今朝はずいぶん冷え込みましたね。
朝、じゅんが登校する頃(7時半ころ)に、家の周りを見てみると、
プランターの葉っぱの上のしずくがまるいまま凍結!
かわいい、「つらら」も出現!
キーン!!!って感じの冷たい朝でした。
成人式があった11日、成人式が終わったその足で、京都市内の京都テルサまで行ってきました。
「子どもに豊かな育ちと読書の喜びを 学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどい」という集まりがあったんです。
午前中の全体会は参加できなかったのですが、午後からの分科会に参加し、
「図書館で育つ子どもたち―公共図書館や学校図書館の実践を通して、司書の必要性や配置について考える」というテーマの分科会に参加しました。
はじめに2つのレポートが報告されて、府立鴨沂高校図書館の司書の方と、精華町立図書館の司書の方が発表されました。
全日制の府立高校には、各校1人ずつは司書が配置されているとの事でしたが、私も府立高校(田辺)で、そういえばおられた記憶があります。
司書の新規採用は毎年なく、最低限の人員しか配置されていない事や、年間の図書購入予算が消耗品費も含めて平均約52万円しかない現状には少しびっくりでした。
私が高校生だった時と決定的に違うのは、インターネットが普及している事で、鴨沂高校図書館が毎年実施している新入生アンケートでも、本を読みたいと思うきっかけとしてネットが大きな割合を占めているそうです。
司書の方が「図書館で子どもが育つ」という点で話されたのは、
「図書館利用を通じて、筋道を立てて深く考えることを学ぶ」
「図書委員会活動など、仲間とともに活動することを通して自主活動を広げる」
「学校の中で、自分を受けとめてくれる場所」として、きちんと見守る存在として機能したい
という点でした。
実際のケースとして紹介されていた話も印象的でした。
あるシリーズの本ばかりを借りていく生徒がいて、司書としては「もっと違うのもどんどん借りてほしい」と考えておられたのですが、その生徒の家が経済的に大変で、家に負担をかけないためにそうしていた事を知って、子どもたちの状況を理解する中で接する事の大切さを実感されたそうです。
図書館では、単に本の貸し出しをしているのではなく、人の人生そのものに関わって、人が育つ姿を見る喜びを日々感じる仕事をされている事に、とても感動しました。
精華町の図書館は、私も利用しているのですが、図書館のとりくみをあらためてお聞きして、その充実ぶりに大変うらやましく思いました。
精華町の図書館は、2001年に新館が造られて、リニューアルし、08年度現在で蔵書数は14万3559冊、そのうち児童書は46337冊、雑誌は約200タイトル、新聞10紙、視聴覚資料4541点、インターネット端末4台とのこと。
館長1人、正職員3人、嘱託職員7人、臨時職員6人(随時2~3人)で運営されていて、特に児童サービスにも力を入れておられました。
図書館に足を運ぶとわかりますが、児童書コーナーがとても充実しています。
06年度に策定した「子どもの読書活動推進計画」を基礎に、精力的に活動されています。
図書館内の行事では、「お話し会」を毎週土曜日に開催、乳幼児対象の「おひざにだっこ ちいちゃいちいちゃい お話し会」を月1回、保健センターでの9・10か月検診時のブックスタート、子育て支援センターと共催での「お話し会スペシャル」、読み聞かせボランティア養成講座の開催、小学生の社会見学の受け入れ、中学生の職場体験の受け入れ、1小学校14クラスでのブックトークの実施、学校図書館ボランティア向けの「図書の修理・製本講習会」の実施などなど。
和束の図書室でも、ぜひ、いろいろと取り組んでほしいのですが、嘱託職員が1人しか配置されていない状況では、大きな限界があり、せめてもう1人嘱託を配置する、せめてアルバイトを複数配置するなど、スタッフの充実が必要だと実感しました。
精華町の学校図書館の状況も少し報告があり、その中で注目したのは、現在、山田荘小と精華南中に、嘱託職員を配置しているとの事。学校支援地域本部事業というものを活用しての事らしいのですが、1度見に行こうと思いました。
また、1月から別の学校にも、緊急雇用対策で臨時職員を配置されているそうです。
精華町だけの事ではなく、集会にも多く参加されていたのですが、学校図書館ボランティアというのがあるのを知りました。これも一度具体的に見に行きたいと思います。和束ではやっておられるのか確認もしようと思います。
2つのレポートの後、テーマにそって、フリーで意見交流がありました。
せっかく参加したので、私も発言させてもらいました。
1つは、図書館の広域的な利用についての考え方です。
和束の図書館で読めない、手に入らない図書があっても、郡内等の他の市町村の図書館でカードを作れば借りる事ができます。
でもそれを理由に、図書室の図書購入予算をけちり、何でも広域で・・・という傾向があります。私は、図書サービスというのは、身近な地域でこそ充実すべきものだし、それを前提にした中での広域連携だと思っています。充実する努力もせずに、何でも他のところに頼る姿勢では、町の文化も育たないと思うんです。
私のこの意見に対して、西宮の司書の方が、広域貸出の利点としては、図書館としての貸出数が増える事、問題点としては、市民自身の貸出に支障が出る(ひどい場合、2年待ちのケースもあるとの話にびっくり!)、破損や損失などのトラブルが多いなどをあげられていました。
やはり、自前でどれだけ充実できるかが大事だなあと実感しました。
もう1つは、学校図書館に司書を配置すると、何が変わるのか?何が良いのか?という事を聞きました。
すると、まず岡山市の学校図書館司書の方が、とても熱く話してくれました。
一番の利点は「いつも図書館が開いていること、いつでも利用できること」で、借りたい時に借りれて、いつでも相談にのれることと言われました。
授業への支援も重要な役割なのですが、一番強調されたのが、「子どもの成長にかかせない」存在という点でした。
入学から卒業まで、子どもたちの成長を本を通じて見守り、サポートする、それは、ずっとそこにいるからこそできる、それが学校図書館司書という存在だと。
京都の小中学校には学校図書館司書は配置されてきませんでした。
もちろん、和束小、中にもいません。
司書教諭という資格を持った先生はおられますが、専任ではないので、活動には大きな限界があり、図書館は「いつも開いて」いません。
私も小中学校の図書館に司書さんがいる経験がないので、「いる」イメージがわきにくいのが実感です。
岡山は、ずっと以前から図書館司書が配置されてきた歴史があり、全国で一番進んだ取り組みがされています。そこには私が知らない、というか、京都の、和束の子どもたちが知らない、とても魅力的な世界がある事を、お話を聞きながら感じていました。
群馬・高崎市の高校で司書をされている方も話してくれたのですが、その方も、「いつも開いている、いつでも相談にのれる、授業の質を高めることができる」と言われ、何よりも印象的な話は、図書館は先人の知恵が集まり、そろっている場所であり、その知恵を生かして、子どもたちの知的関心にこたえ、その成長を見守る存在として司書がいるということでした。
ああーー!!なんて、魅力的な世界なんだ!と本当に思いました。
和束の小学校、中学校にも、ぜひ図書館司書を配置してほしい!
そして、「いつでも開いている」学校図書館が当たり前にしたい。
子どもたちに、この魅力的な世界を経験させてやりたい!
集いに参加して、この思いを強くしました。
ぜひ一度、司書さんがいる学校図書館の現場を見て、学校の保護者や子育て世代の方、学校の先生方、住民の方と力を合わせて実現したいと思います。