
吾輩はチワワである。

ダンボール箱の中に仕舞い込んでいた製作途中の模型を発見したのである。

約五年前に模型店でシャシーなどのパーツが組み立てられた無塗装の状態の品物が五百円で売っていて、
今迄に作った事がないナスカーのアメリカ製のプラモデルで興味があり、気分転換で久し振りに模型を
作ってみようと思い買ったのだった。

ロールバーなども組んであった状態でバリ等もあったのだが、面倒臭いので軽く修整し、ボディは目立つので
丁寧に修整をして箱絵を見本に二色に塗装したのだ。

次に分厚くて水に浸けると青い粉が浮き出る不思議なデカールを貼り乾燥後、クリアー塗装をしたのだが・・・。

主にボンネットや天井等の広い面積のデカールの透明なニス部分が塗料のシンナーに負けて、
しわくちゃのデコボコになってしまったのである。

仕方がないので、良く乾燥させてから紙ヤスリで表面を平らにし、変色した部分は同じ色でタッチアップし、
何とか修整してからもう一度クリアーを塗ったのだが、さらにしわくちゃのデコボコになり、
もう本当に今まで一度も経験をした事の無い、ボロボロの状態になってしまったのである。

もう捨てようかと思ったりしたのだが、ここで諦めると何故か自分がこのプラモデルに負けた様に思え、
意地になり痛んだニス部分をカッターナイフで切り取り、次に下地の黒色を塗ってからクリアーを筆で分厚く
塗り重ね乾燥後、紙ヤスリでボディとの段差を平に整えクリアー塗装をした状態まで手直ししたのだ。

ボディが黒色なので上手く誤魔化せ、部分的に塗装が分厚くなってしまったので、仕上げ塗装の前に
十分乾燥させる必要があるので、一休みのつもりで保管していたら約五年ほど乾燥させたままなのである。

たしかに乾燥時間は長いのだが、元の状態を考えると、ここまでリカバリーしたのはもの凄い事でなので
吾輩はこのプラモデルに負けてはいないのだ。

たぶん部品は有るので、もうそろそろ完成させてみようかな?・・・と少し思っています。