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三河・二井寺城 人里離れた山城なのに堀切が厳重で驚く

2018-09-30 | 歴史
二井寺城は愛知県豊田市押井町にあります。
 豊田市といえば車の街TOYOTAを想像しますが、ここ押井町は三河山間部の人里から離れた場所です。隣接して城の名前の元になった二井寺(普賢院)がポツンと建つだけで、付近に人家はありませんでした。
 二井寺城の築城時期や築城者は伝わっていませんが、南北290m、東西100mの城域を持った大きな土の城で、主郭を中心に三つの郭で形づくられ、主郭の周りには大きな堀切が掘られて厳重な備えになっていました。人里から離れているためか遺構はしっかりと残っています。

            主郭北側の大堀切 殆ど埋まっていない くっきり残る
遺構には土塁が見当たりませんでしたが、堀切は主郭を取り巻くようにしっかり掘られていました。一部は二重堀切も見られました。

      主郭の墓碑 少し前まではお参りをする人がいたようです
主郭には墓碑が残されていました。プラスチックの花壺が抜け、少し前まではお参りをする人がいたように見えました。最近はお参りをする人もいない様子でした。


主郭東側の堀切 少し浅い堀切だが外側にもう1本堀切が有った 左手に主郭
今見ると、人里から離れて、なぜこんなに厳重な防御を施したのかと不思議に思えるが、往時は必要に迫られてここまでの土木作業を行ったのでしょう。どこに敵がいて誰が守ろうとしていたのかは不明です。この堀切は植林のため少し埋まったかもしれません。


二井寺の山門  茅葺屋根が周辺の景色に馴染んでいました
二井寺城に隣接して二井寺(普賢院)があります。山門は茅葺屋根で落ち着いた雰囲気が周囲の景観とマッチしていい雰囲気でした。

  規模の大きさと厳重な堀切に驚いた遺構がよく残る土の山城でした。