泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

たぶのき

2012-04-26 | 樹木
  たぶのき(いぬぐす)  クスノキ科
ここ泉山ではタブノキの花が咲き始めました。
ちょうどすぐそばで、手に取る様に観察することができる場所で、
咲いているのです。

なんとも言えない、さわやかなグリーン!
少し香りもあるようです。小さな花ですが、
苞の赤い色も合わさって、にぎやかな感じも受けます。

タブノキは西日本では沿海地だけでなく、山中にも生えていて、
特に幼木は葉の形がさまざまで、
これは何の木?と一瞬戸惑うこともあるのですが、
ひとつの特徴を覚えていれば、すぐにその正体を見抜くことができます。

それは、葉をちぎって嗅ぐと、
ある種の生臭い匂いがするのです。
この匂いを記憶しておくと、
タブノキだと分かります。

花が咲いていれば、同定はたやすいのですが、
そうでない時は、形、匂い、感触など、
ひとつの特徴を手がかりに同定することも多いのです。

本をよく読んで、頭に入れ、
フィールドワークで実物を多く見て観察し、
本と見比べながら、同定する作業は、
楽しいものです。




いぶきじゃこうそう

2012-04-20 | 樹木
  いぶきじゃこうそう/伊吹麝香草  シソ科
岐阜県伊吹山に多く自生するという、伊吹麝香草。
じつは点々と各地に自生している、日本の「タイム」です。
つまりハーブのタイムの仲間。

泉山のものは植栽されたものですが、
見事な花に思わずうっとり!

タイムの香りとしては、やや渋みがあるように感じます。

背は低く、10センチあまりの高さで、横に広がっていきます。
伊吹麝香草は、草の名が付いていますが、小さくてもれっきとした樹木です。

木本と草本の違いは、簡単に言えば、木本は地上部に冬芽ができ、
地表や地中に冬芽ができるものを草本と言います。
ただ例外もあるので、木か草かという分け方は、
植物学の世界でも論争のある所です。

詩の世界、民衆の世界では、例えば「梅の木」を「春告草」「匂草」と呼ぶように、
言葉はそのものを指す以外に、空間・時間表現をも併せ持っていると言えるでしょう。

ひめうず

2012-04-13 | 草花
  ひめうず/姫烏頭  キンポウゲ科
みなさんは「ヒメウズ」という小さな白い花を見たことがあるでしょうか。
じつは、庭や道ばた、石垣や草地のいたるところに生えているのです。

いちど記憶すると、ああ、ここにもある、ここにも咲いていると、
見つけることができるのですが、
知らないとか、頭にそのことがないとかすると、
全然気にならないことがあるように、
特に小さなものは、そこにあっても存在しないことってよくありますね。

ヒメウズは、小さな白い、可愛い花を咲かせながら、
存在を誇示するわけでもなく、ただ、淡々と生きている。
そのような植物に、なぜか惹かれるのです。

ちなみに、地下に球根のような塊茎があって、
草取りで地上部がむしりとられても、
ふたたび芽を出すのです。

ちゃんと戦略を練っているのでした!










やまざくら

2012-04-08 | 樹木
  やまざくら/山桜  バラ科
ようやく山桜が咲きはじめました。
山桜のよさは、花色は白でも、いっしょに出る葉の色によって、
白から濃い桃色まで色の段階があって、そのグラデーションが、
霞のように見えるところでしょうか。

ただ群生しているところは少ないので、
なかなか花霞を見ることはないのですが、
近づいてみても、可愛いものです。

下の写真は染井吉野ですが、咲きはじめと、散るときは、
感動を覚えますね。



桜は日本人の心を映して、今年も咲いています。