今回は、東海古城研究会の月例見学会で年次総会を兼ねて、大高城と桶狭間の戦いでの織田勢の陣城城塞群を訪ねました。見学コースはJR大高駅に集合 ➡ 鷲津砦 ➡ 長寿寺 ➡ 丸根砦 ➡ 定期総会 ➡ 大高城 ➡ 向山砦 ➡ 氷上砦 でした。
鷲津砦の位置は城趾碑の建つ鷲津砦A、北側の尾根の先端部Bなどが候補地としてありますが、住宅開発や耕作地化などで、今見る地形からでは判断が分かれるようです。丸根砦の周りは住宅地ですが遺構もある程度残り城趾碑も立っています。向山砦は春江院に隣接した地形とされます。氷上砦は氷上姉子神社周辺と伝わりますが明確な遺構は残っていないようです。
鷲津砦A 城趾碑が建つ
鷲津砦Aには城趾碑が建っていますが、耕作地化などで地形の改変が著しいため、往時の遺構の確認が難しいようです。
明忠院から鷲津砦Bを見上げる 西下から
鷲津砦Bは明忠院の東上の住宅地になっている尾根上に在ったと言われますが地形の改変が激しく、遺構の確認は難しい状態です。
丸根砦 南斜面に城趾碑が建つ
丸根砦の中心部の最高所には近年建立の慰霊碑が建っていて、城趾碑は南斜面にあります。
丸根砦 犬走状の平場が見られる
丸根砦は遺構が残り、位置の確認が出来ます。大高城への兵糧入れの逸話が残る大高道は丸根砦の眼下を通っています。大高道を通って若き日の家康が大高城への兵糧入れを成功させたという伝承がありますが、後の脚色が含まれているのかもしれませんね。
大高城 土橋西側の巨大な横堀が見どころ 西から 奥に土橋
大高城の中心部で発掘調査が行われ、幅14m超・深さ4m超 の大きな堀が本丸を取り巻いていたのが確認されましたが、二の丸を取り巻く巨大な横堀は以前から大高城の見どころでした。 ※大高城は興味深い見どころが多くありますので後日当ブログで紹介したいと思います
向山砦 春江院の境内地に隣接していたと伝わる
信長が築いた大高城を包囲する砦は5カ所あったとされますが、一時的なものが多かった様で、遺構が明確に残っていない場合が多いようです。向山砦も臨時の砦のようでした。
氷上砦 氷上姉子神社の付近と伝わる
氷上砦も確たる遺構が無いようで氷上姉子神社の付近という、およその位置が伝承されているだけのようでした。
桶狭間の戦いは、織田信長の勝者としての伝承と、後の天下人家康の活躍の伝説が残され、多くの仮説が立てられましたが、その実態は今も不明な点が多く「諸説あり!」の状態でした。