
吾輩はチワワである。

昔に購入したル・フェニックスのホワイトメタルキットで、車はアルピーヌA110なのだ。

原型はアンドレ・マリー・ルフが作った様でシャシーにはサインが入っているのだが、この人の特徴は
同じ1/43サイズの車のモデルを作ってもどれも実際の寸法より一回りほど大きいのである。

ちなみに隣に並んでいる車はプロバンス・ムラージュの製品で同じアルピーヌA110なのだが、実車が
年代によってマイナーチェンジをしているので、同じA110でも良く見るとオーバーフェンダー仕様の
ワイドボディーで一九七六年のモンテカルロ・ラリーを
ジャン・ラニョッテイが運転した車なのだ。

別の意味でさらに細かく見るとボンネットのヒンジが一つしか付いていなかったりエンジンフードの
ヒンジも無かったり・・・当時の製作途中のままなのである。

上から見比べるとプロバンス製は前後のフェンダーが張り出しているのと、前後のバンパーや
コーナーランプなどが付いているので、ぱっと見は同じ大きさに見えるのだが、ルフさんの作ったキットに
オーバーフェンダーや前後バンパー、コーナーランプなど付けると、やはり一回りは大きくなるのである。

ルフさんは決して原型を作るのがヘタクソで寸法を間違えているのでは無く、はっきりした理由は
誰にも分からないみたいなのだが、ただ他のメーカーのモデルと並べた時に存在感が有る?とか
自分の好みで少し大きめ?など・・・本で読んだ記憶があるのだが、都市伝説のような噂話が流れる程
このタイプの模型の世界では伝説(故人)の存在?の様な人だったのだ。

ルフさんのアルピーヌA110は一九七一年モンテカルロ・ラリーに優勝した仕様に作れるのである。

ドライバーはオベ・アンダーソン(故人)というスウェーデン人で、一九九三年に日本で一度だけ間近で見たことが
あったのですが、吾輩は身長一七〇センチで隣で見上げた記憶があり、当時の画像をみるとこの小さな車では
窮屈だったと思います。(大ファンで一緒に写真を撮りたかったのですが言えませんでした。)