9月議会が28日に終わりました。
とりあえず、28日の本会議2日目の様子をご報告します。
この日の主な議題は・・・
①補正予算の審議
②意見書の審議、採決
の2つくらいでした。
9月議会の補正の中心は、麻生政権時代の「臨時交付金」の具体化でした。定額給付金が個人への「バラマキ」とすれば、臨時交付金は自治体への「バラマキ」と言えるもので、自公政権の「最後のあがき」とも言えるような大盤振る舞いです。
昨年度の政府予算2次補正に続いて、2回目の臨時交付金で、今回だけで1億5000万円以上、前回分を含めると何と3億円を超えるバラマキだったんです。
選挙目当てのバラマキが実態とは言え、くれる予算は有効に使って、少しでもまちづくりに生かす必要があるのですが、ほとんどがハード面への投資に使われて、住民の暮らしへの支援という点では、かなり不十分な内容でした。
どんな事に予算化されたかと言うと・・・
①公共施設の耐震診断調査 1341万9000円
・対象は、役場庁舎、保育園、福祉センター、人権ふれあいセンター、国保診療所
②「山の家」設備等の改修 911万7000円
・浴場、トイレの改修
③運動公園施設改修 7233万2000円
・「休憩所」の改修(トイレも含む)、テニスコートの改修、子ども用遊具の設置、駐車場の整備など
④公園遊具設置 500万円
・小学校下のバスロータリーの「山村広場」内の遊具取り換え
⑤農道整備 500万円
⑥「命の里」事業(農業用水路整備) 560万円
⑦湯船森林公園施設改修 790万9000円
・園内遊具、水車小屋など
⑧三国林道舗装改良 4960万円
⑨町道維持修繕 1120万円
⑩微量製茶機械(3キロ)購入 270万円
⑪町道新設・拡幅 3490万円
・東部じんかい関係で、下島・銭司線のつけかえに1380万など
⑫災害対策備品 130万円
・テント、備蓄用コンテナなど
・・・と、まあこんな感じなのですが。見事にと言ってよいほど、ハード面ばかり。
井手町や南山城村では、臨時交付金を活用して、子どもの医療費助成を、一気に中学生まで拡充したり、宇治田原では、小中学校の空調整備や学校図書館司書の配置などされていて、ソフト面での充実にも役立てられているのですが、町長は「経常経費につながるものは盛り込まない」方針で、結局、一時的な投資だけで済むハードに偏ったみたいです。今年度内に使い切らないといけないという臨時交付金の性格上、仕方がない面もあるのですが、もう少し検討してほしかったですね。
特に、子どもの医療費助成の拡充を行うには大きなチャンスでした。
経常経費になると言っても、和束の場合、中学生まで広げても年間700万円ほどの追加ですし、小学生までだと400数十万円ほどで可能なんです。臨時交付金を使えば、今年度の分は、まるまるペイできるし、来年度以降は確かに独自の予算が必要ですけど、年間400万から700万円程度の予算増は十分できる範囲です。小学生、中学生の数も今後減る一方ということもあり、予算としては増える心配はあまりないのも実態です。
それに・・・
20年度決算では、一般会計だけで約7500万円の黒字で、そのうち6000万円ほど「貯金」。その1割ほどで中学生までの助成も可能だし、せめて小学生までの助成は十分できるのです。
経常経費というのは、「必要な経費」ということです。
私は、子どもの医療費助成の拡充のための予算は、少子化が急速に進む今の和束には「必要な経費」だと思うんですが、町はそう思っていないようです。
実際に質疑で取り上げたのは、学童保育の充実で、特に懸案の協力金の引き下げの問題です。
6月議会で、ようやく町長が「負担軽減を行う」と表明し、7月に申し入れを行った時には、「やるならば、早い方が良い」とまで言われていたので、9月議会の補正で反映されるのか、と期待もしていたのですが、結局なし。
16日の決算委員会での質疑で、課長に「いつから引き下げを行うのか?」と質問したんですが、「答えられない」と答弁拒否。どういうつもりかと後で聞くと、「町長からは来年度に向けてとは聞いているが、いつからとは聞いてない。具体的な時期も町長から指示がないと決められない」とのこと。
仕方がないので、町長に時期を明確にするよう求めたんですが・・・。
課長が言うように、協力金だけでなく、定員の見直しも含め必要であり、それを行う期間は必要ではないか、などと今年度の引き下げは事実上困難といった答弁。
えええーーーーーっ!全然話が違うじゃないの!
7月の時には、来年度からという課長の答弁を、「何であんなこと言ってるんかな」という受けとめで、それで「やるなら、早い方が良い」という話になったんだけど。
それに、定員の見直しが必要なんていまさらよく言えたものです。
定員の見直しが必要ではないか、と前から指摘してきたのに、今までは全然だったではないか。それを今頃持ち出して引き下げを先送りする理由にするのは、あまりに都合が良すぎるし、おかしな話です。
そもそも定員の問題と、協力金の問題は別問題です。
引き下げた協力金の条件で、運営費を計算して、府に申請すれば良いことであり、申請ができなくても、不足分を町が補てんすれば済むことです。
町長にも担当課にも、他の自治体よりも2~3倍もの負担を強いている実態をただちに改善しようとの構えがない表れだと思います。昨年の署名での利用者、住民の切実な思いをどう受けとめているのかが本当に問われます。
何よりも、町長が「負担軽減が必要」と表明し、「早い方が良い」とまで言っている問題が、なぜこんなに遅遅として進まないのか、すごく疑問です。
機敏に引き下げが行われれば、利用者の方はほんとに喜ばれるし、そういう事にこそ行政の仕事の醍醐味があると思うんですけれど。
でも、まだ来年度からとははっきり言わせてないので、一刻も早く引き下げるよう、ねちっこくまだまだいきたいと思っています。やれやれ・・・。
他には、結局、新型インフルエンザ対策で、ワクチン接種への公費補助の要求と、対策の現状を確認するだけで質疑が切られてしまいました。
時間はたっぷりあるのだから、質問の意思を示している以上は、時間を保障してほしいものです。また、中途半端に議論を切らないでほしいとも思っています。いつ質疑が切られるかわからない感じでは、十分な審議ができません。
和束の議会では、1つの問題に何回とか、1人につき何回とか、いろいろと質疑に制限をつけたがる傾向があるんですが、議事をスムーズに進めるということも大事なのかもしれませんが、一番大事なのはとことん審議することであり、そのための時間は保障することが基本だと思います。いくら議事がスムーズに「粛々と」進んだとしても、審議が十分にされなければ議会の役割が果たせません。
一般質問も、「議事をスムーズに」という面が優先されて、答弁込みで1時間以内に制限されましたが、町長などの長い答弁で、質問者の時間が大幅に制約されて、十分な議論ができないような弊害が実際起こっています。これでは、行政をチェックすべき議会の役割から見れば、本末転倒です。
いま各地の議会では、審議を活発化し、深められるようにと、様々な改善の取り組みが進められています。和束でも、少しでも改善されるよう求めていきたいと思っています。
余談が長くなり、すみません。
意見書は、今回2つ提案しました。
1つは、「地上デジタル放送への完全移行、アナログ停波の延期を求める意見書」で、もう1つは、「高速道路無料化の撤回を求める意見書」です。
「地デジ」問題への疑問やご意見を、最近、よく耳にします。
「いったい、どうなってるのか?」と。とにかく、住民のみなさんは、情報を知りたがっているし、町は経過も含めて、情報は随時公開して、説明を尽くすべきですね。
同時に、あと1年10か月で、アナログ放送が打ち切られるなんてスケジュールは、あまりに無謀です、今となっては。和束なんか、まさにこれからですから。
みんなの準備が整うまで、打ち切りは延期してほしい、ということで意見書を提案したんですが、他の議員のみなさん、質問も討論もなく、全員反対で、否決。
民主党が打ち出している高速道路無料化には、総選挙の際にも、疑問の声を多く聞きましたし、実際、世論は反対が多数です。無料化で、バスなどの公共交通の衰退や崩壊が懸念されているのも大きな心配だし、高速道路無料化より、バスを便利にしてほしい、負担を減らしてほしい、が和束の実態ではないか、ということで意見書を提案したんですが、これもみなさん反対で否決。
反対討論には2人が立たれて、「自民党も無料化を目指していた。経済活性化にもなる。電気自動車などの普及で環境への影響も少ないのでは」という主張と、全体的には民主党の政策や無料化への疑問を投げかけつつ、「時期早尚」という主張。
明確な賛成・反対は別にして、「時期早尚」という言い方は、ちょうど1年前に麻生政権が生まれた時も「まだ政権ができたばかりだから時期早尚」と使われましたが、ある意味、都合の良い言葉にも思えますね。
ちょっと、長くなってしまったので、終わります。
まだいろいろあるのですが、また機会があれば書きたいと思います。