泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

ささくさ

2011-07-29 | 草花
  ささくさ/笹草  イネ科
ささくさの涼しげな花が咲いていました。
木陰の斜面に群生しています。

暦では夏の終り。
木漏れ日のまぶしさのなかで、
涼やかな花がうす緑の影を溶かして、揺れています。

ささくさは葉が笹に似ているのです。
花にさわると粘ついて、先ほどまでの清涼感を、
裏切られます。

この粘つきはなんのためなのでしょう。
チカラシバなども花序が粘つきます。

ささくさの実が服の裾にくっついて、
取り除くの苦労しますが、
人や動物の身体にくっついて、種子を遠くに運ぶためのでしょう、きっと。

たらのき

2011-07-23 | 樹木
  たらのき  ウコギ科
アップルグリーンのさわやかなタラノキの花は、
酷暑の夏を、涼しくしてくれます。

直径1メートルにもなる花序は、枝の頂上で、
花火のようにひろがっています。

山野で巨大なタラノキを見ることはまれですが、
庭園のシンボルツリーとしているのを見たことがあります。
背高く、枝をおおらかに広げ、なかなか美しい景観を作っていました。

ウコギ科の樹木では、ヤツデをすぐに思い浮かべますが、
他に、コシアブラやタカノツメ、ヤマウコギなど、
救荒植物として若葉を利用するものが多くあります。

またウコギ科の草本では、高麗人参やウドなどがありますね。
人とのかかわりの深い植物群です。




えごのねこあし

2011-07-15 | 樹木
  えごのねこあし/エゴノ猫足  エゴノキ科
5月に白い花を枝いっぱいにぶら下げるエゴノキ。
これはその果実のように見えますが、
実は「エゴノネコアシ(エゴノ猫足)」と言い、
「エゴノネコアシアブラムシ」という昆虫の子供のねぐらです。
この虫がエゴノキに「虫えい」を作ると、
蓮の花のような、仏の手のような、不思議な形になります。

「虫えい」は植物によって色々な形があり、
それぞれの昆虫が決まった植物に寄生します。
「虫えい」には、染色や薬に利用したり、
笛として遊べるようなものもあります。
植物と昆虫のつながりの深さを感じますね。

りょうぶ

2011-07-08 | 樹木
  りょうぶ/令法
はたつもり(畑つ守)とも呼ばれるリョウブは、
花の少ない夏盛りに、たくさんの穂を突き出して、
よい香りをさせています。

飢饉の時のために、葉を乾燥させて保存し、雑穀粥の具にしたのでしょうか。
クサギやタニウツギ、ハナイカダ(ママコナ)などとともに救荒植物でした。
非常時に備えるために農家から葉を集め、保管していた藩もあります。
「令法」の名は、そこから来たとも言われています。

ハタツモリ、畑つ守と言う別名も、いい響きをしていますね。
里山に多く自生し、また畑や田の周辺に積極的に植えていたのかも知れませんが、
飢饉の時の助けとなったゆえの名なのでしょう。

夏の赤い花は、夏らしく…
夏の黄の花は、太陽で…
夏の白い花は、たましいのゆくへ…

           はたつもり動かぬこころを指さして

ぎんばいか

2011-07-01 | 樹木
  ギンバイカ/銀梅花 フトモモ科
植栽されたギンバイカの花が、梅雨空の下、
ふわふわのブラシ的に、咲いていました。

葉をちぎると、いい香りがするのです。
地中海地方原産の、樹木ハーブです。

梅雨時期は白い花が多い気がします。

ギンバイカは、花後の青い実も可愛い!
またご紹介いたしますね。