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近江・小山館 在地土豪の館城、土塁の残存状態が良好で驚く

2018-10-17 | 歴史
小山館は滋賀県長浜市木之本町小山にあります。在地土豪の小山(伊吹)氏の居館として築かれたが、築城時期は不詳です。いわゆる館城で南、東、北を土塁で囲み南側は高時川に面した河岸段丘の崖になっています。
 土塁は風化のため往時の高さがどれほどかは想像するだけですが、集落の中にあって改変にさらされた中でよく残っていると思いました。


土塁の北東角 土塁の外側には堀があったようです
小山館は個人宅ですので、土塁の外側から見学しました。土塁の外周には堀が掘られていたようで、現在も一部で見ることが出来ました。


東側の土塁の外側には「内堀」の堀跡が見られる
土塁と道路の間にかなり埋まっていますが、堀が見られました。このあたりは水が豊富なところですから堀が機能していたときには水堀だったように思いました。


東側土塁の北東部に裏口の虎口と言われる遺構が残っていました
虎口部分は土塁がL字型に曲がって堀は土橋で渡っていたようです。わずかながらでも、往時の痕跡を見て嬉しくなりました。


南側の門は冠木門 かなり傷んでいましたが、見どころです
館の正面は南側で、冠木門が残されていましたが、かなり傷んでいて倒壊寸前という状態でした。冠木門の両サイドには袖の塀が有ったと思われますが、今は失われています。
 向かって左側サイドのスペースの方が広いので、左には通用門が有ったのではないかと想像しました。


冠木門を斜めから見る。両側の石垣もよく残っていました
石垣は積み直されているかもしれませんが、門扉は立派なものだったと思いました。
門から南に向けて一直線の道が高野集落の野大神まで続いていました。


小山館 想像概略図
小山館を見学しているときに付近の方に堀が道路で埋まって幅が狭くなったかについてお聞きしたところ、堀幅は昔からこのままでこの堀は「内堀」と言うとのこと。外堀も有ったということで、ご親切にもご自宅の裏庭へ案内していただきました。

 戦後間もない頃の空中写真なども参考にして概略の想像図を描いて見ました。外堀は一部しか描けませんでしたが、裏口の虎口の土塁とのつながりを想定してみました。

小山館は個人宅なので、外側から見学するだけでしたが、思った以上の遺構を見ることが出来驚きました。


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