
吾輩はチワワである。

約二十七年前のリールでABUの一五〇〇C・・・。

一五〇〇C ブラーック(限定品)なのである。

一九八六年製で、当時一五〇〇Cを買いに釣り具屋へ行くと、通常品のボディがシルバーの一五〇〇Cとは
違い、初めて見る黒いボディの一五〇〇Cが売っていたのである。

シルバーの一五〇〇Cはシングルハンドルだが、良く見るとブラックはパワーハンドルが標準装備されていて、
しかも値段は同じで、色はシルバーが傷が目立た無いのと好みなのだが、品番がアルミシールの為に使用していると
傷が付き剥がれたりする欠点があり、ブラックは品番が刻印されているので、その心配は無いなど、どちらにも
長所短所があり決めるのに迷ったのだった。

最後は予算の関係で高価なパワーハンドルを買わなくて済むブラックにしたのである。

サイズがコンパクトで使い勝手が良く、小径スプールなので軽量ルアーが投げやすく、メインでガンガン使い
沢山の魚を釣ったのだが・・・。

そのダメージが徐々に蓄積され僅かだがフレームが変形している様で、スプールのエッジが軽く擦れているのと
ハンドル側のメカをフレームから取り外すのが固なっていて、スプールの回転も悪くなっているのだった。

吾輩にとって一番思い入れのあるリールで、一五〇〇Cのフレーム自体は手に入るので修理は出来るのだが、
オリジナルパーツ状態でのベストコンディションで保管したいとの思いがあり、古いアブのリールの特徴でリールの
製造年代を証明するフットナンバーが変わってしまうと別のリールになってしまう様で嫌なのだった。

ネットで見つけたリールをメンテナンスするショップが、キャンペーン期間中で通常価格の二割引きで
オーバーホールをしていたので、フレームの事を問い合わせてみると直せそうとの事でメンテナンスを
お願いしたのだった。

オーバーホールをして貰ったのが一年半位?前の事で、修理から帰って来たリールはフレームの変形も修理され
嬉しかったのだが・・・現在のリールと比べるとハンドルやスプールの回転などの機能が見劣りし、時代を感じ、
思い出の品として保管(直してもらったリールを汚したくない気持ちもあるのだ)したのだった。

今年は沢山釣れたので気分転換で久しぶりにそのリールを使い、短時間だが遊びで釣りに行ったのだ。

基本設計が一九七〇年代の中頃の古いリールで、軸受のベアリングも当時のままなのだが、軽めのルアーも
軽快に飛び、スプールの回転をウォームシャフトに介し、シンクロしたレベルワインダーが左右に移動する動きや
機械ノイズなども魅力?なのである。

ショップの方が言われていた通りで、使用していると重かったハンドルの回転もグリスが馴染むと軽くなり、
吾輩いにとって何物にも代え難い思い出のリール、一五〇〇Cブラックの完全復活です。

ちなみに、この記事は今から一ヶ月半ほど前に書いて保存していた日記です。