。
以前もそうでしたが、運営経費のほとんどを、山城地域の15市町村の分担金で賄っていて、2009年度で1000万円が分担金収入となっていて、和束は約26万円を負担しています。

これらの協議会は、解放同盟山城地協の活動費を公費で支援する事を、主な活動内容とし、長年にわたって、多額の補助金が同盟に流されてきました。多い時で、1000万円を超える額が「支援」され、特別法が完全終結した01年度では、和束町は約85万円を負担していました。
私は、特定の運動団体の活動費を税金で支援するのはおかしいとして、団体や補助金の廃止、脱退などを繰り返し要求してきたのですが、2年前にようやく「解散」となりました。

でも、これで、きれいさっぱりとやめれば良いのに、解散した団体を統合して、「人権ネット」ができました。
幅広い個人・団体を結集するとか言ってましたが、活動の実態は、やはり変わっていません。

上のような資料を取り寄せて見てみました。
その中に、「平成21年度決算報告」というのがあるんですが、「歳出」の項目に、「人権啓発・研修活動促進事業」というのがあり、450万円の予算が計上され、約360万円が支出されていました。
この事業は、構成団体が実施する「人権啓発や研修」の事業に対して費用を助成するもので、その事業の「申請一覧」というのが下の表です。

参考に、20年度の一覧も。


この表を見ると、よくわかるんですが、事業のほとんどが解放同盟地協が申請したもので、内容は集会等の参加費用や組織の活動費なんですね。21年度決算では、23事情中16事業、支出額359万7300円のうち316万6000円を占めていて、20年度よりは若干、割合は減ってますが、同盟のための事業という実態なんです。
結局、団体名を変えて、自治体の負担額は以前よりは減ってますけど、「公費で運動団体の活動費を支援する」という実態は、ぜんぜん変わっていない事が浮き彫りになりました。


また、以前は、多額の分担金を負担していながら、予算を使い切れず、多額の「不用額」を計上していたんですが、人権ネットも下のように、同じ道を歩もうとしているようです。

まだ2年しかたってないのに、「差し引き残高」、つまり「余剰金」が、もう200万円を超えています。

こんな事に、年間26万円とはいえ、支出するのは無駄としかいいようがありませんし、もったいないです。

私はいつも言っていますが、解放同盟に限らず、どんな団体であっても、自分たちの責任において自主的に活動されるのは自由ですし、それに何も文句はありません。
でも、一部の特定の団体を支援するために、税金を使うのは、やはりおかしいと思います。

特に、解放同盟との関係で言うと、この数年間の中で、同盟は、様々な不祥事が発覚し、社会的にも厳しい批判を受けていて、組織として自己批判もしています。不祥事の根本原因の1つとして、行政との不正常な関係があったと、同盟自身も認めています。

不祥事があったから、組織のすべてが悪いとか、そこで活動されている方がみんな悪いとか、そんな事は思いません。
でも、これまでの同盟との関係を根本的に見直す必要があったと思います。

その事を、議会でも質問した事がありますが、町長や行政の姿勢は、不祥事についても、何ら問題意識がなく、何があっても、これまで通りの「特別扱い」を変えようとしませんでした。
不祥事についての認識を質問した際に、当時の担当課長が、不祥事といっても、一部の問題だ、全体が悪いのではない、と答弁した事もありましたが、そんな認識なんです。

そんな事だから、いつまでも、「」研修や「」補助金が終わらないんだと思います。
町は、他にも、「解放・人権政策確立要求実行委員会」に28万円を支出し、教育委員会を通じて、同和教育推進協議会から名称を変えた「人権教育推進協議会」にも今も補助金を支出しています。

このような事業を行う必要性は、今やまったくないと思いますし、一刻も早い廃止を求めて、引き続きがんばりたいと思います。


朝ごはん当番

2010-10-11 01:46:03 | 子育て奮闘中!

前にも紹介したかもしれませんが、日曜日は、じゅんの「あさごはん当番」です。
冷蔵庫の食材とにらめっこした後、今回もがんばってくれてました。

まず味噌汁をつくるための具をまな板の上でトントン。
まずは、しいたけ。

次にさつまいも。

そして、ネギ。

切った具をお鍋に入れて、ぐつぐつ・・。

お味噌をといて・・

お次は、フライパンで刻みれんこんを炒めて

ご飯と炒めて、このあとネギとも炒めます。


炒めたご飯に、とろろ芋をかけます。


おっと、その前に、お味噌汁をお椀に注いで・・


完成で~す。


焼き飯風とろろいもご飯
これ、なかなか、にんにくとネギの風味がきいていて、おいしかったです。


さつまいもとネギとしいたけのお味噌汁。
これも、なかなかシンプルでしたが、おししかったですね。


作った本人も、満足のようでした。
また、作ってね!

おしいかったよ!今後も、またお願いしますね、


じゅんぺいしんぶん

2010-10-08 23:15:34 | 子育て奮闘中!

10月になってから、じゅんは、毎日せっせと作っています。
何を作っているかというと、新聞です。その名も、「惇平しんぶん」。たいと
こ~んな感じのものです↓



じぶんの日常の中での出来事とかを、自由に書いてるようで、最近は、お風呂上がりから寝るまでの時間を、もっぱらその作業に費やしてますね。
いつまで続くのかはわかりませんが、本人のやる気がまだ強いので、しばらく続きそうです。
9才にしては、それらしく作るもんですね。
「パパのニュースも作ってもらったら?」などと言われ始めていますが、仕事をとられないようにしないと、とまじめに考えていたりして・・・。


赤ちゃんいっぱいの子育てサロン

2010-10-07 23:59:40 | 子育て安心の町に
今日(7日)の午前中は、子育てサロンの開催日で、福祉センターに。
子育てサロン(マザーズ&キッズという名前です)は、主に、保育園に入る前の子どもたちとお母さん(もちろんお父さんも)を対象に、月2回ほど開いています。じゅんが2歳の時にスタートしたんですが、今年でもう7年目になり、1年目に参加していた子どもたちは、小学2~3年生になっています。

今日のサロンには、12組の参加がありましたが、いまサロンは赤ちゃんラッシュ?です。
昨年は、元気いっぱいの2~3歳の子が多かったんですが、この4月から保育園に入園し、雰囲気は一変。
ちょっぴりさびしい感じだったんですが、昨年度の後半から来てくれていた1歳前後の子らに加えて、この間、2人目の出産を終えたお母さんたちが、生後間もない赤ちゃんを抱いて復帰してくれたりして、また新しい風が吹き込んできてました。今日はさらに、赤ちゃんを抱いたお母さんが2組来てくれて、ますます賑やかになりました。これからも、出産を控えた方が続くので、ますます「ちっちゃいものクラブ」状態になりそうです。

赤ちゃんって、ほんとうに可愛いです。それに、赤ちゃんは、不思議な力をもっていますね。
赤ちゃんの周りには、自然と人の輪ができて、そこでお母さんたちのおしゃべりがはじまります。
赤ちゃんが、お母さん同士をくっつけてくれてる・・・サロンのスタッフをしていて思う事です。

この夏、大阪で、1歳と3歳の子どもが部屋に置き去りにされて亡くなるという、痛ましい事件がありましたね。どんな理由があっても、子どもを死なせたお母さんの罪は深いけれど、どこかで誰かとつながっていれば、誰かがお母さんに声をかけていれば、もしかしたら防げたのかも知れません。
あの事件は、決して特別な事ではないと感じています。それは、サロンに参加しているお母さんたちの話からも思います。お母さんたちは、サロンに来ると、本当に、感心するくらい、はてしな~くおしゃべりして、とても明るく元気そうに見えます。でも、そう単純ではないんですね。
毎年3月に、「お別れ会」を開くんですが、「卒業」していく、または子どもが保育園に行くお母さんに、いつも一言話してもらうんです。すると、「この場所で友だちができてよかった」「この場所がなかったら、ひきこもっていたかも」など、本当に思いのこもった話をされます。そんな話を聞くたびに、サロンでのお母さんたちの姿は当たり前ではない、少し間違ったら、まったく違う姿もあるんだと思うし、サロンを続けてきて良かったなと、私だけでなく、スタッフみんなで思っています。

和束は、急激に少子化が進んで、ここ2年間、出生数が10人台です。各区で1人ずつも生まれていないし、同級生が近所にいないのが当たり前になってきてます。そんな中で、お母さんたちは、つながりを求めて集まってきます。そんなお母さんたち、そして赤ちゃん、子どもたちが、ホッとできて、のびのびできて、つながりあって、遊びあって・・・そんな場としての、子育てサロンを、息長く続けていきたいですね。

「広域化すれば、国保は安定する」は本当か?

2010-10-05 10:29:51 | 議会報告&議員活動

9月議会最終日以来の更新になってしまい、ずいぶんあいてしまいすみません。

議会最終日の補正予算の議論の中で、国民健康保険(国保)の運営の件でやりとりがあったので、その事を紹介したいと思います。

まず取り上げたのは、「せめて子どもには、正規の保険証を」という点です。

国保税の負担が重くなる中で、「なかなか払いきれない」という方が増えています。

実際、和束の国保税は高いです。町長も担当課も高いと認めています。

年間の所得が250万くらいしかなくても、夫婦と子ども2人となれば、資産割を抜きに考えると、年間43万3000円もの負担になり、所得に対する割合は17.3%にもなります。今年から年10回払いになったので、1回43300円を、国保税だけで負担しなければなりません。

ある知り合いの方の場合、年間所得が70万くらいしかないのに、税額が20万を越えていました。所得の3割近くが国保税だけで消えるのです。

こんな感じですから、滞納が増えるのも無理はないし、払いきれない方が当然増えます。

国は、滞納世帯に対して、正規の保険証を渡さず、資格証明書の発行を指導しています。資格証明書は、「国保の資格」を証明するだけのもので、窓口負担をいったん全額払わなければなりません。あとで償還されるとはいえ、税さえ払いきれない人が窓口負担を払えるわけもなく、「税を滞納しているなら、医療を受けるな」に等しい状態になります。実際、全国では、医療を受けられずに、手遅れになるケースが続出し、社会問題になっています。

和束では、幸いにも資格証明書は発行していません。私も繰り返し「発行はするな」と要求してきました。

ただ、資格証明書は発行していませんが、「短期証明書」は発行されています。
「短期」はその名の通り、短期で効力がなくなる保険証で、和束の場合、6か月が期限です。短期にする事で、納税相談や催促する機会を増やし、少しでも徴収を強化するのが目的とされ、短期の場合は、窓口負担は正規と変わりません。

しかし短期の場合でも、安心医療を脅かしているのは同じです。それに、短期証明書には「短」という記号があり、正規のものとは区別されています。「うちは国保税を滞納している世帯です」と公表しているのと同じで、これは明らかに個人情報保護にも反し、人権侵害そのものだと思うのです。

資格証明書も短期証明書も、初めは、「悪質滞納者をなくす」が大義名分とされて導入されましたが、今では悪質かどうかに関係なく、ほとんど一律になっています。

払いきれないほどの高い負担を押し付けておきながら、払いきれないと、「公平公正」を盾にペナルティを課す、それが今の実態になっています。

前置きが長くなってしまいましたが、和束でも短期証明書が発行されている世帯が67世帯もあり、増えてきています。その中でも、小中学生が含まれる世帯が6世帯ある事が担当課の調べでわかりました。

私は、子どもには滞納の責任はないし、せめて子どもだけでも正規の保険証を発行するように求めました。和束では、今年度から、世帯に1枚でなく、被保険者1人1人に保険証を発行する方式に変更していて、子どもにも保険証が出されます。子どもたちは、修学旅行などの際に、保険証を携帯していると思いますが、滞納がある事を理由に、正規とは違う保険証を持たされる子どもたちの気持ちはどうでしょうか。

政府はこの間、資格証明書発行世帯でも、子どもには短期証明書を発行する法改正を行っています。子どもの扱いを別にする事はできるはずです。

町は消極的な姿勢でしたが、子どもにまで滞納の責任をかぶせるようなやり方は一刻も早く改めてほしいと思います。

 

この質問に関連して、国保において、適切な減免を行うよう求めました。

具体的には、この間厚生労働省が示した、一部負担金(窓口負担)の減免基準に基づく、減免の実施を最低限行うよう求めました。

国が示した基準は、①入院患者がいる②収入が生活保護基準以下③預貯金が生活保護基準の3カ月以下、という3条件をすべてクリアしているというもので、この対象になるケースは、かなり深刻なケースで、限られたケースと言えます。それでも、国がこういう基準を示したのは初めての事で、それだけ国保の実態が厳しい事を表しています。国は、この基準を「最低限」とし、これ以上の基準での減免も認めており、減免を実施した場合、半額を国が持つとしています。

私は、まず最低でも、国が示した基準に基づく減免は実施するよう求めたのですが、町の答えはそれでも「NO」でした。

町長が言うのは、国が半分出すと言っても、半分は町が負担しなければならない、国保財政が厳しい中では、半額でも厳しいし、とても出来ないとの事です。

私が「減免は国保法でも認められており、やらないのは行政の怠慢だ」と言うと、町長は「減免をやるかどうかは各自治体が選べるようになっている」と答え、あくまでも減免を実施する意思がない事を強調しました。

国保法では、生活困難や低所得など「特別な理由」の場合、法44条で一部負担金、法77条で国保税の減免や徴収猶予ができると定めています。減免は被保険者の命と健康、生活を守るための制度であって、いざという時に使えないでは、何のための保険かとなります。高い保険税を払わせる一方で、法で認められた減免さえも適用しないのは不当でしかありません。減免のための財源を確保する事は当たり前の事で、それさえ満足にせずに、「選択の自由」をふりかざす町長の姿勢には唖然とします。

こういうやり取りをする際に、町長が必ず持ち出すのが「小さな自治体が国保を運営するのは無理。府でなど、広域でやるべきで、そうすれば安定する」という「論理」です。

私は聞きました。

小さいから無理だ、大きければ安定するというが、その根拠はどこにあるか。

大きければ安定するというが、京都府の半分以上の人口を占める京都市の国保は安定しているのか?負担は少なくなっているのか?

町長は具体的な根拠を示せず、「大きければ安定する」とは言えませんでした。

答弁を受けて私は「自治体の規模は関係ない事は明白になった。今後は、それを理由にした答弁はしないでほしい」と「釘」をさしました。

それでも町長は「一般的に、広域や大規模の方が安定するのは常識だ」と言い張り、「岡本議員は小さい方が良いというが、区単位で運営してもうまくいかない」等と、「架空」の話を持ち出して、とにかく大きい方が良いという理屈を振り回す始末でした。

町長が「根拠」を示せないのは当たり前です。

国保財政が厳しく、困難になっている原因は、自治体の規模の大小にあるのではなく、国の財政支出の縮小にこそ根本的な原因があるからです。

国保の加入者は、農家や自営業者、年金生活者など、もともと経済的に不安定な方や低所得者が多く、そこに、この間の不安定雇用や失業者の増大が重なり、ますます国保財政を支える基盤が弱くなっています。国保はもともと、国が強く関与しないと運営できないのに、国がどんどん負担をカットしてきた中で、財政が大変になったわけです。

和束でも私が和束に来た頃の国の支出割合は40%以上ありました。
当時は、今とは逆に「カネ余り」状態で、2~3億ほどの基金があり、その時は、「小さいから大変」なんて話はこれっぽっちもありませんでした。

ところが、どんどん国が支出を減らし、21年度の決算では国の負担割合は20%台前半にまで落ち込んでいます。これと並行して、国保財政が厳しくなり、被保険者の負担が増えてきたわけです。

町長は「広域化すれば、負担も平均化して、国保税が高い和束は負担が軽くなる」とも言いましたが、これも何の根拠もありません。

いま政府は、国保を都道府県単位に統合する方向を強めていますが、その中で言われているのは、自治体の一般会計からの繰り入れをなくすという点です。自治体は、国の支出が減った分、繰り入れを行う事で、負担増を抑制してきたのに、それがなくなったら、一気に値上げになる危険性があります。国は都道府県単位での運営にする事で、国の財政負担をさらに減らそうとも考えています。

そうなれば、広域化して負担が減るどころか、ますます負担が増える可能性の方が大きいわけです。

このように、国保財政が厳しい一番の原因は、国が財政をカットしてきた事にあるわけで、ここを改めない限り、運営規模がどうであれ、ますます大変になるというのが、実際のところなんですね。

結論を言うと、「広域化すれば、国保は安定する」というのは、まったく根拠がないし、被保険者にとってみれば、ますます大変になるというのが本当だと言えます。

町長には「要求すべきは、広域化ではなく、国の財政負担を増やす事。それをしっかりと声をあげてほしい」と指摘しましたが、町長は「岡本議員が言うように、国が全部負担してくれたらいいことだが」と、私が言ってもいない事をあげてごまかし、国、府にまともに要求する気がない姿勢があらわになりました。

極端な事を言ってごまかすのは、「広域化すれば安定する」という事にまったく根拠がない証拠でもあります。

町長は「このままでは値上げも必至」と、来年度の国保税値上げもにおわせています。これ以上の国保税値上げはとんでもない!この声を大きくして行かないといけない時だと思います。