先日、和束町図書室でお借りした「御巣鷹山と生きる~日航機墜落事故遺族の25年」という本を読み終えました。著者は、事故で9才の子どもさんを亡くされた、美谷島邦子さん。「8・12連絡会」の事務局長をされています。
日航機墜落事故が起きたのが、1985年8月12日。
私が高校3年生の時で、ちょうどあの年は、阪神タイガースが21年ぶりだったかの優勝をした年で、その阪神の球団社長も犠牲になられた事故でした。524名中、4人が救出され、当時12歳だった女の子がヘリで救出される場面も鮮明に憶えています。
事故が発生した直後、米軍機がいち早く発見していたらしいのですが、何故か救助にも行かずに基地に帰還したという話を聞いて、ずいぶん疑問に感じたものでした。
美谷島さんの息子さん、健ちゃんは9才、小学3年生でした。ちょうど、じゅんと同じ年齢です。
夏休みに、大阪の親戚宅に行くのに、はじめて利用した飛行機が事故機・・JAL123便でした。
「ちびっこVIP」という子どもの1人旅をサポートするサービスを利用して、健ちゃんは、お母さんである邦子さんの見送りをうけて1人で搭乗し、事故に遭いました。
お父さんもお母さんもいない状況で、ダッチロールを繰り返し、墜落していく機内で、健ちゃんはどんな思いだっただろう。怖かっただろう。お父さんお母さんに会いたかっただろう。
本の中で、健ちゃんとの別れがせつせつと書かれていますが、本当に酷い事故です。
この本では、事故の全容をあらためて示すとともに、遺族が結集して作られた「8・12連絡会」の事務局長として歩んでこられた25年の足跡を記しておられます。特に、「なぜ、あのような悲惨な事故が起こったのか」を明らかにさせたい、そして「2度とあのような事故を起こさせない」との切実な思いが語られています。
この本を読んで、あらためて感じたのは、企業、特に大企業の社会的責任の重さという事でした。
日航機事故の原因は、直接的には、機体後部の圧力隔壁の破壊と言われ、その部分の修理ミスが有力として言われていますが、まだ謎が多く、真相が解明されているとは言えない状況があります。
ただ、事故の背景には、乗客の命や安全よりも、儲け・利益が優先された企業運営が根本にある事はまちがいありません。利潤追求が優先される中で、労働者の権利や環境が脅かされ、当然すべき安全のための点検や修理などがおろそかになる、その延長線上の中で痛ましい事故が起こっています。
企業は、利潤追求、儲ける事を目的にして活動するもので、それ自身が悪いわけではないと思います。
ただ、「儲かりさえすれば」という論理だけが追求されると、儲けのために、命も安全も脅かされる、最悪の場合、あのような事故が発生する事にもつながっていきます。
だからこそ、企業には社会的な責任が問われるし、何かあった場合に影響が大きい、大企業ほどその責任は大きいと思うんです。
企業がその事を自覚して、自主的に責任を果たす事が望まれますが、儲けをめぐって熾烈な競争を繰り広げている企業まかせでは、やはり無理がある事から、結局大事なのが政治の力になってきます。政治によって、企業に責任を果たさせるルールをつくり、それを守らせる、その事がちゃんとできてこそ国民の命や安全を守る力が働くし、逆に弱ければ、事故などが多発し、命や安全が脅かされることになります。
この間、チリの鉱山での「脱出劇」が世界中で大きな感動を呼んでいます。
何はともあれ、33人の方が、無事に救出され、家族のもとに帰還できた事は、本当によかったと思いますし、人間の持つ力の偉大さを、あらためて教えてくれたとも思います。
でも一番大事なのは、なぜ、こんな事故が起きたのか、なぜ33人は、2カ月以上もの間、鉱山の底で閉じ込められなければならなかったか、ではないでしょうか。
報道でもありましたが、あの鉱山には、脱出口も避難階段もなく、2007年に爆発事故があり、一時閉山しています。しかし何の安全対策も施されないまま、08年に再開され、今回の事故となりました。
あの感動の裏には、儲けを優先し、鉱山労働者の命・安全を軽視した鉱山の姿勢と、それを放置していたチリ政府の姿勢があったと言えます。
マスコミでは、救出の感動ばかりが強調されている向きがありますが、あの33人がなぜあんな目にあったのかこそが教訓にしなければいけないと思います。
美谷島さんが事務局長を務める「8・12連絡会」の25年間の活動は、まさにそこに焦点をあてた粘り強い活動だと感じました。連絡会は、大切な家族を突然の事故で失った遺族がつながり合い、支え合う組織であると同時に、事故の原因を究明し、二度とあのような悲惨な事故を繰り返させないために活動する事を大きな目的とされました。あの事故を遺族だけの問題にしない、誰もが関係する社会的な問題として位置づけ、他の事故の遺族とも手をつなぎ、悲惨な事故を起こさせない社会をつくるために尽力されています。事故を起こした日航の社員の安全教育にも関わるなど、事故を忘れようとする日航の姿勢をただす役割も果たしておられるんです。25年前の事故以来、日航は大きな事故は起こしていないらしいですが、連絡会の存在と活動が、強力な抑止力となっている事は間違いないと感じました。
儲け優先で、命や安全を軽視する企業活動をあらためさせ、社会的責任を果たさせる・・・
この事は、重大な事故を防止するためだけでなく、私たちの日々の生活を守る上でも、今こそ必要ではないか、と思います。大企業の都合で職を奪われ路頭に放り出される労働者、大企業が減税される一方で、増税が押し付けられ日々のくらしに困る庶民・・・事故とは形は違っても、同じ土壌から生まれている問題だと私は思いますし、庶民の命、くらしが軽視され脅かされる政治の中にこそ、悲惨な事故を生む危険性が広がっていると思います。
日航機墜落事故が起きたのが、1985年8月12日。
私が高校3年生の時で、ちょうどあの年は、阪神タイガースが21年ぶりだったかの優勝をした年で、その阪神の球団社長も犠牲になられた事故でした。524名中、4人が救出され、当時12歳だった女の子がヘリで救出される場面も鮮明に憶えています。
事故が発生した直後、米軍機がいち早く発見していたらしいのですが、何故か救助にも行かずに基地に帰還したという話を聞いて、ずいぶん疑問に感じたものでした。
美谷島さんの息子さん、健ちゃんは9才、小学3年生でした。ちょうど、じゅんと同じ年齢です。
夏休みに、大阪の親戚宅に行くのに、はじめて利用した飛行機が事故機・・JAL123便でした。
「ちびっこVIP」という子どもの1人旅をサポートするサービスを利用して、健ちゃんは、お母さんである邦子さんの見送りをうけて1人で搭乗し、事故に遭いました。
お父さんもお母さんもいない状況で、ダッチロールを繰り返し、墜落していく機内で、健ちゃんはどんな思いだっただろう。怖かっただろう。お父さんお母さんに会いたかっただろう。
本の中で、健ちゃんとの別れがせつせつと書かれていますが、本当に酷い事故です。
この本では、事故の全容をあらためて示すとともに、遺族が結集して作られた「8・12連絡会」の事務局長として歩んでこられた25年の足跡を記しておられます。特に、「なぜ、あのような悲惨な事故が起こったのか」を明らかにさせたい、そして「2度とあのような事故を起こさせない」との切実な思いが語られています。
この本を読んで、あらためて感じたのは、企業、特に大企業の社会的責任の重さという事でした。
日航機事故の原因は、直接的には、機体後部の圧力隔壁の破壊と言われ、その部分の修理ミスが有力として言われていますが、まだ謎が多く、真相が解明されているとは言えない状況があります。
ただ、事故の背景には、乗客の命や安全よりも、儲け・利益が優先された企業運営が根本にある事はまちがいありません。利潤追求が優先される中で、労働者の権利や環境が脅かされ、当然すべき安全のための点検や修理などがおろそかになる、その延長線上の中で痛ましい事故が起こっています。
企業は、利潤追求、儲ける事を目的にして活動するもので、それ自身が悪いわけではないと思います。
ただ、「儲かりさえすれば」という論理だけが追求されると、儲けのために、命も安全も脅かされる、最悪の場合、あのような事故が発生する事にもつながっていきます。
だからこそ、企業には社会的な責任が問われるし、何かあった場合に影響が大きい、大企業ほどその責任は大きいと思うんです。
企業がその事を自覚して、自主的に責任を果たす事が望まれますが、儲けをめぐって熾烈な競争を繰り広げている企業まかせでは、やはり無理がある事から、結局大事なのが政治の力になってきます。政治によって、企業に責任を果たさせるルールをつくり、それを守らせる、その事がちゃんとできてこそ国民の命や安全を守る力が働くし、逆に弱ければ、事故などが多発し、命や安全が脅かされることになります。
この間、チリの鉱山での「脱出劇」が世界中で大きな感動を呼んでいます。
何はともあれ、33人の方が、無事に救出され、家族のもとに帰還できた事は、本当によかったと思いますし、人間の持つ力の偉大さを、あらためて教えてくれたとも思います。
でも一番大事なのは、なぜ、こんな事故が起きたのか、なぜ33人は、2カ月以上もの間、鉱山の底で閉じ込められなければならなかったか、ではないでしょうか。
報道でもありましたが、あの鉱山には、脱出口も避難階段もなく、2007年に爆発事故があり、一時閉山しています。しかし何の安全対策も施されないまま、08年に再開され、今回の事故となりました。
あの感動の裏には、儲けを優先し、鉱山労働者の命・安全を軽視した鉱山の姿勢と、それを放置していたチリ政府の姿勢があったと言えます。
マスコミでは、救出の感動ばかりが強調されている向きがありますが、あの33人がなぜあんな目にあったのかこそが教訓にしなければいけないと思います。
美谷島さんが事務局長を務める「8・12連絡会」の25年間の活動は、まさにそこに焦点をあてた粘り強い活動だと感じました。連絡会は、大切な家族を突然の事故で失った遺族がつながり合い、支え合う組織であると同時に、事故の原因を究明し、二度とあのような悲惨な事故を繰り返させないために活動する事を大きな目的とされました。あの事故を遺族だけの問題にしない、誰もが関係する社会的な問題として位置づけ、他の事故の遺族とも手をつなぎ、悲惨な事故を起こさせない社会をつくるために尽力されています。事故を起こした日航の社員の安全教育にも関わるなど、事故を忘れようとする日航の姿勢をただす役割も果たしておられるんです。25年前の事故以来、日航は大きな事故は起こしていないらしいですが、連絡会の存在と活動が、強力な抑止力となっている事は間違いないと感じました。
儲け優先で、命や安全を軽視する企業活動をあらためさせ、社会的責任を果たさせる・・・
この事は、重大な事故を防止するためだけでなく、私たちの日々の生活を守る上でも、今こそ必要ではないか、と思います。大企業の都合で職を奪われ路頭に放り出される労働者、大企業が減税される一方で、増税が押し付けられ日々のくらしに困る庶民・・・事故とは形は違っても、同じ土壌から生まれている問題だと私は思いますし、庶民の命、くらしが軽視され脅かされる政治の中にこそ、悲惨な事故を生む危険性が広がっていると思います。
メールにご連絡をいただければと思います
アドレスは
http://osutaka1985.blog74.fc2.com/
御巣鷹山事故を語り継ぐ会
下記のメールです
renrakukai@mbr.nifty.com
123便は今年、真相を明らかにすべきの重要な案件では?
昭和天皇もご搭乗されているJAL123便が不時着し、全員 問題なく生存していたので救助を待っていたところ、日本の埼玉県警の警察官らを中心とした一団が襲いかかり、乗客乗員天皇陛下を虐殺した点が遺憾な状況と言えます。
木にくくりつけて焼き殺すなど、埼玉県警察らしい残忍な犯行で、大変いたましい事態が おすたか にて発生したのでした。
日航ジャンボ123を御巣鷹に不時着させるとともに日本人を中心とした乗客乗員天皇陛下の救援に最大限の尽力を行ったのは米国のみであります